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第四章:A Better Tomorrow/駄目爺ィどもの挽歌
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「え……えっと……貴方たち……誰?」
「誰って、言うまでもない。この国の冒険者ギルドの最高幹部『よりよき明日の為の評議会』だ」
冒険者ギルドの幹部が皆殺しにされた後、例によって、飲兵衛の路上生活を送っていたら……寝てる間に、いつの間にか移転してたらしい「冒険者ギルド本部」と称する貸店舗に連行されていて……そこに居たのは……。
この前死んだ、冒険者ギルド幹部より少し若いように見えない事も無いが……やっぱり爺さんとしか呼べない年齢の、良く知らない男ども。
「壊滅した筈じゃ……?」
「死んだのは、我々の前任者どもだ。我々は新しい最高幹部評議会だ」
「は……はぁ……」
「まぁ、人間の本性は、調子こいてる時とドン底に堕ちた時の両方で明らかになる、とは言うが……前任者どもは、どっちの場合も最悪な連中だった。その点はお詫びする」
「おい、若い女に頭下げるなんて……男としての誇りは無いのか?」
「うるさいな」
「あ……あの……それで……その……?」
「と言う訳で、冒険者ランキング1位『鋼の男』を君に倒して欲しい」
「はぁ?」
「倒せ。これは命令だ」
「無理です」
「なら、玉砕しろ」
「何で?」
「命令だ。異議は認めん」
えっと……私が話してる(会話になってない気がするけど)、この爺さん達……本当に人間?
なんか……定型パターンの動きや会話しか出来ない安物の人造人間なんて事は……?
えっと……。
ああ、マズい。
酒びたりのせいで、魔力検知の能力も錆び付いてしまってる。
精神を集中させ……。
ん?
「あぶないッ‼」
ドゴオッ‼
「な……」
「こ……これは……?」
私は、攻撃魔法の気配を察知して……魔法防壁を展開。
その結果……。
「うわああああッ‼」
「おい、誰か、浮遊魔法ッ‼」
壁や天井や床が粉々に砕け、私と爺さんたちは落下。
一応、どこからともなく飛んで来た火炎弾は砕け散ったけど……。
どうやら、私が「魔力は昔のまま、ただ、制御出来なくなってるだけ」の状態で魔法防壁を展開したせいで、そのプチ暴走状態の魔法防壁により、砕け散ったらマズいモノまで砕け散ったらしい。
「流石は偽物とは言え冒険者ギルド最高幹部を名乗るだけは有るな。中々にやるようだ」
冒険者ギルド本部と称する貸店舗が瓦礫と化した後、その声のした方向を見ると、大通りの反対側に有る別の貸店舗の屋上から、魔法の拡声器を使って、そう大声で怒鳴り散らしている、これまで爺さんたちの一団が居た。
「あれ……誰?」
「偽の冒険者ギルド最高幹部どもだ」
「へっ?」
……えっと……。
……つまり……その……。
ああ、冒険者ギルドそのものが分裂して、この爺さんたちと、あっちの爺さんたちは、別の派閥な訳か……。
「おのれ、偽物どもめ。どっちが本物かわからせてやる」
「おい、メスガキわからせならともかく、爺ィわからせなんて需要有るのか?」
「うるさい、やるぞ……」
けど……その時……。
「誰って、言うまでもない。この国の冒険者ギルドの最高幹部『よりよき明日の為の評議会』だ」
冒険者ギルドの幹部が皆殺しにされた後、例によって、飲兵衛の路上生活を送っていたら……寝てる間に、いつの間にか移転してたらしい「冒険者ギルド本部」と称する貸店舗に連行されていて……そこに居たのは……。
この前死んだ、冒険者ギルド幹部より少し若いように見えない事も無いが……やっぱり爺さんとしか呼べない年齢の、良く知らない男ども。
「壊滅した筈じゃ……?」
「死んだのは、我々の前任者どもだ。我々は新しい最高幹部評議会だ」
「は……はぁ……」
「まぁ、人間の本性は、調子こいてる時とドン底に堕ちた時の両方で明らかになる、とは言うが……前任者どもは、どっちの場合も最悪な連中だった。その点はお詫びする」
「おい、若い女に頭下げるなんて……男としての誇りは無いのか?」
「うるさいな」
「あ……あの……それで……その……?」
「と言う訳で、冒険者ランキング1位『鋼の男』を君に倒して欲しい」
「はぁ?」
「倒せ。これは命令だ」
「無理です」
「なら、玉砕しろ」
「何で?」
「命令だ。異議は認めん」
えっと……私が話してる(会話になってない気がするけど)、この爺さん達……本当に人間?
なんか……定型パターンの動きや会話しか出来ない安物の人造人間なんて事は……?
えっと……。
ああ、マズい。
酒びたりのせいで、魔力検知の能力も錆び付いてしまってる。
精神を集中させ……。
ん?
「あぶないッ‼」
ドゴオッ‼
「な……」
「こ……これは……?」
私は、攻撃魔法の気配を察知して……魔法防壁を展開。
その結果……。
「うわああああッ‼」
「おい、誰か、浮遊魔法ッ‼」
壁や天井や床が粉々に砕け、私と爺さんたちは落下。
一応、どこからともなく飛んで来た火炎弾は砕け散ったけど……。
どうやら、私が「魔力は昔のまま、ただ、制御出来なくなってるだけ」の状態で魔法防壁を展開したせいで、そのプチ暴走状態の魔法防壁により、砕け散ったらマズいモノまで砕け散ったらしい。
「流石は偽物とは言え冒険者ギルド最高幹部を名乗るだけは有るな。中々にやるようだ」
冒険者ギルド本部と称する貸店舗が瓦礫と化した後、その声のした方向を見ると、大通りの反対側に有る別の貸店舗の屋上から、魔法の拡声器を使って、そう大声で怒鳴り散らしている、これまで爺さんたちの一団が居た。
「あれ……誰?」
「偽の冒険者ギルド最高幹部どもだ」
「へっ?」
……えっと……。
……つまり……その……。
ああ、冒険者ギルドそのものが分裂して、この爺さんたちと、あっちの爺さんたちは、別の派閥な訳か……。
「おのれ、偽物どもめ。どっちが本物かわからせてやる」
「おい、メスガキわからせならともかく、爺ィわからせなんて需要有るのか?」
「うるさい、やるぞ……」
けど……その時……。
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