魔導兇犬録:哀しき獣

蓮實長治

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第一章:悪いやつら

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 俺は、WEBブラウザを起動し、あるURLを入力する。
 助かった……まだ、続いていたか……。
 表示されたのは、通常の検索サイトでは引っ掛からない「裏のポータル・サイト」だ。
 そこから、まずは同じく「裏の求人サイト」にアクセス。
 同じ市内……流石にロクなのは無い。
 同じ県内……熊本市を中心に、いい金にはなりそうだが、その分、ヤバそうな仕事ばかりだ……。
 ほとんどが「龍虎興業」と云う会社か、その「子会社」の求人だが……噂だけは聞いた事が有る。
 早い話がヤクザだ。
 幹部クラスの多くが「水虎」と呼ばれる河童の一種の血を引く連中らしく、福岡の久留米を拠点にしている同じく河童系の暴力団である「安徳グループ」と対立しているらしい。
 多分、募集しているのは「鉄砲玉」だろう。
 ヤクザなんかと一度関わったら、手を切れるのは死ぬ時ぐらだ。例え、俺より技量・力量が数段上の「魔法使い」であろうとも……。
 あとは……景気がいいらしい妹弟子に泣き付く……駄目だ。あいつはヤクザよりタチが悪い。最後の最後の最後の最後の手段だ。
 他に何か……。
 そう思っていると……同じ県内でヤクザ絡みじゃなさそうな求人が有った。
 条件は……「魔法使い」。
 給料は並ぐらいだが……危険手当有り。そんな手当が付くって事は、内容はお察しだ。
 募集している会社を調べると……格闘技の興業だと?
 社長は……表の検索サイトでは名前が引っ掛からない。
 だが……これまた「裏」の……言わば「闇の実業家一覧」的なサイトにアクセスする。
 そこに名前が有った。ただし……どこまで信用出来る内容かは不明だが……。
 表沙汰に出来ない格闘技試合を仕切っていた男で、富士の噴火による首都圏壊滅を生き延び、九州まで都落ちしてきたらしい。
 その「闇の実業家一覧」での総合評価は……C+。
 平均未満だが、箸にも棒にもかからねえ、ってほど酷くは無い。
「贅沢は言ってられねえか……」
 しっかし、何で、格闘技のプロモーターが「魔法使い」を募集してるんだ?
 「魔法使い」同士の戦いを見世物にするつもりだとしても……ざっと思い付くだけで色々と問題点が有るぞ……。
 まぁ、いいや。
 まずは、そいつに当ってみて……駄目ならヤクザの用心棒だか鉄砲玉だかでもやる事にするか……。
 とりあえず……連絡用にと……。
 俺は、これまた裏のサイトで、「飛ばし」の携帯電話を購入出来る場所を調べた後、WEBブラウザの履歴を消して、PCの電源を落した。
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