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第二章:IN THE HERO
関口 陽(ひなた) (10)
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「なぁ……ファンタジーもののラノベとかマンガとかアニメで、よく『魔界への扉を開こうとする悪の魔法使い』とか『ラスボスの目的は世界を滅ぼす魔王を呼び出す事』なんてパターンが有るじゃん……」
「知らん。私は、そんなモノ、見ないし読まない」
「ああ、そう……。でも……ここまで簡単に……」
「おい……判ってると思うが……長時間『観』るな……。あっちの『大物』も、こちら側を覗き返している」
謎のトラックが事故を起こした現場に辿り着いた……この「島」の3つの「自警団」のメンバーは……呆然と「それら」を……あ……「眺めてた」と言いたいとこだが、呑気に眺め続ける訳にはいかない。
あの手のモノを「観」る場合、こちらの「気」が相手にも多少は影響を与える。
相手の詳細を知ろうとすれば……相手も、こちらの存在に気付く。
しかも……。
「確認されただけでも……半径二〇〇m以内に5つ。畏らくは……全部、違う『異界』への『門』だ」
指揮官は4人。
「浅草」の自警団「二十八部衆」の1人、摩睺羅。
背中に「宝船」が描かれた黒いスカジャンを着た、太った白髪・白髭の六〇前後の温和そうなオッサン……。「入谷」の自警団「入谷七福神」の7つのチームの1つ「恵比寿班」のリーダー「恵比寿」。
同じようなスカジャンを着た……「恵比寿」に良く似た顔だが、少し背は高くスマートで……髪や髭も「白」と言うよりも「明い灰色」のオッサン……。私の上司の上司の……上司ぐらいである「大黒天」。
首にゴッツい数珠をかけた僧服にスキンヘッドの五〇過ぎの……背はそれほどじゃないがガッチリした体付きの女。「上野」の自警団「寛永寺僧伽」の子院の1つ「圓珠院」の「院主」。
そこに「寛永寺僧伽」と「入谷七福神」のメンバーが、各およそ三〇名ほど。
「4チームに分かれて『門』を閉じる呪法を行なう。リーダーが他の『自警団』のヤツでも、命令には従え。判ったな?」
摩睺羅が、全員にそう告げた。
「とりあえず、一番デカいのは最後だ」
大きさは……バラバラ……。
あるモノは、上空数十mの所に有り……あるモノは、「地面」の近くに有る。一番デカいのは……「地面」の下に有るようだ……。
「それら」から吹き出す「気」の「質」は微妙に違うが……でも、少なくとも私には「似た」モノに「観」える。
「大きな目を持つ黒い球体」……私には、「それら」はそのように「観」えた。
「目」が有るように「観」えるのは……多分、向こう側に居る「大物」が「こっち」を覗いてるからだろう……。
原因は判らない……だが……。
謎のトラックが事故を起こした現場に駆け付けてみれば……その周囲には……判っている限りで5つの「異界への門」が開いていた……。もちろん、1つ残らず……魔界・冥界・地獄・奈落……何と呼んでもいいが剣呑い世界だ。
そして、その「門」から次々と悪霊・魑魅魍魎・魔物が吹き出し続けている。
今の所……同じ化物とは言っても、違う「異界」から来た奴同士は仲が良くないみたいで……化物同士で潰し合いをしてくれてるんで、人間への被害は最小限で済んでいる状況だ。
何故、そんな事が起きたのかは……現時点では不明。
トラックの中には、運転席に二〇代半ばらしい男が気絶していて……積んであったコンテナの中には……。
「何だ……こりゃ……一体?」
「SF映画の撮影でもやってたのか?」
コンテナの中は部屋になっていて……中には……何に使うモノか良く判らないコンピューターが大量に有った。幅・高さともに2m弱のスチール棚に基盤が剥き出しのコンピューターが満載。
これを動かしながら走ってた……って、待て、まさか、このコンピュータの山、電動トラックにバッテリーを増設しないといけない程の電力を喰う代物なのか?
「あのチビの言ってた『霊を映すカメラ』は与太かも知れないが……でも、動画サイトに上がってたあれ……単純なCG使ったトリックじゃなさそうだな……」
「えっ?」
「撮影した映像にリアルタイムでCGで作った『霊体』を合成するだけなら……高性能なPCが1台有れば済む。……多分だけどな。こんなにも大量のコンピュータは要らない」
その時……。
ドローンがコンテナの中を撮影していた。
「一息付いたら……これが何か、お前の科学技術顧問に聞いた方がいいな……」
「ああ……」
「そうだ……。どうやら、お前と同じチームらしい。……知ってるだろうが、名乗っておこう。『寛永寺僧伽・元光院』の篠原千晶だ」
「『入谷七福神・大黒天班』の関口陽だ……。よろしくな」
「ところで……あの男は何者だ? 有名人か?」
「さ……さあ?」
ドローンの内の一台は……気を失なった状態で引きずり出された、トラックのコンテナの中に居た三〇代後半ぐらいの男を撮影していた。
「知らん。私は、そんなモノ、見ないし読まない」
「ああ、そう……。でも……ここまで簡単に……」
「おい……判ってると思うが……長時間『観』るな……。あっちの『大物』も、こちら側を覗き返している」
謎のトラックが事故を起こした現場に辿り着いた……この「島」の3つの「自警団」のメンバーは……呆然と「それら」を……あ……「眺めてた」と言いたいとこだが、呑気に眺め続ける訳にはいかない。
あの手のモノを「観」る場合、こちらの「気」が相手にも多少は影響を与える。
相手の詳細を知ろうとすれば……相手も、こちらの存在に気付く。
しかも……。
「確認されただけでも……半径二〇〇m以内に5つ。畏らくは……全部、違う『異界』への『門』だ」
指揮官は4人。
「浅草」の自警団「二十八部衆」の1人、摩睺羅。
背中に「宝船」が描かれた黒いスカジャンを着た、太った白髪・白髭の六〇前後の温和そうなオッサン……。「入谷」の自警団「入谷七福神」の7つのチームの1つ「恵比寿班」のリーダー「恵比寿」。
同じようなスカジャンを着た……「恵比寿」に良く似た顔だが、少し背は高くスマートで……髪や髭も「白」と言うよりも「明い灰色」のオッサン……。私の上司の上司の……上司ぐらいである「大黒天」。
首にゴッツい数珠をかけた僧服にスキンヘッドの五〇過ぎの……背はそれほどじゃないがガッチリした体付きの女。「上野」の自警団「寛永寺僧伽」の子院の1つ「圓珠院」の「院主」。
そこに「寛永寺僧伽」と「入谷七福神」のメンバーが、各およそ三〇名ほど。
「4チームに分かれて『門』を閉じる呪法を行なう。リーダーが他の『自警団』のヤツでも、命令には従え。判ったな?」
摩睺羅が、全員にそう告げた。
「とりあえず、一番デカいのは最後だ」
大きさは……バラバラ……。
あるモノは、上空数十mの所に有り……あるモノは、「地面」の近くに有る。一番デカいのは……「地面」の下に有るようだ……。
「それら」から吹き出す「気」の「質」は微妙に違うが……でも、少なくとも私には「似た」モノに「観」える。
「大きな目を持つ黒い球体」……私には、「それら」はそのように「観」えた。
「目」が有るように「観」えるのは……多分、向こう側に居る「大物」が「こっち」を覗いてるからだろう……。
原因は判らない……だが……。
謎のトラックが事故を起こした現場に駆け付けてみれば……その周囲には……判っている限りで5つの「異界への門」が開いていた……。もちろん、1つ残らず……魔界・冥界・地獄・奈落……何と呼んでもいいが剣呑い世界だ。
そして、その「門」から次々と悪霊・魑魅魍魎・魔物が吹き出し続けている。
今の所……同じ化物とは言っても、違う「異界」から来た奴同士は仲が良くないみたいで……化物同士で潰し合いをしてくれてるんで、人間への被害は最小限で済んでいる状況だ。
何故、そんな事が起きたのかは……現時点では不明。
トラックの中には、運転席に二〇代半ばらしい男が気絶していて……積んであったコンテナの中には……。
「何だ……こりゃ……一体?」
「SF映画の撮影でもやってたのか?」
コンテナの中は部屋になっていて……中には……何に使うモノか良く判らないコンピューターが大量に有った。幅・高さともに2m弱のスチール棚に基盤が剥き出しのコンピューターが満載。
これを動かしながら走ってた……って、待て、まさか、このコンピュータの山、電動トラックにバッテリーを増設しないといけない程の電力を喰う代物なのか?
「あのチビの言ってた『霊を映すカメラ』は与太かも知れないが……でも、動画サイトに上がってたあれ……単純なCG使ったトリックじゃなさそうだな……」
「えっ?」
「撮影した映像にリアルタイムでCGで作った『霊体』を合成するだけなら……高性能なPCが1台有れば済む。……多分だけどな。こんなにも大量のコンピュータは要らない」
その時……。
ドローンがコンテナの中を撮影していた。
「一息付いたら……これが何か、お前の科学技術顧問に聞いた方がいいな……」
「ああ……」
「そうだ……。どうやら、お前と同じチームらしい。……知ってるだろうが、名乗っておこう。『寛永寺僧伽・元光院』の篠原千晶だ」
「『入谷七福神・大黒天班』の関口陽だ……。よろしくな」
「ところで……あの男は何者だ? 有名人か?」
「さ……さあ?」
ドローンの内の一台は……気を失なった状態で引きずり出された、トラックのコンテナの中に居た三〇代後半ぐらいの男を撮影していた。
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