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第六章:Rebel Without a Clue

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「千明から教わった棒術の型をやってみせろ」
 高良山神社の境内で、クソ女は、そう言いながら、あたしに枯れ枝の棒を渡す。
「え……?」
「やってみろ」
「は……はい……」
 でも……。
 巧くいかない。
 いや……一応は教えられた通りの動きは出来てる気がするけど……同時に、どこか自分でもぎこちない動きの気も……。
「緊張してるのか? 余分な力を抜いて、いつも通りやれ」
 うう……。調子良くない事を見抜かれてる。
 最初からやり直しても……。
「おい、私の顔を見ながらやるな」
 だめだ……早速、ドツボにハマりかけてる。
 クソ女の事を気にすまいと思うほどに気にしてしまう。
「どんな武道・武術の型もそうだろうけど……特に棒術は、動きに変なクセが付きかけてると、途端にスムーズな動きが出来なくなる」
「えっ?」
「私達の教え方が悪かったのかも知れないけど……ここ何日か気負い過ぎだ。少し休め」
「あ……あ……え……えっと……」
「あと、お前の腕は、お前が思ってるより上達してる。いいか、自信喪失は自信過剰と同じ位悪い」
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