魔導兇犬録:闇黒新世界

蓮實長治

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第二章:The Wailing

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 少なくとも、ヤツの言った通り、国内のニュースサイトの大半に繋らなかった。
 俺が指定された場所に辿り着くと……。
 戦場だった。
 その場に居る全員が言い争いに近い口調で何かを話し続けている。
「おお、来たか。よし、お前の担当は、この子供だ。組むのは……いつもの『十両』と、そこの4人。車は好きなのを2台使え。ただし……ワゴンだ」
 俺の上司である「阿弥陀様」は、そう言って、俺に書類を渡す。
「何すか、これ?」
 そこに印刷されていたのは……子供の写真と、その子供の名前に住所、通ってる学校や塾……そして、書類の最後には、手書きで「第2種特殊倉庫④」の文字。
 何者なんだ、この子供……ん?
 名字は……「深作」?
 妙だ。
 俺の故郷の辺りには多い名字だったが……故郷を出てからは、ほとんど見掛けない名字だ。
 もちろん、この広島でも見掛けた事が無い。
「広域組対マル某の広島県統括部のエラいさんの子供だ」
「エラいさん……? 東京中央から来たキャリア組ですか?」
「ああ……」
 第2種特殊倉庫とは……この職場では「殺さない事を前提にした監禁場所」の意味だ。
 どうやら……「阿弥陀様」は……俺達に警察のエラいさんの家族を誘拐して来い……と言ってるらしい。
「あ……あの……」
 俺が、そう訊こうとした途端、「阿弥陀様」は俺を手で制し……続いて両手を何度もパンパンパンっと鳴らす。
「おい、聞け、全員だッ‼ 何の事か判ってない奴が大半だろうから説明する」
 獅子吼ってのは、元々は、仏の説法の事だそうだが……「阿弥陀様」はコードネームに相応わしい獅子ライオンえ声のような大声を出す。
「知ってる奴も居るだろうが、東京でエラい事が起きてる。富士山が噴火して……首都圏にとんでもねえ被害が出たらしい」
 ……な……何だと?
 ……お……おい……それじゃあ……。
「広域警察は、今、指揮系統が完全に麻痺してる。予想外のハプニングだが……は、このハプニングを利用して、かねてからの予定を早める事にした」
 ま……待て……待ってくれ……何が起きてる?
「今から……。まずは……
 おい……まさか……俺が潜入捜査をやる羽目になった、あの切っ掛けの事件……米軍の岩国基地から武器・弾薬を強奪した事件は……警察上層部が考えてたような「隣県のヤクザとの抗争」なんかじゃなくて、遥かにデカくて狂った目的の為だったのか?
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