世界を護る者達:毒戰寒流

蓮實長治

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第四章:A Hard Day

アータヴァカ/関口 陽(ひなた) (3)

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「こいつは、強い気の流れのを検知すると、その源の方に行こうとする呪符だ」
「おい、なら、これは……? お前の言う『強い気』の源は、この付近に……」
 何枚もの呪符の内、あるモノは天井の方に……あるモノは床の方に……そして、残りは、この警察署の入口の方に向って行く。
「少なくとも、この警察署内に、強い気を出してるモノは3つ。1つは、さっき、お前が作った死体の山。1つは上の階。1つは地下」
「なるほどな……」
「どうする? 手分けして調べるか?」
「別行動したら、2人1組ツーマンセルの意味が無い。どちらか片方で予想外の事が起きたら、巧く対処出来る可能性が激減する」
「じゃ、上と下、どっちに行く?」
「そうだな……じゃんけんで決めるか?」
「だから、いつものクソ理屈っぽいお前は、どこ行った?」
「この状況は、お前の方が、専門家だからお前のやり方に合わせただけだ。私が勝ったら上の階。お前が勝ったら下の階。『最初はグー』は無しだ」
「お前、あたしの事を何か誤解してないか? はい、じゃんけんぽん」
「じゃあ、下行くぞ。階段を探すか」
「警察署内の地図とか無いのか?」
「流石に、そこまでは入手してない。地元のヤクザの『安徳ホールディングス』の『関連会社』の連中なら知ってる可能性が有るんで、今度、奴らの拠点を襲撃した時にでもデータを手に入れる」
「おい、待て、何で、ヤクザが警察の情報を持ってんだ?」
「安徳グループに福岡・佐賀・熊本の各県警と検察、あと各広域警察の支局のエラいさんの個人情報を握られたんだ。子供の通学路とか、親を入れてる老人ホームとかな。今や県警の麻取に組対マル暴、あと広域麻取と広域組対マル暴の支局も地元のヤー公の手先だ。無事なのは、ウチのカイシャぐらいだ」
 その声のする方を見ると……。
「本当に無事だと言い切れるのか?」
「あれ? 昨日の対異能力犯罪広域警察レコンキスタ? ところで、副隊長ブルーさん、腕は?」
「まだ、新しいのが届いてない。あと、屋内で使えるか、あんなパワーは有っけど小回りが効かねえ代物モノ
 そこに居たのは、対異能力犯罪広域警察レコンキスタのレンジャー隊の隊長レッド副隊長ブルー、あと汎用型グリーンが2人。
 昨日はパワー型イエローとのハイブリッドだった副隊長ブルーは背中の大型金属腕が無くて、単なる副隊長ブルー型のまま。
「何で来た? と訊く意味は無いか……」
「ああ、県警本部でも、ここの異変に気付いて、ウチに応援要請が来た」
「異変は、いつ起きて、いつ応援要請が来たんだ?」
「異変が起きたのは、昨日の夕方。今朝になって、ようやくウチに応援要請」
「嫌な予感がする……。あんた達の前にも、ここに突入した県警の警官が居た可能性は?」
「少なくとも聞いてないが……警察も、お役所仕事だからな。同業とは言え警察機構カイシャに渡す情報は最小限だ」
「おい、あたしらと警察がズブズブでいいのかよ?」
 昨日に続いて、妙に仲がいい相棒とレンジャー隊にツッコミを入れる。
「利用出来るモノは、警察でもヤクザでも利用する。お前だって、昨日、ヤー公と共闘しただろ」
「おい、警察おれたちはヤー公の同類かよ?」
「違うのか? あと、ところで、その強化服、魔法・心霊系の力への防御はされてんのか?」
 相棒が当然の疑問。
「まぁ、そこそこ程度はな」
「そこそこなのか?」
 あたしの解説にレンジャー隊の隊長レッドが反応。
「当面は大丈夫だけど、後で、精密検査受けた方がいい。魔法・心霊系のヤツな」
「まぁ、いいや。後で上に申請しよう。で、何がどうなってる?」
 副隊長ブルーが、そう訊いてくる。
「邪気の発生源は上の階と地下」
 相棒が、そう解説。
「上は……オフィスと取調べ室、下は……」
「何だ?」
「倉庫ぐらい……待てよ……」
 そう言いながら、レンジャー隊の隊長レッドは考え込み出した。
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