37 / 83
第五章:Over the Limit
(3)
しおりを挟む
当面は、弁護士さんに「『魔法少女』って、身寄りがない未成年者を、ちゃんとした説明抜きで働かせてるマズい事業じゃないのか?」という方向から攻めてもらう事になり、あたし達「プリティ・トリニティ」と「フラワレット・カルテット」のメンバーは運営に知られてない知り合いの家に分散して泊まる事に……とそこまで話し合った所で重大な問題が発覚。
……あたし達は同じ「魔法少女」チームの仲間以外にロクな「友達」が居なかったのだ。
そこで、たまたまこの件に関わってた眞木さんの家に一時的に居候する事になった。
「え……?」
団地の近くの公園を経由して近くのバス停に向かおうとしたら……。
「何で……」
そう言ったのは……あたしじゃない。
「何で……魔法少女をやめるなんて言うんだ……?」
「え……江見さん……」
しわくちゃの背広とワイシャツに……無精髭……。いつも付けてる眼鏡はしてない。……でも……。
「誰だ?」
「あたし達のマネージャーですけど……でも……」
江見さんの目は血走っていて……。
「何かに……取り憑かれてるのか?」
「は……はい……」
「いざとなったら、これを使ってくれ……。私には使えないんでな。『気』だか『魔力』だかを注入して周囲に撒き散らせば発動する……そうだ」
そう言って、眞木さんのお姉さんは分厚い封筒を渡す。
中には……紙幣ぐらいの大きさの御札のようなモノが何枚も入っている。
「でも、一度に全部使うなよ……」
「がああ……」
突然、江見さんが叫び声を上げ……。
その時……あたしは、眞木さんのお姉さんがやってる事に……違和感を感じた……。
何だろう……。
みんながいつもやってるのに……何故か……眞木さんのお姉さんがやってるのを一度も見た事が無い……。
江見さんが、あたし目掛けて突っ込んで来ると同時に……眞木さんのお姉さんがコートのポケットから手を出す……。
あ……。
眞木さんのお姉さんは……どんなに寒くてもポケットに手を入れた事が一度も無かった……けど……今は……。
「ぐえええ……」
眞木さんのお姉さんは……手に握られた小瓶の中に入っていたオレンジ色の粉末を江見さんの顔にかける。
「逃げるぞ」
「あ……あの……それ……何ですか?」
「唐辛子だ」
「えっ?」
「沖縄産の一番辛い品種の一番細かく挽いた……おい……後ろ……」
「へっ?」
うそ……涙を流しながら……どうやら目が見えてないように見える江見さんが……あたし達を追い掛けてきてる。
「御札を使ってくれ」
「は……はい……」
御札を何枚か取り出して、その御札に軽く「魔力」を送ってみると……。
「こ……これ……?」
恐怖……。
何かを怖がっている人間のような気配……。
それが御札から放たれている。
そうか……。
あたしは、その御札を江見さんに向けて投げる。
江見さんは唐辛子粉のせいで、一時的に視力を失なっているか……大幅に落ちてるらしい。
でも……あたし達を追って来れた。
多分……江見さんに取り憑いてる「何か」があたし達の気配を追ってきたんだろう。
でも、そこに「怯えてる人間」にそっくりな気配を放つ御札を撒き散らした。
江見さんは立ち止まり……困ったような感じで、首を振り続ける。
「逃げるぞ」
「は……はい……」
けど……。
「向こうも馬鹿じゃないか……」
「どうして?」
江見さんは、また、走り出した。
「気配の見分けは付かなくても……移動してる気配を本物だと判断……クソ……」
今度は前の方に男の人が2人。
その2人の男の人の服が……昔のマンガの「北斗の拳」みたいに破れて、はじけ飛び……。
河童と狼男っぽい獣人に変身。
「一端、止まろう……」
「で……でも……」
前には……河童と狼男……後ろには……何かに取り憑かれた江見さん。
「があああ……」
江見さんは……あたし目掛けて……。
「伏せろ……」
「はい……」
江見さんが宙を飛んだ……。
「うわっ?」
「がっ?」
眞木さんのお姉さんが江見さんを背負い投げして……そして、江見さんと河童が激突。
「ガキ……てめえ……何も……?」
次の瞬間、眞木さんのお姉さんが狼男の腹にパンチを叩き込んだ。
……あたし達は同じ「魔法少女」チームの仲間以外にロクな「友達」が居なかったのだ。
そこで、たまたまこの件に関わってた眞木さんの家に一時的に居候する事になった。
「え……?」
団地の近くの公園を経由して近くのバス停に向かおうとしたら……。
「何で……」
そう言ったのは……あたしじゃない。
「何で……魔法少女をやめるなんて言うんだ……?」
「え……江見さん……」
しわくちゃの背広とワイシャツに……無精髭……。いつも付けてる眼鏡はしてない。……でも……。
「誰だ?」
「あたし達のマネージャーですけど……でも……」
江見さんの目は血走っていて……。
「何かに……取り憑かれてるのか?」
「は……はい……」
「いざとなったら、これを使ってくれ……。私には使えないんでな。『気』だか『魔力』だかを注入して周囲に撒き散らせば発動する……そうだ」
そう言って、眞木さんのお姉さんは分厚い封筒を渡す。
中には……紙幣ぐらいの大きさの御札のようなモノが何枚も入っている。
「でも、一度に全部使うなよ……」
「がああ……」
突然、江見さんが叫び声を上げ……。
その時……あたしは、眞木さんのお姉さんがやってる事に……違和感を感じた……。
何だろう……。
みんながいつもやってるのに……何故か……眞木さんのお姉さんがやってるのを一度も見た事が無い……。
江見さんが、あたし目掛けて突っ込んで来ると同時に……眞木さんのお姉さんがコートのポケットから手を出す……。
あ……。
眞木さんのお姉さんは……どんなに寒くてもポケットに手を入れた事が一度も無かった……けど……今は……。
「ぐえええ……」
眞木さんのお姉さんは……手に握られた小瓶の中に入っていたオレンジ色の粉末を江見さんの顔にかける。
「逃げるぞ」
「あ……あの……それ……何ですか?」
「唐辛子だ」
「えっ?」
「沖縄産の一番辛い品種の一番細かく挽いた……おい……後ろ……」
「へっ?」
うそ……涙を流しながら……どうやら目が見えてないように見える江見さんが……あたし達を追い掛けてきてる。
「御札を使ってくれ」
「は……はい……」
御札を何枚か取り出して、その御札に軽く「魔力」を送ってみると……。
「こ……これ……?」
恐怖……。
何かを怖がっている人間のような気配……。
それが御札から放たれている。
そうか……。
あたしは、その御札を江見さんに向けて投げる。
江見さんは唐辛子粉のせいで、一時的に視力を失なっているか……大幅に落ちてるらしい。
でも……あたし達を追って来れた。
多分……江見さんに取り憑いてる「何か」があたし達の気配を追ってきたんだろう。
でも、そこに「怯えてる人間」にそっくりな気配を放つ御札を撒き散らした。
江見さんは立ち止まり……困ったような感じで、首を振り続ける。
「逃げるぞ」
「は……はい……」
けど……。
「向こうも馬鹿じゃないか……」
「どうして?」
江見さんは、また、走り出した。
「気配の見分けは付かなくても……移動してる気配を本物だと判断……クソ……」
今度は前の方に男の人が2人。
その2人の男の人の服が……昔のマンガの「北斗の拳」みたいに破れて、はじけ飛び……。
河童と狼男っぽい獣人に変身。
「一端、止まろう……」
「で……でも……」
前には……河童と狼男……後ろには……何かに取り憑かれた江見さん。
「があああ……」
江見さんは……あたし目掛けて……。
「伏せろ……」
「はい……」
江見さんが宙を飛んだ……。
「うわっ?」
「がっ?」
眞木さんのお姉さんが江見さんを背負い投げして……そして、江見さんと河童が激突。
「ガキ……てめえ……何も……?」
次の瞬間、眞木さんのお姉さんが狼男の腹にパンチを叩き込んだ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる