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第三章:This Is Not a Film
関口 陽(ひなた) (2)
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「妙・法・蓮・華・経・序・品・第・一」
「オン・マカキャラ・ソワカ」
「オン・バザラ・アラタンノウ・オンタラク・ソワカ」
3つの声が轟いた。そして、3つの「気」の「縄」が球形の「門」に巻き付く。
肉体を持たない……つまり、「気配」や「霊力」を通してしか、こちら側を認識出来ない魔物達からすれば、突然、強力な「気配」が3つも出現した事になる。
魔物達は、慌てて「門」の中に戻ろうとするが……「気」の「縄」に阻まれ……そして……。
瞬く間に「門」は消えた。取り残された悪霊や魔物も段々弱っているようだ。
私は「残党狩り」に備えて、呼吸を整える。
消耗した「気」が少しづつ回復し……。
「待て……用心しろ」
5つ出現した「門」の内、4つは、既に消えたか……消える寸前だ。
だが、今まで動きが無かった最後の1つから……。
「くそ……この時を待ってたのか……」
私が所属してる「入谷七福神・大黒天班」の親分で、急造チームのリーダーでもある「大黒天」が舌打ちをする
「地面」の下に出現した、最も巨大な「門」から次々と悪霊や魔物が出現して、他の「門」から出て来て、こちら側に取り残された悪霊や魔物を食らってゆく。
そして……。
「来るぞ……デカいのが……」
だが……。
それは……漆黒の奔流に見えた。
最後の「門」から出現しようとしていた巨大な魔物を天空から攻撃したモノが居たのだ。
だが、攻撃を受けた魔物も、とてつも無い「量」の禍々しい「気」の塊を相手に投げ付けた。
「マジかよ……」
ほぼ四角形のこの「島」の一番対馬寄りの「角」。その上空三~四〇mの高度に6つ目の「門」が開いていた。
その時、耳に付けていた無線機に着信。
『例のトラックから抜け出したヤツが、島の角に有る民営刑務所の方向に向っている』
ランからだった。
「おい、どう云う事だ? その辺りに……」
『その辺りで、ドローンのカメラに映らない「何か」が起きてる訳か』
「何者なんだ、そいつは?」
どうやら……その何者かが、行く先々で「異界」への「門」を開け続けているらしい。
『そっちの携帯に送ったURIを開け。そこに中継動画をUPしてる』
「URIって何?」
『……』
「どうした?」
『そっちの携帯に送った動画サイトへのリンクを開いてみろ』
「あのさ……最初から、そう言ってくれよ」
「おい、どうした?」
「大黒天」の爺さんが私に声をかける。
「何か……撮影チームのドローンが、この騷ぎの原因らしいモノを見付けたみたいです」
「どう云う事だ?……ん? 何だ、これ?」
動画サイトの中継画像に映っているのは、おどおどとした様子で人っ子1人居ない「アメ横」を歩く男。
キョロキョロと辺りを見回しているが……。
格好からして変だ。
頭の上半分は何かの機械に覆われている。目の箇所に有るのは小型カメラ……。だが……あくまでもヘルメット型の機械を被っているだけで、頭の上半分を機械に置き換えられた「改造人間」じゃないようだ。
ヘルメット型の機械の後頭部からは太めのケーブルが延びている。そのケーブルの先端の様子を見る限りでは……本来はもっと長かったが、何かの拍子に千切れてしまったようだ。
服装は……病院の入院患者みたいなパジャマに、安物っぽいサンダル。
肌には……まるで昔話の「耳なし芳一」のように、到る所に何かの呪文らしき紋様が描かれていた。
『頭に付けるモノが何なのかは判る。脳磁計だ』
「何だそりゃ?」
『脳の活動をリアルタイムで測定する機械だ』
「それ、脳波計って言わない?」
『原理が違う。言わば簡易式のMRIで、脳の活動を脳波計よりも高い解像度で測定する事が……おい、私の言ってる事が判らないなら、そう言ってくれ。他の説明のやり方を考える』
「あ……ああ、MRIね。うん、知ってる……ちょっと待って」
そう言って、私は耳の無線機を一端外す。
「あの~……MRIって何なのか知ってる人居ます?」
「あのさ……」
答えたのは、笹原だった。
「今、話してるのが、あのお前のチビの科学技術顧問なら……あいつに聞けば済む話じゃないのか?」
だが、「大黒天」の爺さんが、更に、とんでもない事を言い出した。
「おい……この中継動画、変だぞ」
「えっ?」
「何で『アメ横』に、人っ子1人居ない」
あ……そう言えば……。
「あと……同時視聴者数3桁って……誰が見てんだ?」
「オン・マカキャラ・ソワカ」
「オン・バザラ・アラタンノウ・オンタラク・ソワカ」
3つの声が轟いた。そして、3つの「気」の「縄」が球形の「門」に巻き付く。
肉体を持たない……つまり、「気配」や「霊力」を通してしか、こちら側を認識出来ない魔物達からすれば、突然、強力な「気配」が3つも出現した事になる。
魔物達は、慌てて「門」の中に戻ろうとするが……「気」の「縄」に阻まれ……そして……。
瞬く間に「門」は消えた。取り残された悪霊や魔物も段々弱っているようだ。
私は「残党狩り」に備えて、呼吸を整える。
消耗した「気」が少しづつ回復し……。
「待て……用心しろ」
5つ出現した「門」の内、4つは、既に消えたか……消える寸前だ。
だが、今まで動きが無かった最後の1つから……。
「くそ……この時を待ってたのか……」
私が所属してる「入谷七福神・大黒天班」の親分で、急造チームのリーダーでもある「大黒天」が舌打ちをする
「地面」の下に出現した、最も巨大な「門」から次々と悪霊や魔物が出現して、他の「門」から出て来て、こちら側に取り残された悪霊や魔物を食らってゆく。
そして……。
「来るぞ……デカいのが……」
だが……。
それは……漆黒の奔流に見えた。
最後の「門」から出現しようとしていた巨大な魔物を天空から攻撃したモノが居たのだ。
だが、攻撃を受けた魔物も、とてつも無い「量」の禍々しい「気」の塊を相手に投げ付けた。
「マジかよ……」
ほぼ四角形のこの「島」の一番対馬寄りの「角」。その上空三~四〇mの高度に6つ目の「門」が開いていた。
その時、耳に付けていた無線機に着信。
『例のトラックから抜け出したヤツが、島の角に有る民営刑務所の方向に向っている』
ランからだった。
「おい、どう云う事だ? その辺りに……」
『その辺りで、ドローンのカメラに映らない「何か」が起きてる訳か』
「何者なんだ、そいつは?」
どうやら……その何者かが、行く先々で「異界」への「門」を開け続けているらしい。
『そっちの携帯に送ったURIを開け。そこに中継動画をUPしてる』
「URIって何?」
『……』
「どうした?」
『そっちの携帯に送った動画サイトへのリンクを開いてみろ』
「あのさ……最初から、そう言ってくれよ」
「おい、どうした?」
「大黒天」の爺さんが私に声をかける。
「何か……撮影チームのドローンが、この騷ぎの原因らしいモノを見付けたみたいです」
「どう云う事だ?……ん? 何だ、これ?」
動画サイトの中継画像に映っているのは、おどおどとした様子で人っ子1人居ない「アメ横」を歩く男。
キョロキョロと辺りを見回しているが……。
格好からして変だ。
頭の上半分は何かの機械に覆われている。目の箇所に有るのは小型カメラ……。だが……あくまでもヘルメット型の機械を被っているだけで、頭の上半分を機械に置き換えられた「改造人間」じゃないようだ。
ヘルメット型の機械の後頭部からは太めのケーブルが延びている。そのケーブルの先端の様子を見る限りでは……本来はもっと長かったが、何かの拍子に千切れてしまったようだ。
服装は……病院の入院患者みたいなパジャマに、安物っぽいサンダル。
肌には……まるで昔話の「耳なし芳一」のように、到る所に何かの呪文らしき紋様が描かれていた。
『頭に付けるモノが何なのかは判る。脳磁計だ』
「何だそりゃ?」
『脳の活動をリアルタイムで測定する機械だ』
「それ、脳波計って言わない?」
『原理が違う。言わば簡易式のMRIで、脳の活動を脳波計よりも高い解像度で測定する事が……おい、私の言ってる事が判らないなら、そう言ってくれ。他の説明のやり方を考える』
「あ……ああ、MRIね。うん、知ってる……ちょっと待って」
そう言って、私は耳の無線機を一端外す。
「あの~……MRIって何なのか知ってる人居ます?」
「あのさ……」
答えたのは、笹原だった。
「今、話してるのが、あのお前のチビの科学技術顧問なら……あいつに聞けば済む話じゃないのか?」
だが、「大黒天」の爺さんが、更に、とんでもない事を言い出した。
「おい……この中継動画、変だぞ」
「えっ?」
「何で『アメ横』に、人っ子1人居ない」
あ……そう言えば……。
「あと……同時視聴者数3桁って……誰が見てんだ?」
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