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「悪い。俺は、レプティリアでは、まだ、お尋ね者なんだ……」
ボクは王都に有る冒険者組合の新米手配師だ。
ここから馬で一週間ほどの所に有るレプティリアの同業から来た仕事をベテラン冒険者のドレイクさんに紹介しようとしたら……地名を聞いただけで、そう言われてしまった。
「えっ……? どう云う事ですか?」
「思い出すのも嫌な……つまらん昔の話だ……」
その夜、仕事も一段落し、近くの宿屋 兼 酒場で夕食をとっていると、ドレイクさんが入って来た。
カウンターに座り、荷物と……剣と矢筒を床に置いた。
「あの……昼間言ってた……」
「レプティリアでお尋ね者になった話か?」
「ええっと……良かったら……その……」
「聞きたいのか?」
「は……はい」
「お前……本当は手配師じゃなくて、こっち側になりたかったんじゃないのか?」
「え……っ」
「なら、その夢を諦めるな……。俺も……冒険者として成功する夢を諦めかけた事が有る。……レプティリアで仲間から、追放された時にな……。だが、かろうじて踏み止まる事が出来たから、今の俺が有るんだ」
ボクは王都に有る冒険者組合の新米手配師だ。
ここから馬で一週間ほどの所に有るレプティリアの同業から来た仕事をベテラン冒険者のドレイクさんに紹介しようとしたら……地名を聞いただけで、そう言われてしまった。
「えっ……? どう云う事ですか?」
「思い出すのも嫌な……つまらん昔の話だ……」
その夜、仕事も一段落し、近くの宿屋 兼 酒場で夕食をとっていると、ドレイクさんが入って来た。
カウンターに座り、荷物と……剣と矢筒を床に置いた。
「あの……昼間言ってた……」
「レプティリアでお尋ね者になった話か?」
「ええっと……良かったら……その……」
「聞きたいのか?」
「は……はい」
「お前……本当は手配師じゃなくて、こっち側になりたかったんじゃないのか?」
「え……っ」
「なら、その夢を諦めるな……。俺も……冒険者として成功する夢を諦めかけた事が有る。……レプティリアで仲間から、追放された時にな……。だが、かろうじて踏み止まる事が出来たから、今の俺が有るんだ」
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