44 / 56
最高の女
しおりを挟む2人きりの世界に浸っていると、そんなことはお構い無しだと言わんばかりに割り込んでくる男が約1名。
「初めまして、望月といいます。朝日さんと一緒に吉助さんの結婚式の二次会を任されていまして」
「アナタが望月さん!どうも、内藤です。ご存知でしょうが、香奈の彼氏です」
ここで吉助さんが補足する。
「ほら、内藤工務店って知ってるだろ?あそこの跡取りなんだよ。最近かなり業務拡大してるからさ、望月もこれを機会に親交を深めておいた方がいい」
という調子で、最初は当たり障りの無い会話を楽しんでいたように思う。…ところが、だ。
>内藤さんは絶対にモテるでしょう?
>なのに何故この朝日なんですか??
>もっと上を目指しましょうよ~。
>俺は最高の女をモノにしますからねッ!
>もしや朝日のお祖父さんが銀行の頭取だから
>自社を盤石にするためのビジネス恋愛とか?
どうやら望月さんは酒癖が非常に悪いらしく。吉助さんが止めるのも聞かずに飲み続けた挙句、場を盛り上げようと思ったのか、ひたすら私を貶し始めた。最初は笑っていた私だが、段々と悲しくなってきて。そんな時に内藤さんが反論を開始してくれたのだ。
「望月さん、『最高の女』の定義って何です?」
「え~っ、それはやっぱり誰が見ても美人で、そこそこ賢くて気が利く女性かなあ?…この、『そこそこ』ってところがミソで、自分よりも賢くてもそれはそれで鼻につくと言うか、でもまあバカな女はゴメンです。あと、我儘なのも」
うるせえ、何様なのかと私は言いたい。
内藤さんはニコニコと笑顔を貼り付けたままで、再び話し続ける。
「僭越ながら俺、女には困ったことが無くて。『誰が見ても美人』を取っ替え引っ替えしてた時期もありましたよ。彼女たちはそこそこ賢く、それなりに気を利かせてくれたけど、ずっと付き合い続けようとは思わなかったな。たぶん当時の俺は自分に自信が無くて、自分をスゴイと周囲に知らしめるためだけ…そうステータスとして女性を利用していただけだったんですよ」
「…ステータス?」
どうやら望月さんはそこまで泥酔しているワケでもないようで、真顔で話に聞き入っている。
「彼女たちは男に慣れていたし、絶妙な距離で接してくれました。服装も会話もセンスが良く、何処に連れて行っても恥ずかしくない最高の人たちだったと思います」
「そう!俺はそういう女を求めてるんですッ」
内藤さんは一瞬だけ私の方を見て、優しく笑ったかと思うと手元のビールを一口だけ含んだ。
0
あなたにおすすめの小説
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ブラック企業で倒れた私を、ネトゲ仲間の社長が強制保護して溺愛しています
紅 与一
恋愛
過労で倒れた私を救ったのは、
ネトゲ仲間――そしてIT企業の若き社長。
「もう君は、僕の管理下だよ」
退院と同時に退職手続きは完了。
住む場所も、生活も、すべて彼に囲われた。
外出制限、健康管理、過保護な独占欲。
甘くて危険な“保護生活”の中で、
私は少しずつ彼に心を奪われていく――。
元社畜OL×執着気味の溺愛社長
囲い込み同棲ラブストーリー。
完結【強引な略奪婚】冷徹な次期帝は、婚姻間近の姫を夜ごと甘く溶かす
小木楓
恋愛
完結しました✨
タグ&あらすじ変更しました。
略奪された大納言家の香子を待っていたのは、冷徹な次期帝による「狂愛」という名の支配でした。
「泣け、香子。お前をこれほど乱せるのは、世界で私だけだ」
「お前はまだ誰のものでもないな? ならば、私のものだ」
大納言家の姫・香子には、心通わせる穏やかな婚約者がいた。
しかし、そのささやかな幸福は、冷徹と噂される次期帝・彰仁(あきひと)に見初められたことで一変する。
強引な勅命により略奪され、後宮という名の檻に閉じ込められた香子。
夜ごとの契りで身体を繋がれ、元婚約者への想いすら「不義」として塗り潰されていく。
恐怖に震える香子だったが、閉ざされた寝所で待っていたのは、想像を絶するほど重く、激しい寵愛で……?
「痛くはしない。……お前が私のことしか考えられなくなるまで、何度でも教え込もう」
逃げ場のない愛に心が絡め取られていく中、彰仁は香子を守るため、「ある残酷な嘘」を用いて彼女を試す。
それは、愛するがゆえに彼女を嫉妬と絶望で壊し、「帝なしでは息もできない」状態へ作り変えるための、狂気じみた遊戯だった。
「一生、私の腕の中で溺れていろ」
守るために壊し、愛するために縛る。
冷酷な仮面の下に隠された、
一途で異常な執着を知った時、香子の心もまた甘い猛毒に溶かされていく――。
★最後は極上のハッピーエンドです。
※AI画像を使用しています。
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる