13 / 13
第二章:今、このままがいい
(1)
しおりを挟む
翌朝、社長も「ぼくのかんがえたさいあくのサイコパス」を演じてた例の若造も真っ青な顔になっていた。
「えっ? 居なくなったって、どう云う事?」
映画やドラマだったら、こんな風に相手に言われた事を鸚鵡返しに聞き返す奴なんて現実に居ねえよ、と言いたくなるような状況だ。
しかし……社長も事態を把握出来てないのだろう……。もしくは、社長の脳が事態を把握する事を拒んでいるか。
「そ……その……朝になったら、宿から消えてました」
ピンク・ホラー(リングネーム)は「サイコパス」と云う自分の設定を忘れ去ったかのように……おどおどとした表情になっていた。
何かマズい事になった時に、こう云う表情になる奴は体育会系気質の先輩にとっては「おい、全部、お前のせいだぞ。責任取れ」とドヤしていい相手だと認識される。早い話が、完全にいじめられっ子タイプの表情だ。
想定外の重大なハプニングが起きた場合、人によって2種類の状態のどちらかに陥る。
絵に描いたようにパニクる奴と、感情が麻痺して何も出来なくなる奴と。
この若造は後者らしい。
そして、事態を打開出来ない可能性が高いのも後者だ。
そりゃ、そうだ、完全に固まってるんだから。
ヤクザがバックに付いたと聞いて、早速、逃げ出した奴が出た。
社長が集めた「魔法使い」の中で、(多分)最強だったミッドガルド・サーペント(リングネーム)だ。
社長は、あわててミッドガルド・サーペント(リングネーム)に電話……。
1分経過……。片手の指で机をコツコツコツコツ叩き続けている。
1分半経過……。コツコツコツコツのペースが上がる。
2分経過……。コツコツコツコツのリズムが大きく乱れる。
3分経過……。泣き出しそうな表情。
「あ……あの……」
社長は……完全に涙目になっていた。
「み……みなさんは……逃げたりしませんよね?」
いや、逃げてえよ……。
そう言いたくなった時、社長の携帯電話に着信音。
「あ……どうも……え? 本当ですか? ありがとうございます。はい、もちろん、喜んで」
社長が喜ぶと、悪い予感しかしねえ。
もっとも、社長が青い顔になってても、悪い予感しかしねえが。
「社長、誰からだ?」
「スポンサーからです」
マズい。
「スポンサー」ってのは、ヤクザの事だ。
ただのヤクザじゃない。「獣化能力者としては日本最強。東アジアでもトップ3入りは確実」な、あの銀色の狼男が所属してる組だ。
「スポンサーが紹介する『魔法使い』をウチで使えないか、って事なんですが……」
ヤクザお抱えの魔法使いか……多分、その中でも使えねえ奴か問題が有る奴を押し付けられたな、こりゃ。
「えっ? 居なくなったって、どう云う事?」
映画やドラマだったら、こんな風に相手に言われた事を鸚鵡返しに聞き返す奴なんて現実に居ねえよ、と言いたくなるような状況だ。
しかし……社長も事態を把握出来てないのだろう……。もしくは、社長の脳が事態を把握する事を拒んでいるか。
「そ……その……朝になったら、宿から消えてました」
ピンク・ホラー(リングネーム)は「サイコパス」と云う自分の設定を忘れ去ったかのように……おどおどとした表情になっていた。
何かマズい事になった時に、こう云う表情になる奴は体育会系気質の先輩にとっては「おい、全部、お前のせいだぞ。責任取れ」とドヤしていい相手だと認識される。早い話が、完全にいじめられっ子タイプの表情だ。
想定外の重大なハプニングが起きた場合、人によって2種類の状態のどちらかに陥る。
絵に描いたようにパニクる奴と、感情が麻痺して何も出来なくなる奴と。
この若造は後者らしい。
そして、事態を打開出来ない可能性が高いのも後者だ。
そりゃ、そうだ、完全に固まってるんだから。
ヤクザがバックに付いたと聞いて、早速、逃げ出した奴が出た。
社長が集めた「魔法使い」の中で、(多分)最強だったミッドガルド・サーペント(リングネーム)だ。
社長は、あわててミッドガルド・サーペント(リングネーム)に電話……。
1分経過……。片手の指で机をコツコツコツコツ叩き続けている。
1分半経過……。コツコツコツコツのペースが上がる。
2分経過……。コツコツコツコツのリズムが大きく乱れる。
3分経過……。泣き出しそうな表情。
「あ……あの……」
社長は……完全に涙目になっていた。
「み……みなさんは……逃げたりしませんよね?」
いや、逃げてえよ……。
そう言いたくなった時、社長の携帯電話に着信音。
「あ……どうも……え? 本当ですか? ありがとうございます。はい、もちろん、喜んで」
社長が喜ぶと、悪い予感しかしねえ。
もっとも、社長が青い顔になってても、悪い予感しかしねえが。
「社長、誰からだ?」
「スポンサーからです」
マズい。
「スポンサー」ってのは、ヤクザの事だ。
ただのヤクザじゃない。「獣化能力者としては日本最強。東アジアでもトップ3入りは確実」な、あの銀色の狼男が所属してる組だ。
「スポンサーが紹介する『魔法使い』をウチで使えないか、って事なんですが……」
ヤクザお抱えの魔法使いか……多分、その中でも使えねえ奴か問題が有る奴を押し付けられたな、こりゃ。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる