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第七章:HIGH POWERED
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春休みとともに、あたし達の山籠りの修行も終り、新学期が始まり……。
そして……ゴールデン・ウィークまで一〇日を切り……。
「ようやく、届いたか……」
「や……やっぱ……この格好で人前は……その……」
「ああ、ここのカラオケ屋、金ないから……あの防犯カメラはダミーだ」
あたしは、カラオケ屋の大部屋で……「悪堕ちフォーム」と称するSMクラブの女王様みたいな格好をしていた。
「動きはどうだ?」
高木さんが、そう訊いた。
「えっと……ちょっと、肘と膝と手首・足首が……」
胴体は、やたらと露出度が多いのに、手足は逆。
黒いピンヒールのニーハイ・ブーツに黒い長手袋。
ただでさえ歩きにくいのに……着てみて判った。伸縮性に問題のある素材で出来てる。
「『魔法少女』の企画会社は……この手の衣装の経験、あんまり無いみたいだね」
眞木さんが、モバイルPCの画面を見ながら……そう言ったけど……。
「当り前だ。未成年にこんな格好させて、人前に出そうって時点で頭がおかしい。ああ、そうだ。筑後川に浮かべる特設リングの詳細は判ったか?」
「いえ……まだ……何も……」
「こっちの靴も……滑り易そうな靴底だな……でも……」
高木さんは「フワラレット・カルテット」のメンバーに送られてきた衣装をチェックしながら、そう言った。
「でも?」
「ああ、例えば、屋外で滑りにくい靴底と……屋内……そうだな、工場内とかで滑りにくい靴底はビミョ~に違う。どう改造すれば、滑ったり転んだりする確率を減らせるか……ちょっと難しいな……」
「あと……残りの1チームが……肉弾戦が得意で、運営のバックに居るヤー公が、一番、金持ってそうな『組』なんだよな……」
続いて陽さん。
「それが……?」
「Neo Tokyoで、この手のイベントに関わってた経験からすると……こんな特設リング発注するの……開催予定日の1~2ヶ月前じゃないと間に合わないぞ。それと考え合わせると……」
「残りの1チームが有利なリングか?」
「ああ、台本書き変わって『魔法少女大戦』なんてイベントが始まる事になる前に発注されたモノだろう。残りの1チームが勝つような台本を前提に作られてる可能性が高いな」
「リングに何か仕掛けが有るとか?」
そう訊いたのはアカリちゃんだったが……。
「それも有るけど……単純に……」
「何?」
「揺れる」
「えっ?」
「リングが大揺れする可能性がデカい。運動神経が無いヤツにはフツ~にキツぞ」
「ん? ねえ、これ……瀾ちゃんや陽ちゃんの知ってる人達じゃない?」
その時、眞木さんが、急に、そんな事を言い出した。
「何だ?」
眞木さんが見せたモバイルPCの画面には……。
動画サイトにUPされてるニュース映像。
ただし……地元ニュースじゃない。
十年前の富士の噴火以降……絶滅危惧種になってる全国ネットのニュースだ。
『広島県全域を実効支配している暴力団・神政会と広島沖に有る「関東難民」用居住区「Neo Tokyo Site02」通称「渋谷・新宿区」の自治団体との間での交渉が決裂したと、当事者双方の広報部門が発表しました。これは、「渋谷・新宿区」の治安維持を神政会が行なうか、これまで通り、「渋谷・新宿区」の3つの「自警団」が行なうかを巡って……』
そして……ゴールデン・ウィークまで一〇日を切り……。
「ようやく、届いたか……」
「や……やっぱ……この格好で人前は……その……」
「ああ、ここのカラオケ屋、金ないから……あの防犯カメラはダミーだ」
あたしは、カラオケ屋の大部屋で……「悪堕ちフォーム」と称するSMクラブの女王様みたいな格好をしていた。
「動きはどうだ?」
高木さんが、そう訊いた。
「えっと……ちょっと、肘と膝と手首・足首が……」
胴体は、やたらと露出度が多いのに、手足は逆。
黒いピンヒールのニーハイ・ブーツに黒い長手袋。
ただでさえ歩きにくいのに……着てみて判った。伸縮性に問題のある素材で出来てる。
「『魔法少女』の企画会社は……この手の衣装の経験、あんまり無いみたいだね」
眞木さんが、モバイルPCの画面を見ながら……そう言ったけど……。
「当り前だ。未成年にこんな格好させて、人前に出そうって時点で頭がおかしい。ああ、そうだ。筑後川に浮かべる特設リングの詳細は判ったか?」
「いえ……まだ……何も……」
「こっちの靴も……滑り易そうな靴底だな……でも……」
高木さんは「フワラレット・カルテット」のメンバーに送られてきた衣装をチェックしながら、そう言った。
「でも?」
「ああ、例えば、屋外で滑りにくい靴底と……屋内……そうだな、工場内とかで滑りにくい靴底はビミョ~に違う。どう改造すれば、滑ったり転んだりする確率を減らせるか……ちょっと難しいな……」
「あと……残りの1チームが……肉弾戦が得意で、運営のバックに居るヤー公が、一番、金持ってそうな『組』なんだよな……」
続いて陽さん。
「それが……?」
「Neo Tokyoで、この手のイベントに関わってた経験からすると……こんな特設リング発注するの……開催予定日の1~2ヶ月前じゃないと間に合わないぞ。それと考え合わせると……」
「残りの1チームが有利なリングか?」
「ああ、台本書き変わって『魔法少女大戦』なんてイベントが始まる事になる前に発注されたモノだろう。残りの1チームが勝つような台本を前提に作られてる可能性が高いな」
「リングに何か仕掛けが有るとか?」
そう訊いたのはアカリちゃんだったが……。
「それも有るけど……単純に……」
「何?」
「揺れる」
「えっ?」
「リングが大揺れする可能性がデカい。運動神経が無いヤツにはフツ~にキツぞ」
「ん? ねえ、これ……瀾ちゃんや陽ちゃんの知ってる人達じゃない?」
その時、眞木さんが、急に、そんな事を言い出した。
「何だ?」
眞木さんが見せたモバイルPCの画面には……。
動画サイトにUPされてるニュース映像。
ただし……地元ニュースじゃない。
十年前の富士の噴火以降……絶滅危惧種になってる全国ネットのニュースだ。
『広島県全域を実効支配している暴力団・神政会と広島沖に有る「関東難民」用居住区「Neo Tokyo Site02」通称「渋谷・新宿区」の自治団体との間での交渉が決裂したと、当事者双方の広報部門が発表しました。これは、「渋谷・新宿区」の治安維持を神政会が行なうか、これまで通り、「渋谷・新宿区」の3つの「自警団」が行なうかを巡って……』
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