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第一章:In My End Is My Beginning
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「アメリカは、今、極秘にしているが……」
異能力者の実在が確認された事や、組織犯罪が巧妙化・広域化した事により、00年代に、都道府県の垣根を超えて動ける「広域警察」が設立された。
この会議室には……広域警察の上級幹部クラスの階級章を付けたおっさん達が複数人居た。
俺が「投入」される予定の潜入捜査の説明を主にやっているおっさんの階級章は「広域公安」のモノだ。
「山口県に有るアメリカ連合国軍の岩国基地が壊滅し、そこに有った武器・弾薬が外部に持ち出された」
「壊滅? どう云う事ですか?」
「一夜にして、基地内の全人員が死亡した」
「えっ? 今……何て……?」
「基地内に居た者が全員殺されたんだよ。軍人・軍属・出入り業者・宗主国人・日本人関係なく、全員な」
「え……えっと……殺害手段は……?」
「米軍から入手した情報によれば……全員、急性心不全だ」
「へっ?」
「はっきり言おう。ここで言う『急性心不全』とは『死体には目立った外傷も既知の有害物質・有害細菌・ウイルスその他の痕跡は見付かりませんでしたが、とにかく死んでました。何で死んだか、さっぱり見当が付きません』の意味だ」
「いわゆる『魔法』の可能性は……?」
「無い。レコンキスタにおける『ゾンダー・コマンド』に相当する部隊が念入りに調べたが……これまた既知の『気』『魔力』『霊力』の残留は……測定誤差レベルだった。つまり、ほぼ0だ」
「で……えっと……」
公安のおっさんの言った事を、最初からもう1度思い出し……何か……何かが……引っ掛かり……。
「あ……武器が持ち出されたと言われてましたが……」
「広島県の暴力団『神政会』のフロント企業が所有している車が、事件の前後に岩国近辺の街頭監視カメラに写っている。それも……盗まれた武器の運搬に十分な台数な」
「あ……あの……何の為に一体……?」
「他県進出だ」
「へっ?」
「さっきから気になっていたが、君は『へっ?』とか『えっ?』とかしか言えんのかね?」
今度はウチの「カイシャ」のエラいさん。
「いや……言っても理解し難いだろう。我々にとってさえ、信じ難いのだから……」
そう続けたのは「広域組対」のエラいさん。
「ど……どう云う事でしょうか?」
「他の暴力団との抗争の為の武器を調達する為に……岩国基地の人間を皆殺しにしたんだよ……。既に他県の暴力団との抗争の準備を進めているらしい。そして、他県の暴力団も、それに対抗すべく、武器や人員の調達を開始しているらしい」
ちょ……ちょっと待て……たしか……この前の……あの大阪の事件。
あれは……十年以上前の「第二次朝鮮戦争」で韓国が北朝鮮に併合されたせいで「裏」に流れた旧・北朝鮮軍の武器の密輸で……武器の買い手は……九州は福岡の暴力団……。お……おい……まかか……あれも……この件の「余波」の1つなのか?
「わかるかね? 警察でも軍隊でもヤクザでも……ある事をされて黙っていれば……いずれ『力』を失なう……」
お……おい……まさか……。
「神政会とやら云う田舎ヤクザは……宗主国の駐留軍に対して『舐めた真似』をやったんだよ。『同業者との喧嘩の為なら、お前らなど何の躊躇もなく踏み躙る』『お前らが俺達とその同業者の喧嘩に巻き込まれて死んだとしても、さっさと尻尾を巻いて逃げなかったお前らが悪い』とね」
「『舐めた真似』をやられた『暴力集団』は報復を行ない、その報復を成功させなければならない。そうしないと、その『暴力集団』は武器である『暴力』を有効に使えなくなる。つまり、宗主国は広島への2度目の核攻撃を検討していると云う事だ」
「む……無茶苦茶です……」
「そうだ……無茶苦茶だ。宗主国が広島県全域を焦土に変えようと、それが宗主国大統領閣下の御聖断なら、日本の公的機関に口を挟む権限は無い。我が日本国は世界で唯一無二の誇り高きアメリカ連合国の完全属国なのだから。問題は宗主国の安全にこそ有るが、広島県全域を核の炎で焼き払おうとも宗主国の安全を確保出来るとは限らんのだ」
「その通りだ。全く未知の異能力で、岩国基地を全滅させた『何者か』を核でも仕留める事が出来なければ……どうなる? もし、その『何者か』が生き延びて、正体不明のまま宗主国の国内に入る事に成功すれば……? 下手したら九・一一が些事に思える大虐殺が宗主国内で発生する」
「君達は神政会に潜入して探り出してくれ……岩国基地を全滅させた『何者か』の正体・能力・弱点をな……」
そして、公安のエラいさんは……右拳を前に出し……そして人差し指を立てた。
「今から1年……それが、我々が宗主国を押えておける限界だ」
異能力者の実在が確認された事や、組織犯罪が巧妙化・広域化した事により、00年代に、都道府県の垣根を超えて動ける「広域警察」が設立された。
この会議室には……広域警察の上級幹部クラスの階級章を付けたおっさん達が複数人居た。
俺が「投入」される予定の潜入捜査の説明を主にやっているおっさんの階級章は「広域公安」のモノだ。
「山口県に有るアメリカ連合国軍の岩国基地が壊滅し、そこに有った武器・弾薬が外部に持ち出された」
「壊滅? どう云う事ですか?」
「一夜にして、基地内の全人員が死亡した」
「えっ? 今……何て……?」
「基地内に居た者が全員殺されたんだよ。軍人・軍属・出入り業者・宗主国人・日本人関係なく、全員な」
「え……えっと……殺害手段は……?」
「米軍から入手した情報によれば……全員、急性心不全だ」
「へっ?」
「はっきり言おう。ここで言う『急性心不全』とは『死体には目立った外傷も既知の有害物質・有害細菌・ウイルスその他の痕跡は見付かりませんでしたが、とにかく死んでました。何で死んだか、さっぱり見当が付きません』の意味だ」
「いわゆる『魔法』の可能性は……?」
「無い。レコンキスタにおける『ゾンダー・コマンド』に相当する部隊が念入りに調べたが……これまた既知の『気』『魔力』『霊力』の残留は……測定誤差レベルだった。つまり、ほぼ0だ」
「で……えっと……」
公安のおっさんの言った事を、最初からもう1度思い出し……何か……何かが……引っ掛かり……。
「あ……武器が持ち出されたと言われてましたが……」
「広島県の暴力団『神政会』のフロント企業が所有している車が、事件の前後に岩国近辺の街頭監視カメラに写っている。それも……盗まれた武器の運搬に十分な台数な」
「あ……あの……何の為に一体……?」
「他県進出だ」
「へっ?」
「さっきから気になっていたが、君は『へっ?』とか『えっ?』とかしか言えんのかね?」
今度はウチの「カイシャ」のエラいさん。
「いや……言っても理解し難いだろう。我々にとってさえ、信じ難いのだから……」
そう続けたのは「広域組対」のエラいさん。
「ど……どう云う事でしょうか?」
「他の暴力団との抗争の為の武器を調達する為に……岩国基地の人間を皆殺しにしたんだよ……。既に他県の暴力団との抗争の準備を進めているらしい。そして、他県の暴力団も、それに対抗すべく、武器や人員の調達を開始しているらしい」
ちょ……ちょっと待て……たしか……この前の……あの大阪の事件。
あれは……十年以上前の「第二次朝鮮戦争」で韓国が北朝鮮に併合されたせいで「裏」に流れた旧・北朝鮮軍の武器の密輸で……武器の買い手は……九州は福岡の暴力団……。お……おい……まかか……あれも……この件の「余波」の1つなのか?
「わかるかね? 警察でも軍隊でもヤクザでも……ある事をされて黙っていれば……いずれ『力』を失なう……」
お……おい……まさか……。
「神政会とやら云う田舎ヤクザは……宗主国の駐留軍に対して『舐めた真似』をやったんだよ。『同業者との喧嘩の為なら、お前らなど何の躊躇もなく踏み躙る』『お前らが俺達とその同業者の喧嘩に巻き込まれて死んだとしても、さっさと尻尾を巻いて逃げなかったお前らが悪い』とね」
「『舐めた真似』をやられた『暴力集団』は報復を行ない、その報復を成功させなければならない。そうしないと、その『暴力集団』は武器である『暴力』を有効に使えなくなる。つまり、宗主国は広島への2度目の核攻撃を検討していると云う事だ」
「む……無茶苦茶です……」
「そうだ……無茶苦茶だ。宗主国が広島県全域を焦土に変えようと、それが宗主国大統領閣下の御聖断なら、日本の公的機関に口を挟む権限は無い。我が日本国は世界で唯一無二の誇り高きアメリカ連合国の完全属国なのだから。問題は宗主国の安全にこそ有るが、広島県全域を核の炎で焼き払おうとも宗主国の安全を確保出来るとは限らんのだ」
「その通りだ。全く未知の異能力で、岩国基地を全滅させた『何者か』を核でも仕留める事が出来なければ……どうなる? もし、その『何者か』が生き延びて、正体不明のまま宗主国の国内に入る事に成功すれば……? 下手したら九・一一が些事に思える大虐殺が宗主国内で発生する」
「君達は神政会に潜入して探り出してくれ……岩国基地を全滅させた『何者か』の正体・能力・弱点をな……」
そして、公安のエラいさんは……右拳を前に出し……そして人差し指を立てた。
「今から1年……それが、我々が宗主国を押えておける限界だ」
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