1 / 1
悪夢の未来転生
しおりを挟む
「ええっと……貴方は……2020年代の日本人ですよね?」
気が付くと、やたらと汚なく暗い寒い建物の中で、俺は、汚いボロボロの服装の中高年の男達に囲まれていた。
「だ……誰だ……あんた達は?」
「日本亡命政府の者です」
「亡命政府?」
「はい……ここは貴方の時代から見た未来の……月です」
「月って……空に有る月?」
「そうです……この時代の日本には……外国に国を売り渡した売国奴しか残っていません。我々、日本を愛する普通の日本人は……地球に居場所が無くなり……この月の地下の流刑地に送られたのです……。月への植民実験を兼ねて……」
「ちょ……ちょっと待って、どうして、そんな事になったの?」
「貴方の時代ごろに、何故か、日本人の大量絶滅が起きまして……。その結果、日本は……国の体を成さなくなりました」
「えっ?」
「つまり、我々は、貴方を日本人の大量絶滅より救い出し、この未来の世界の月の地下の植民地に転生させたのです」
「は……はぁ……。そりゃ、どうも……」
「それで、貴方に証明していただきたいのですが……」
「何を?」
「貴方が生きてた時代の日本は、世界に冠たる素晴らしい国だったと……」
「ええ、TVでは、いつも『日本スゲェ!!』的な番組が放送されてましたよ」
「TV?」
「どうかしましたか?」
「ネットでは、どう言われてましたか? 当時の記録ではTVや新聞は嘘ばかりで、真実はネットにしか残ってないと……」
「ええっと……」
「GDPは中国より上ですよね」
「あ……あぁ……ええっと……1人当りは……」
「1人当り?」
「中国は人口が多いですし……」
「つまり、1人当りのGDPは世界有数なんですよね?」
「ええっと……どうだったかな?」
「我々の手に有る政府の公式記録では、世界有数の豊かな国だったと記されていますが……」
「はぁっ?」
ちょっと待て、その「政府の公式記録」って、本物の「政府の公式記録」か?
そう思った時、周囲から怒りと怨嗟の声が轟いた……。おそらく、俺が素頓狂な声をあげたのと、そんな馬鹿な、と云う表情をしたせいだろう。
「またか……」
「何故、いつもだ……?」
「どうして、日本を愛する普通の日本人は転生せず、偽の日本人ばかりが、この時代にやってくるのだ?」
「失敗だな、こいつも殺すしか無い」
周囲の薄汚ない連中は……ある者は、見るからに切れ味の悪そうな刃物を、別の誰かは、どこからか錆び付いたトンカチを持って来て……。
「ちょっと待て、最期に1つだけ聞かせてくれ。あんた達は、一体、今まで、どれだけ、俺の時代の人間を転生させたんだ?」
「知るか。少なくとも、ここの10万の人口を500年は養えるだけの冷凍肉は確保出来たが……」
待て……まさか、こいつらは俺の時代で死んだ誰かを転生させるんじゃなくて、こいつらが俺の時代の誰かを転生させると、そいつは俺の時代で死ぬ事になるのか? だとすると……。
「待て、俺の時代で日本人の大量絶滅が起きた理由と、それを防ぐ方法を教え……」
だが、言い終える前に、羽交い締めにされた俺の喉に、錆び付いて、刃が所々欠けたナイフの刃が、ゆっくりと刺さっていき……。
気が付くと、やたらと汚なく暗い寒い建物の中で、俺は、汚いボロボロの服装の中高年の男達に囲まれていた。
「だ……誰だ……あんた達は?」
「日本亡命政府の者です」
「亡命政府?」
「はい……ここは貴方の時代から見た未来の……月です」
「月って……空に有る月?」
「そうです……この時代の日本には……外国に国を売り渡した売国奴しか残っていません。我々、日本を愛する普通の日本人は……地球に居場所が無くなり……この月の地下の流刑地に送られたのです……。月への植民実験を兼ねて……」
「ちょ……ちょっと待って、どうして、そんな事になったの?」
「貴方の時代ごろに、何故か、日本人の大量絶滅が起きまして……。その結果、日本は……国の体を成さなくなりました」
「えっ?」
「つまり、我々は、貴方を日本人の大量絶滅より救い出し、この未来の世界の月の地下の植民地に転生させたのです」
「は……はぁ……。そりゃ、どうも……」
「それで、貴方に証明していただきたいのですが……」
「何を?」
「貴方が生きてた時代の日本は、世界に冠たる素晴らしい国だったと……」
「ええ、TVでは、いつも『日本スゲェ!!』的な番組が放送されてましたよ」
「TV?」
「どうかしましたか?」
「ネットでは、どう言われてましたか? 当時の記録ではTVや新聞は嘘ばかりで、真実はネットにしか残ってないと……」
「ええっと……」
「GDPは中国より上ですよね」
「あ……あぁ……ええっと……1人当りは……」
「1人当り?」
「中国は人口が多いですし……」
「つまり、1人当りのGDPは世界有数なんですよね?」
「ええっと……どうだったかな?」
「我々の手に有る政府の公式記録では、世界有数の豊かな国だったと記されていますが……」
「はぁっ?」
ちょっと待て、その「政府の公式記録」って、本物の「政府の公式記録」か?
そう思った時、周囲から怒りと怨嗟の声が轟いた……。おそらく、俺が素頓狂な声をあげたのと、そんな馬鹿な、と云う表情をしたせいだろう。
「またか……」
「何故、いつもだ……?」
「どうして、日本を愛する普通の日本人は転生せず、偽の日本人ばかりが、この時代にやってくるのだ?」
「失敗だな、こいつも殺すしか無い」
周囲の薄汚ない連中は……ある者は、見るからに切れ味の悪そうな刃物を、別の誰かは、どこからか錆び付いたトンカチを持って来て……。
「ちょっと待て、最期に1つだけ聞かせてくれ。あんた達は、一体、今まで、どれだけ、俺の時代の人間を転生させたんだ?」
「知るか。少なくとも、ここの10万の人口を500年は養えるだけの冷凍肉は確保出来たが……」
待て……まさか、こいつらは俺の時代で死んだ誰かを転生させるんじゃなくて、こいつらが俺の時代の誰かを転生させると、そいつは俺の時代で死ぬ事になるのか? だとすると……。
「待て、俺の時代で日本人の大量絶滅が起きた理由と、それを防ぐ方法を教え……」
だが、言い終える前に、羽交い締めにされた俺の喉に、錆び付いて、刃が所々欠けたナイフの刃が、ゆっくりと刺さっていき……。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
意味がわかると怖い話
邪神 白猫
ホラー
【意味がわかると怖い話】解説付き
基本的には読めば誰でも分かるお話になっていますが、たまに激ムズが混ざっています。
※完結としますが、追加次第随時更新※
YouTubeにて、朗読始めました(*'ω'*)
お休み前や何かの作業のお供に、耳から読書はいかがですか?📕
https://youtube.com/@yuachanRio
私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない
文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。
使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。
優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。
婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。
「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。
優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。
父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。
嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの?
優月は父親をも信頼できなくなる。
婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる