今の規準で過去のモノを裁くな

蓮實長治

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今の規準で過去のモノを裁くな

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「今の規準で過去のモノを裁くなよ」
「いや、その『今の規準』だって『過去』に起源が有る訳だろ。『今の規準で過去のモノを裁くな』って、過去と今の間に断絶が有る場合にのみ言える事じゃね?? 例えば、奴隷制度だって当時は普通だったんだ、って言うけど、その『当時』だって奴隷制度に反対した人なんていくらでも……」
「君は大きな勘違いをしている」
「何?」
「君のあげた例で言うなら、過去の奴隷制度に反対した人達と、現在、奴隷制度が多くの国で禁止されている事には、何のつながりもない」
「いや、何を言ってるか判らない」
「判らないのか? たった100年か200年前の『過去』ですら、過去の人類と今の人類の間には絶対的な断絶が有るんだ」
「どう云う事??」
 次の瞬間、神は人類とその文明を滅ぼして、そして、新しい人類と文明を再創造した。
 神の気紛れによる人類の絶滅と再創造は、この1000年間で12回目だった。
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