人は外見が○割。だが、外見の×割を決めるのは……?

蓮實長治

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人は外見が○割。だが、外見の×割を決めるのは……?

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「前回の受診の際に、私が『参考に観てくれ』と言っていた映画は、御覧になりましたか?」
 少しでも女にモテるようになりたくて、男性向け美容整形を受ける事にした。
 そして、1回目の受診の際に、医師から、ある韓国映画を観てくれと云う変な事を言われた。
 言われた通りネット配信で観てみたが……美容整形と何の関係が有るか、さっぱり判らなかった。
「あの主人公の男性キャラを、どう思いました?」
「ええっと……何て言うか……俺みたいな、いかにも女にモテなさそうな奴でしたね……」
「ところで、これが、あの映画が日本で劇場公開された時のパンフレットです」
「えっ?」
 ええええええッ?
 ちょ……ちょ……ちょっと……待て……。
 「俺みたいな、いかにも女にモテなさそうな奴」を演じていたのは……韓流アイドルの事をほとんど知らない俺でも、名前ぐらいは聞いた事が有るアイドルグループのメンバーだった。
「こ……これ……どう云う事?」
「さあ……私からは何とも……」
「ひょっとして……韓国って美容整形大国だから……ブサメンの男が、美容整形でトップアイドルになったんですか?」
「だとしても……本人はそんな事実は公表しませんし……私が

 高価たかい金を払って美容整形を受けてから2年以上。
 相変わらず、俺は女にモテないままだった。
 ところが……SNSを見ていたら、俺が美容整形を受けた病院への訴訟が起きている事と云うニュースを見付け……しかも、担当弁護士の事務所は、俺の家から1時間以内に行ける場所だった。
「ああ、どうも、お待たせしました。今、こちら側の証人の時間が空きましたので……」
 弁護士事務所の会議室で待たされる事、数十分、やってきた弁護士は、ノートPCの画面を俺に見せた。
『初めまして。○○大学の理工学部に勤務しています××と申します』
 WEB会議アプリの画面に映っている中年女は、そう挨拶をした。
「え……えっと……理工学部って……?」
『専門は、認知心理学と人工知能です』
「は……はぁ……」
「実は、あの病院が、ある学術誌のこの先生の論文が載った号を経費で購入していた事を突き止めまして……それが、証拠になるかも知れないんですよ」
 続いて弁護士は、そう説明した。
「と言いますと……?」
 どうなってる? 何で美容整形の病院が人工知能だか心理学だかの本を経費で買ったんだ?
「あの病院の医師が、ある事を知った上で、貴方達に美容整形を勧めた事が詐欺行為に当たる可能性が出て来たんですよ」
「え……えっと……どう云う事でしょうか?」
『他の被害者の方は、韓国のトップ・アイドルが主演している映画を観るように言われて、その後に「この男性アイドルは美容整形を受けた事でトップ・アイドルになれた」と思い込むような印象操作を受けたのですが……貴方も同じですか?』
「ええ……まぁ……」
『実は、私、あのアイドルのファンでして』
「えっと……それが……何か?」
『あの映画は、んです』
 はぁ?
「そ……そんな……馬鹿な……。なんて有り得ないでしょ。顔が全然違う。超イケメンのアイドルが、とでも言うんですか?」
『いえ……違います。あの病院が、私の論文が載った学術誌を経費で買っていたなら……と云う事を知った上で、貴方達に美容整形を勧めた可能性が高くなります。美容整形を受けても女性にモテるようになるかは別問題だと知った上で「美容整形を受ければ女性にモテるようになる」と云う印象操作をに行なったんです』
「……いや……意味が判らないんですが……」
『例えばですね……体重が一定以下の人は相撲の力士になれませんが……過去の名横綱の中には、力士としては体が小さ目の人も居ますよね。「その人の顔がイケメンか?」と「他人がその人をイケメンと認識するか?」の関係も、それに似ています』
「だ……だから……どう云う事ですか?」
『あの病院が知っていたであろう私の論文の内容は……「、と云う事を証明したものだったんです』
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