1 / 1
逆だ!! 逆!!
しおりを挟む
漁に出ている時に、それは俺の船の前に現われよった。
「あ~、我は、この海中に住まうアマビエと申す者……」
そうじゃ……あの伝染病が流行ってから、あっちこっちに描かれるようになった、あいつじゃ。
でも、人に何か言うのに、そっぽ向いてしゃべるというのは、どう云う訳じゃ?
「およそ百七十余年の昔、この場所にて、疫病が流行る故に我が姿を描き写し広めよとの託宣を行なったが、少々、行き違いが有ったようじゃ」
「はぁ……それで?」
「我が姿が間違って描き写されてしまった。このままでは、我が間違った姿が広まれば広まるほど、逆の結果となる」
「ええっと……どう云う事でしょうか?」
「今の我が姿と、世に広まっておる我が姿と称するモノを見比べていただければ、すぐにお判りいただけよう。逆になっておるが故に、我が姿と称するモノが広まれば広まるほど、我が意図とは逆に疫病が広まってしまう」
一応、まだ、スマホの電波は届いていたので、検索をしてみると……。
「あの……同じに見えますけど……」
「何を言われておる。一応は絵は描けるが、然程、巧く無い者がやりがちなアレじゃ」
「はぁ?」
「だから、右利きの……」
「いや、絵とか中学の図画ん時から何十年も描いた事なかですけん……その……そう言われても……」
「ここまで申しても、まだ、お判りいただけぬか?」
「はぁ、さっぱり」
「では、その船にて、我が周囲をぐるりと回ってみられよ」
よく判らんけど、言われた通りにしてみたら……。
……。
…………。
……………………。
どうなっとる?
どの方向から見ても、同じに見える。
いや、同じものを見ているから、同じに見えるのは当り前じゃろと言う人も居るじゃろうが……。
妖怪というのはこういうものなんじゃろか?
つまり……あの……ネットに載っている最初に描かれた江戸時代の瓦版の絵からして、逆じゃった訳か……。
俺の船が周囲を回っている間、ず~~~~っと、どっから見ても……アマビエの顔も体も……向って右を向き続けとった。
「あ~、我は、この海中に住まうアマビエと申す者……」
そうじゃ……あの伝染病が流行ってから、あっちこっちに描かれるようになった、あいつじゃ。
でも、人に何か言うのに、そっぽ向いてしゃべるというのは、どう云う訳じゃ?
「およそ百七十余年の昔、この場所にて、疫病が流行る故に我が姿を描き写し広めよとの託宣を行なったが、少々、行き違いが有ったようじゃ」
「はぁ……それで?」
「我が姿が間違って描き写されてしまった。このままでは、我が間違った姿が広まれば広まるほど、逆の結果となる」
「ええっと……どう云う事でしょうか?」
「今の我が姿と、世に広まっておる我が姿と称するモノを見比べていただければ、すぐにお判りいただけよう。逆になっておるが故に、我が姿と称するモノが広まれば広まるほど、我が意図とは逆に疫病が広まってしまう」
一応、まだ、スマホの電波は届いていたので、検索をしてみると……。
「あの……同じに見えますけど……」
「何を言われておる。一応は絵は描けるが、然程、巧く無い者がやりがちなアレじゃ」
「はぁ?」
「だから、右利きの……」
「いや、絵とか中学の図画ん時から何十年も描いた事なかですけん……その……そう言われても……」
「ここまで申しても、まだ、お判りいただけぬか?」
「はぁ、さっぱり」
「では、その船にて、我が周囲をぐるりと回ってみられよ」
よく判らんけど、言われた通りにしてみたら……。
……。
…………。
……………………。
どうなっとる?
どの方向から見ても、同じに見える。
いや、同じものを見ているから、同じに見えるのは当り前じゃろと言う人も居るじゃろうが……。
妖怪というのはこういうものなんじゃろか?
つまり……あの……ネットに載っている最初に描かれた江戸時代の瓦版の絵からして、逆じゃった訳か……。
俺の船が周囲を回っている間、ず~~~~っと、どっから見ても……アマビエの顔も体も……向って右を向き続けとった。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
ちゃんと忠告をしましたよ?
柚木ゆず
ファンタジー
ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。
「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」
アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。
アゼット様。まだ間に合います。
今なら、引き返せますよ?
※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる