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エピローグ

Exiled/絆

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「追い付かれる~、このままじゃ……追い付かれる~ッ‼」
 王宮の酒蔵から回収した酒樽を積んだ荷馬車が十以上。
 王族を積んだ荷馬車が1つ。
 うるさい事を言う王族は……ややこしい事にならないように、私が精神支配で奴隷人間に変えようとしたら……何故かイルゼに止められ、イルゼの魔法で、一旦は眠らせた。
 イルゼは……私の魔法で眠らせると、一生目覚めない可能性が有ると言うけど……そこまで信用されてないってのは、ちょっと哀しい。
 まぁ、いい。
 酒だ。酒は確保した。
 って……。
 攻撃魔法を使いまくって……押し寄せる魔物の大群の中に道を作る。
 しかし、魔物たちは……四方八方から押し寄せ……。
 ああああ……。
 酒樽を積んだ荷馬車の1つが魔物を避けようとして……派手に横転。
 同じく、別の1つが派手に宙を舞い……。
 別のには……魔物どもが押し寄せ……。
 返せ……返せ……私の酒を返せ……。
 ドゴォッ‼
 その音と共に道路の舗装を突き破り、触手が出現。
 しまった……魔物は……地下の下水道にも居た……。
 クソ……。
 その触手を避けそこない……また1つ酒樽を積んだ荷馬車が……。
 あと少し……王都の外まで……あと少し……。
 でも……。
 残る荷馬車は……私が乗ってる荷馬車と、イルゼと王族が乗ってる荷馬車だ……。
 あ……。
 その手が……有った。
 ごめん……。
 私は魔法の矢で……イルゼと王族が乗ってる荷馬車の車輪を破壊。
「て……てめえッ‼」
 魔法の矢の威力のせいで……イルゼ達が乗ってた荷馬車は派手に宙を舞い……。
 イルゼの罵詈讒謗のレパートリーが尽きると、ほぼ同時に……イルゼ達の荷馬車は地面に激突し粉砕。
 イルゼと魔法で眠らされた王族達は最早単なるゴミと化した荷馬車から放り出され……。
 そこに群がる魔物たち。
 ありがとう。
 本当にありがとう。
 死ぬまで感謝する。
 みんなの事を思い出すのは……酒が入ってマトモに頭が働いてる時だけかも知れないけど……。
 みんなの犠牲の御蔭で……私の大事なお酒は護られた……。
 ありがとう。
 ありがとう。
 ありがとう。

 で、王都を荷馬車一つ分の酒樽と共に脱出した、その後の私の幸せなスローライフは……あまりにも、ありがちなんで省略する事にしよう。
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