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第二章:Fair Game
スカーレット・モンク(3)
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「見ろ。ここからすぐ近くのJRの駅の様子だ」
そう言って、あたしは携帯電話の画面を見せた。
元々は、二〇年ほど前の富士山の噴火で発生した「関東難民」の居住地として作られた人工島「Neo Tokyo」の1つで始まった事だった。
そして、今は、日本だけじゃなくて、世界のあっちこっちで行なわれている。
防犯用の街頭カメラの映像を、二四時間三六五日、全世界に生中継するって真似が……。
画面に写っているのは……鹿児島本線の田代駅近辺の様子だった。
「近くに有名な製薬会社の本社工場が有ったりするけど……それでも、1日あたりの利用者は千人ちょっとの駅だ。そこに、この辺りのナンバーじゃない車が何台も停車してて……しかも、ご丁寧に窓ガラスは中が見えにくい色付きだ」
『ビンゴだ。田代駅近辺の街頭監視カメラに写っている車の内、3台は筑豊TCAの「東京派」が「こっち」に作ったフロント企業の社用車で、2台は既に廃車になってる筈の車だ』
瀾師匠から無線通信。
「プランDも用意されてた。わざと駅に近い場所で事故を起こして……もし、電車に乗り換えようとしたら、今度は駅に殺し屋が待ってる、って寸法だ。もちろん、プランE以降も用意してるだろうけどな」
「じゃあ、この2人を狙っている者は、この2人の現在位置を把握しているのか?」
輝はそう言ったが……。
「あのさ……そこのおっちゃん」
あたしは、2人の「保護者」の男に声をかけた。
「へっ?」
「だから……あんただよ」
「えっ?」
「何なら、社長とか旦那とか呼んだ方が良いのか?」
「あ……あの……何で、そんな年寄っぽい呼び名ばかり……」
「いいじゃねえか。それより、あんた、誰かに怨まれてたり、命を狙われてたりする心当り有る? それも、その子供2人を巻き込んで殺しても何1つ気にも止めなけりゃ、損もしないような奴から」
「い……いえ……無いです」
「あのね……芳本さんは超超超超超いい人なのよ。誰かに、怨まれる筈が……」
「じゃあ、当面は、狙われてるのは、お前らだって前提で動く。いいな?」
「えっ? って、貴方、何してんの?」
その時、ピピッと云う音が何回かした。
「反応が有った……首筋だ」
輝の手には、特定のパターン・周波数帯の電波を検知する小型センサが握られていた。
「首筋?」
嫌な予感がする……。
「こっち」では、その手のGPS機能付発信機は、マイクロマシン回路を皮膚に「印刷」するタイプが主流になっている。
毛細血管で運ばれる栄養を体に重大な影響が出ない程度に横取りし、それをエネルギー源に半永久的に動き続けるタイプだ。
しかし……TCAへの最新技術の輸出は規制されてるのは、あたしも知ってるが……もし……「こっち」とTCAの技術格差が、あたしが思ってるよりデカかったら……?
「ちょっと見せてみろ……」
「ちょっと何すんのよ、エッチ‼」
「何だ、そりゃ? 何十年前のマンガのセリフだ? って……マズい」
ガキの首に微妙なしこり……。しかも……この位置は……。
「この発信機、いつ埋め込んだ?」
「発信機って何よ?」
「お前には聞いてない。答えろ、おっちゃん」
「は……はい……えっと……正確な年はTCAに帰って記録を確認しないと……いえ、記録が有ればですが……」
「何年も前か……」
「早い話がそうです」
「どうした?」
輝はキョトンとした顔をしていた。
「古い手だ……十年以上前のな……。発信機は旧式のヤツだが……埋め込まれてるのが頚動脈のすぐ側だ」
「旧式?」
「マイクロマシン式じゃない。数㎜ぐらいの大きさのカプセル型の発信機を首に埋め込んでる」
「おい……どう云う事だ? まさか……?」
「外科医か何かじゃないと取り出せない。素人が取り出そうとすると……」
「電磁波を照射すれば何とかならないのか?」
「どの位の強度の電磁波ならOKかは……取り出さないと判らない……しゃ~ね~。え~、歩きで西鉄小郡駅まで行って、そこから電車で太宰府まで行きます。応援にも伝えて下さい。あと、太宰府側で、外科医と簡単な手術が可能な車を用意してて下さい」
『満点には程遠い手だが……今の所は、それしか無いか』
瀾師匠から無線でコメントが入った。
「あの……小郡って、ここ……たしか……」
「そ、ここは、隣の鳥栖市だ」
「ちょ……ちょっと待って……」
「ざっと4㎞だ……歩けるな?」
そう言って、あたしは携帯電話の画面を見せた。
元々は、二〇年ほど前の富士山の噴火で発生した「関東難民」の居住地として作られた人工島「Neo Tokyo」の1つで始まった事だった。
そして、今は、日本だけじゃなくて、世界のあっちこっちで行なわれている。
防犯用の街頭カメラの映像を、二四時間三六五日、全世界に生中継するって真似が……。
画面に写っているのは……鹿児島本線の田代駅近辺の様子だった。
「近くに有名な製薬会社の本社工場が有ったりするけど……それでも、1日あたりの利用者は千人ちょっとの駅だ。そこに、この辺りのナンバーじゃない車が何台も停車してて……しかも、ご丁寧に窓ガラスは中が見えにくい色付きだ」
『ビンゴだ。田代駅近辺の街頭監視カメラに写っている車の内、3台は筑豊TCAの「東京派」が「こっち」に作ったフロント企業の社用車で、2台は既に廃車になってる筈の車だ』
瀾師匠から無線通信。
「プランDも用意されてた。わざと駅に近い場所で事故を起こして……もし、電車に乗り換えようとしたら、今度は駅に殺し屋が待ってる、って寸法だ。もちろん、プランE以降も用意してるだろうけどな」
「じゃあ、この2人を狙っている者は、この2人の現在位置を把握しているのか?」
輝はそう言ったが……。
「あのさ……そこのおっちゃん」
あたしは、2人の「保護者」の男に声をかけた。
「へっ?」
「だから……あんただよ」
「えっ?」
「何なら、社長とか旦那とか呼んだ方が良いのか?」
「あ……あの……何で、そんな年寄っぽい呼び名ばかり……」
「いいじゃねえか。それより、あんた、誰かに怨まれてたり、命を狙われてたりする心当り有る? それも、その子供2人を巻き込んで殺しても何1つ気にも止めなけりゃ、損もしないような奴から」
「い……いえ……無いです」
「あのね……芳本さんは超超超超超いい人なのよ。誰かに、怨まれる筈が……」
「じゃあ、当面は、狙われてるのは、お前らだって前提で動く。いいな?」
「えっ? って、貴方、何してんの?」
その時、ピピッと云う音が何回かした。
「反応が有った……首筋だ」
輝の手には、特定のパターン・周波数帯の電波を検知する小型センサが握られていた。
「首筋?」
嫌な予感がする……。
「こっち」では、その手のGPS機能付発信機は、マイクロマシン回路を皮膚に「印刷」するタイプが主流になっている。
毛細血管で運ばれる栄養を体に重大な影響が出ない程度に横取りし、それをエネルギー源に半永久的に動き続けるタイプだ。
しかし……TCAへの最新技術の輸出は規制されてるのは、あたしも知ってるが……もし……「こっち」とTCAの技術格差が、あたしが思ってるよりデカかったら……?
「ちょっと見せてみろ……」
「ちょっと何すんのよ、エッチ‼」
「何だ、そりゃ? 何十年前のマンガのセリフだ? って……マズい」
ガキの首に微妙なしこり……。しかも……この位置は……。
「この発信機、いつ埋め込んだ?」
「発信機って何よ?」
「お前には聞いてない。答えろ、おっちゃん」
「は……はい……えっと……正確な年はTCAに帰って記録を確認しないと……いえ、記録が有ればですが……」
「何年も前か……」
「早い話がそうです」
「どうした?」
輝はキョトンとした顔をしていた。
「古い手だ……十年以上前のな……。発信機は旧式のヤツだが……埋め込まれてるのが頚動脈のすぐ側だ」
「旧式?」
「マイクロマシン式じゃない。数㎜ぐらいの大きさのカプセル型の発信機を首に埋め込んでる」
「おい……どう云う事だ? まさか……?」
「外科医か何かじゃないと取り出せない。素人が取り出そうとすると……」
「電磁波を照射すれば何とかならないのか?」
「どの位の強度の電磁波ならOKかは……取り出さないと判らない……しゃ~ね~。え~、歩きで西鉄小郡駅まで行って、そこから電車で太宰府まで行きます。応援にも伝えて下さい。あと、太宰府側で、外科医と簡単な手術が可能な車を用意してて下さい」
『満点には程遠い手だが……今の所は、それしか無いか』
瀾師匠から無線でコメントが入った。
「あの……小郡って、ここ……たしか……」
「そ、ここは、隣の鳥栖市だ」
「ちょ……ちょっと待って……」
「ざっと4㎞だ……歩けるな?」
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