冒険者ギルド「が」追放されたんで、別ギルドに移籍してランキング1位を目指します!!

蓮實長治

文字の大きさ
22 / 36
第3章:猟魔群英

(6)

しおりを挟む
「君は何者だ?」
 ……えっ?
 僕は……何をしてたんだ?
 記憶が飛んでいる……冒険者ギルド本部の敷地内に入った時から……。
「本物の『聖騎士ロンメル』は、どこに居る? それとも『聖騎士ロンメル』とは、冒険者ギルドやランキング上位の冒険者パーティーがやらかしたスキャンダルを揉み消す役割を持つ者の秘匿名コードネームで、本物の『聖騎士ロンメル』など、どこにも存在しないのか? そして、一番重要な質問だ。君と『邪悪騎士ネガ・パラディンエルヴィン』の関係は?」
 僕は……ベッドに縛り付けられていて……周囲に居るのは……スーパーヒーローギルドに退魔師ギルドに人命救助レスキューギルドの面々……冒険者ギルドで言うなら「上位ランカー」達だ。
「い……いや……だから……僕は『聖騎士ロンメル』を名乗ってた元冒険者で……今は、スーパーヒーローギルドの……」
「やはり、精神操作で記憶を封じられているようだな」
 大賢者プロフェッサーの声には……だめだ……僕は……自分で思っていたより馬鹿だったようだ。
 その声から感じられる感情を巧く言い表せる言葉が見付からない。
 激しい感情じゃない。けど、ポジティブな感情でもない。まるで、地獄を覗いてしまった人間の嘆きの声……。
「ところで、私を覚えていますか?」
 そう言ったのは……胸に人命救助レスキューギルドのシンボルマークが有るワッペンを付けた……すげ~美人なのに……何て言うか……男より女の方にウケが良さそうな感じの容姿の女。
「……い……いえ?」
「やっぱり……」
 美青年にしか見えない女は天を仰いで、絶望的な表情になった。
「いいですか、落ち着いて聞いて下さい。あなたは、もう長く生きられません。あと、一〇年生きられれば奇跡です」
「へっ?」
「あなたの生命のオーラは極めて歪です。……まるで……近親相姦を何度も繰り返した家系の出身のような……」
「ちょ……ちょっと待って下さい。僕の実家は……そんな……」
 そんな……。
 そんな……。
 そんな……そんな……そんな……。
 思い出せない。
 全く思い出せない。
 僕の実家が、どんな家庭いえだったのか……。
 両親とも揃っていたのか? 祖父母や兄弟姉妹は居たのか? マトモな家だったのか? それともクソな家だったのか? 収入はどれ位で……親は何の仕事をしていたのか?
「少し前に、この都市まちから歩きで2~3日の森の中で、奇妙な村が発見された……。村に残っていた遺体は……全て先天的なだった」
「え……えっと……遺体? 小人症?」
「全員が殺されていた。見付かった限りでは……だが、村の規模からして、遺体として見付かった者達よりも多くの者達が生活していたのは明らかだった。あと……村に残されていた建物や家具は……小人症の人間に合わせた大きさだった。それ以外にも、その奇妙な村に残っていたものが有る」
「何ですか?」
「強力な残留魔力だ」
「へっ?」
「いわゆる『邪気』『瘴気』。それも……『地獄インファナル』系」
「え……えっと……」
「ぶっちゃけて言おう。冒険者ギルド本部に充満していたのと、よく似たタイプの『邪気』だ」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

つまみ食いしたら死にそうになりました なぜか王族と親密に…毒を食べただけですけど

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
私は貧しい家に生まれた お母さんが作ってくれたパイを始めて食べて食の楽しさを知った メイドとして働くことになれて少しすると美味しそうなパイが出される 王妃様への食事だと分かっていても食べたかった そんなパイに手を出したが最後、私は王族に気に入られるようになってしまった 私はつまみ食いしただけなんですけど…

中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています

浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】 ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!? 激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。 目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。 もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。 セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。 戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。 けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。 「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの? これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、 ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。 ※小説家になろうにも掲載中です。

断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます

山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。 でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。 それを証明すれば断罪回避できるはず。 幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。 チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。 処刑5秒前だから、今すぐに!

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

追放されたので田舎でスローライフするはずが、いつの間にか最強領主になっていた件

言諮 アイ
ファンタジー
「お前のような無能はいらない!」 ──そう言われ、レオンは王都から盛大に追放された。 だが彼は思った。 「やった!最高のスローライフの始まりだ!!」 そして辺境の村に移住し、畑を耕し、温泉を掘り当て、牧場を開き、ついでに商売を始めたら…… 気づけば村が巨大都市になっていた。 農業改革を進めたら周囲の貴族が土下座し、交易を始めたら王国経済をぶっ壊し、温泉を作ったら各国の王族が観光に押し寄せる。 「俺はただ、のんびり暮らしたいだけなんだが……?」 一方、レオンを追放した王国は、バカ王のせいで経済崩壊&敵国に占領寸前! 慌てて「レオン様、助けてください!!」と泣きついてくるが…… 「ん? ちょっと待て。俺に無能って言ったの、どこのどいつだっけ?」 もはや世界最強の領主となったレオンは、 「好き勝手やった報い? しらんな」と華麗にスルーし、 今日ものんびり温泉につかるのだった。 ついでに「真の愛」まで手に入れて、レオンの楽園ライフは続く──!

《完結》当て馬悪役令息のツッコミ属性が強すぎて、物語の仕事を全くしないんですが?!

犬丸大福
ファンタジー
ユーディリア・エアトルは母親からの折檻を受け、そのまま意識を失った。 そして夢をみた。 日本で暮らし、平々凡々な日々の中、友人が命を捧げるんじゃないかと思うほどハマっている漫画の推しの顔。 その顔を見て目が覚めた。 なんと自分はこのまま行けば破滅まっしぐらな友人の最推し、当て馬悪役令息であるエミリオ・エアトルの双子の妹ユーディリア・エアトルである事に気がついたのだった。 数ある作品の中から、読んでいただきありがとうございます。 幼少期、最初はツラい状況が続きます。 作者都合のゆるふわご都合設定です。 日曜日以外、1日1話更新目指してます。 エール、お気に入り登録、いいね、コメント、しおり、とても励みになります。 お楽しみ頂けたら幸いです。 *************** 2024年6月25日 お気に入り登録100人達成 ありがとうございます! 100人になるまで見捨てずに居て下さった99人の皆様にも感謝を!! 2024年9月9日  お気に入り登録200人達成 感謝感謝でございます! 200人になるまで見捨てずに居て下さった皆様にもこれからも見守っていただける物語を!! 2025年1月6日  お気に入り登録300人達成 感涙に咽び泣いております! ここまで見捨てずに読んで下さった皆様、頑張って書ききる所存でございます!これからもどうぞよろしくお願いいたします! 2025年3月17日 お気に入り登録400人達成 驚愕し若干焦っております! こんなにも多くの方に呼んでいただけるとか、本当に感謝感謝でございます。こんなにも長くなった物語でも、ここまで見捨てずに居てくださる皆様、ありがとうございます!! 2025年6月10日 お気に入り登録500人達成 ひょえぇぇ?! なんですと?!完結してからも登録してくださる方が?!ありがとうございます、ありがとうございます!! こんなに多くの方にお読み頂けて幸せでございます。 どうしよう、欲が出て来た? …ショートショートとか書いてみようかな? 2025年7月8日 お気に入り登録600人達成?! うそぉん?! 欲が…欲が…ック!……うん。減った…皆様ごめんなさい、欲は出しちゃいけないらしい… 2025年9月21日 お気に入り登録700人達成?! どうしよう、どうしよう、何をどう感謝してお返ししたら良いのだろう…

後日譚追加【完結】冤罪で追放された俺、真実の魔法で無実を証明したら手のひら返しの嵐!! でももう遅い、王都ごと見捨てて自由に生きます

なみゆき
ファンタジー
魔王を討ったはずの俺は、冤罪で追放された。 功績は奪われ、婚約は破棄され、裏切り者の烙印を押された。 信じてくれる者は、誰一人いない——そう思っていた。 だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。 ……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。 これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。

処理中です...