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第三章:絶地7騎士 ― The Magnificent Seven ―
(ⅶ)
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トラックは「中央通り」を「神保町」に向かって走っていた。
「あの……石川さんのお父さんって、どんな人でした?」
メガネっ娘がそう聞いてきた。
「えっ?」
「あの……あたしも……石川さんのお父さんに助けられたんで……富士の噴火の時に……」
「あぁ……そう……」
こっちに移住して、すぐに「秋葉原」の自警団のリーダーに祭り上げられ……そっちの仕事が忙しくて、子供の面倒を見る事が有っても、俺より弟や妹と接する事が多かった。
「言われてみたら……親父、仕事が急がしくて……こっちに引っ越して来てから、親父との思い出が……その……」
「そうですか……いや……あたしを育ててくれた叔母さんも、そうで……」
「へぇ……」
「そう言えば、あの時、石川さんのお父さんが預かった女の子、今でも元気ですか?」
「えっ? レナの事か?」
「ええ……っと、名前は判りませんが……青緑っぽい目で、茶髪の……確か、日系ブラジル人の女の子でした」
間違いない。レナだ。
「預けた……って誰が?」
「それが……もしかしたら、記憶違いかも知れないんですけど……」
そう言って、メガネっ娘は、携帯電話の画面を俺に見せた。
「おい……これって……?」
「やっぱり御存知でしたか?」
「いや、全然」
「あ~、すいませんッ‼ ごめんなさいッ‼」
「しょ~もない事で、いちいち謝るなよッ‼」
「ごめんなさいッ‼」
「だから謝るなッ‼」
「ええっと……とりあえず、ここに映ってるのは、『本当の関東』と福岡県を中心に活動している『御当地ヒーロー』通称『護国軍鬼』です。そして……あの時、女の子を1人、石川さんのお父さんに預けたのも……この『護国軍鬼』です」
そこに映っていたのは、どこがで見た覚えが有る、しかし、何かの抗争で、そこら中にガレキが散らばっている町だった。
いや……ガレキなんてモノじゃない。4m級の戦闘用パワーローダー……一〇年前に壊滅した「自衛隊がクーデターを起そうとした時の抑止力として設立された、もう1つの『自衛隊』」である「特務憲兵隊」が使っていた「国防戦機」が倒れていた。
その無茶苦茶な事になった町に、何人もの……顔を隠し防御効果が有りそうな服を来た連中が居る。
その連中の中で一番目立つのは、銀色の「鎧」……「強化服」と云うより「鎧」と言った方が良い代物を着装した2人だ。
1人は図体が異様に大きく、もう1人は……あくまで推測だが、身長一六〇㎝以下の可能性が……待て……身長一六〇㎝以下なのに、チート級に強い女なら……ついさっき……。
「これ……どこの写真だ?」
「今年の3月に『本土』の福岡県久留米市で起きた騷ぎの時の写真です。あたし達『薔薇十字魔導師会』の久留米ロッジの人間が撮影したモノです」
「ロッジって……支部の事か?『本土』にも支部が有るのか?」
「いえ……『神保町ロッジ』以外は……ほとんどが『1人支部』です……。まぁ、その、あの辺りに居る総帥の知り合いと言った方が……ええっと……実態に近いです」
「で……まさか……」
「ええ……その女の子を、石川さんのお父さんに預けたのは、この大きな『鎧』の人……だった記憶が……」
「ちょっと待て……どうなってる?」
「判らないんです……。『護国軍鬼』と呼ばれてる『鎧』の御当地ヒーローは……3月までは2人確認されてました……。1人は身長2mぐらいで、主に『本当の関東』で目撃されている。もう1人に比べて、目撃頻度は少なめ。もう1人は、身長一八〇㎝ぐらいで……福岡・佐賀・熊本を中心に目撃されていて、もう1人に比べて、目撃頻度は多め」
「じゃあ、これは? このデカい方が2mのヤツだとしたら……小さい方は、どう考えても、身長一六〇㎝ぐらいだぞ。一八〇㎝は絶対に無い」
「ええ、ですから……3月の騷ぎの時に、突然、新しい『護国軍鬼』が現われたんです……」
「ええっと……じゃあ……」
「そうです……。石川さんのお父さんは……『護国軍鬼』と呼ばれてる『本土』の『御当地ヒーロー』と知り合いだった。そして……その『護国軍鬼』達に、最近、何かが起きた……。3月以降、身長一八〇㎝ぐらいの『護国軍鬼』と、3人目の体の小さい『護国軍鬼』の目撃例は有りません」
「つまり……何が言いたい?」
「『護国軍鬼』は二〇年ほど前……『極東動乱』『イラク・アフガン戦争』の頃から活動している……おそらく日本最初の『御当地ヒーロー』『リアル・正義の味方』です。もし、石川さんのお父さんが『護国軍鬼』と知り合いだったとしたら……石川さんのお父さんは……『秋葉原』の自警団のリーダーになる前から、『正義の味方』『御当地ヒーロー』だった可能性は無いんでしょうか?」
「だとしたら……」
「何ですか?」
「なら……そいつらは……何故、知り合いだった俺の親父を助けてくれなかったんだ?……俺の親父が……『秋葉原』の自警団のリーダーだった時に……。俺の親父が……あんた達のリーダーに殺された時に……」
「あの……石川さんのお父さんって、どんな人でした?」
メガネっ娘がそう聞いてきた。
「えっ?」
「あの……あたしも……石川さんのお父さんに助けられたんで……富士の噴火の時に……」
「あぁ……そう……」
こっちに移住して、すぐに「秋葉原」の自警団のリーダーに祭り上げられ……そっちの仕事が忙しくて、子供の面倒を見る事が有っても、俺より弟や妹と接する事が多かった。
「言われてみたら……親父、仕事が急がしくて……こっちに引っ越して来てから、親父との思い出が……その……」
「そうですか……いや……あたしを育ててくれた叔母さんも、そうで……」
「へぇ……」
「そう言えば、あの時、石川さんのお父さんが預かった女の子、今でも元気ですか?」
「えっ? レナの事か?」
「ええ……っと、名前は判りませんが……青緑っぽい目で、茶髪の……確か、日系ブラジル人の女の子でした」
間違いない。レナだ。
「預けた……って誰が?」
「それが……もしかしたら、記憶違いかも知れないんですけど……」
そう言って、メガネっ娘は、携帯電話の画面を俺に見せた。
「おい……これって……?」
「やっぱり御存知でしたか?」
「いや、全然」
「あ~、すいませんッ‼ ごめんなさいッ‼」
「しょ~もない事で、いちいち謝るなよッ‼」
「ごめんなさいッ‼」
「だから謝るなッ‼」
「ええっと……とりあえず、ここに映ってるのは、『本当の関東』と福岡県を中心に活動している『御当地ヒーロー』通称『護国軍鬼』です。そして……あの時、女の子を1人、石川さんのお父さんに預けたのも……この『護国軍鬼』です」
そこに映っていたのは、どこがで見た覚えが有る、しかし、何かの抗争で、そこら中にガレキが散らばっている町だった。
いや……ガレキなんてモノじゃない。4m級の戦闘用パワーローダー……一〇年前に壊滅した「自衛隊がクーデターを起そうとした時の抑止力として設立された、もう1つの『自衛隊』」である「特務憲兵隊」が使っていた「国防戦機」が倒れていた。
その無茶苦茶な事になった町に、何人もの……顔を隠し防御効果が有りそうな服を来た連中が居る。
その連中の中で一番目立つのは、銀色の「鎧」……「強化服」と云うより「鎧」と言った方が良い代物を着装した2人だ。
1人は図体が異様に大きく、もう1人は……あくまで推測だが、身長一六〇㎝以下の可能性が……待て……身長一六〇㎝以下なのに、チート級に強い女なら……ついさっき……。
「これ……どこの写真だ?」
「今年の3月に『本土』の福岡県久留米市で起きた騷ぎの時の写真です。あたし達『薔薇十字魔導師会』の久留米ロッジの人間が撮影したモノです」
「ロッジって……支部の事か?『本土』にも支部が有るのか?」
「いえ……『神保町ロッジ』以外は……ほとんどが『1人支部』です……。まぁ、その、あの辺りに居る総帥の知り合いと言った方が……ええっと……実態に近いです」
「で……まさか……」
「ええ……その女の子を、石川さんのお父さんに預けたのは、この大きな『鎧』の人……だった記憶が……」
「ちょっと待て……どうなってる?」
「判らないんです……。『護国軍鬼』と呼ばれてる『鎧』の御当地ヒーローは……3月までは2人確認されてました……。1人は身長2mぐらいで、主に『本当の関東』で目撃されている。もう1人に比べて、目撃頻度は少なめ。もう1人は、身長一八〇㎝ぐらいで……福岡・佐賀・熊本を中心に目撃されていて、もう1人に比べて、目撃頻度は多め」
「じゃあ、これは? このデカい方が2mのヤツだとしたら……小さい方は、どう考えても、身長一六〇㎝ぐらいだぞ。一八〇㎝は絶対に無い」
「ええ、ですから……3月の騷ぎの時に、突然、新しい『護国軍鬼』が現われたんです……」
「ええっと……じゃあ……」
「そうです……。石川さんのお父さんは……『護国軍鬼』と呼ばれてる『本土』の『御当地ヒーロー』と知り合いだった。そして……その『護国軍鬼』達に、最近、何かが起きた……。3月以降、身長一八〇㎝ぐらいの『護国軍鬼』と、3人目の体の小さい『護国軍鬼』の目撃例は有りません」
「つまり……何が言いたい?」
「『護国軍鬼』は二〇年ほど前……『極東動乱』『イラク・アフガン戦争』の頃から活動している……おそらく日本最初の『御当地ヒーロー』『リアル・正義の味方』です。もし、石川さんのお父さんが『護国軍鬼』と知り合いだったとしたら……石川さんのお父さんは……『秋葉原』の自警団のリーダーになる前から、『正義の味方』『御当地ヒーロー』だった可能性は無いんでしょうか?」
「だとしたら……」
「何ですか?」
「なら……そいつらは……何故、知り合いだった俺の親父を助けてくれなかったんだ?……俺の親父が……『秋葉原』の自警団のリーダーだった時に……。俺の親父が……あんた達のリーダーに殺された時に……」
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