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第三章:Do the right thing
スカーレット・モンク(5)
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GPSの位置情報からして、輝と2人の子供が居るらしい場所にやってくると、そこは土産物屋で、女の子が輝が結構高価そうなおもちゃをねだっていた。
あたしとおっちゃんは顔を見合せる。
「あ……私が出しときますよ……」
おっちゃんがそう言うと、3人は振り向いた。
「いや……それ……元々、設計しておもちゃ会社に持ち込んだの、あたしの知り合いなんで、何なら……」
「そうなのか? だ……」
誰だ、と訊こうとしたらしい輝だったが、途中で重大な事に気付いたようだ。
あたしら「御当地ヒーロー」は、自分や仲間の個人情報を部外者に明かすのは厳禁だ。
それどころか……同じ「御当地ヒーロー」でも、チームや担当地域が違う人達は……一体全体、どこの誰なのか、全く知らない。
まぁ、仕方ない事でもある。
もし、何者かに「御当地ヒーロー」の関係者が捕まって仲間の情報を吐かされたとする。
だが、吐けるのは……せいぜい、同じチームの人達の個人情報ぐらい。知らないモノは吐きようがなく……被害は最小限で済む。
「いえ……いいです。お別れなんで、記念に……」
「え……お別れって……?」
「すいません。向こうに家族が居るんで……」
「あ……あ……」
「たまには会えますよ……。たまには、こっちに来ます」
「う……うん。あ……じゃあ、その時は……芳本さんの家族とも……あ……会いたい……な……。あはは……」
「はい……そうします」
だが……もう1つ言わねばならない事が有った。
「すまん。あたし達もお別れだ」
「えっ?」
あたしとおっちゃんは顔を見合せる。
「あ……私が出しときますよ……」
おっちゃんがそう言うと、3人は振り向いた。
「いや……それ……元々、設計しておもちゃ会社に持ち込んだの、あたしの知り合いなんで、何なら……」
「そうなのか? だ……」
誰だ、と訊こうとしたらしい輝だったが、途中で重大な事に気付いたようだ。
あたしら「御当地ヒーロー」は、自分や仲間の個人情報を部外者に明かすのは厳禁だ。
それどころか……同じ「御当地ヒーロー」でも、チームや担当地域が違う人達は……一体全体、どこの誰なのか、全く知らない。
まぁ、仕方ない事でもある。
もし、何者かに「御当地ヒーロー」の関係者が捕まって仲間の情報を吐かされたとする。
だが、吐けるのは……せいぜい、同じチームの人達の個人情報ぐらい。知らないモノは吐きようがなく……被害は最小限で済む。
「いえ……いいです。お別れなんで、記念に……」
「え……お別れって……?」
「すいません。向こうに家族が居るんで……」
「あ……あ……」
「たまには会えますよ……。たまには、こっちに来ます」
「う……うん。あ……じゃあ、その時は……芳本さんの家族とも……あ……会いたい……な……。あはは……」
「はい……そうします」
だが……もう1つ言わねばならない事が有った。
「すまん。あたし達もお別れだ」
「えっ?」
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