11 / 12
第一章:毒戦寒流
(10)
しおりを挟む
「厄介な事になりましたね……」
ウチの「カイシャ」に戻ってから相棒は、そう言った。
「ウチと公安以外にも……あのマンションを監視してるヤツが居ると……」
「他の警察機構か……さもなくば、最近、噂になってる『警察に頼らず異能力犯罪を解決する何でも屋』ですかね?」
私がそこまで言うと、相棒は首を横に振る……。
「このヤマ……もっと洒落になりませんよ……。何が出て来るか予想も付きません」
「えっ?」
「昨日の晩に暴れ出した公安の刑事……精神操作を受けてました。急に暴れ出したのは……精神操作のせいです」
薄々は……気付いていたが……面倒な事になりそうなので無視していた可能性だ……。
「公安のカルト宗教関係の部署のヤツが……精神操作系の異能力者に洗脳されてた訳か……。あいつ1人だけだと思う?」
相棒は、再度、首を横に振った。
「下手したら……異能力者じゃないです」
だが、相棒が首を横に振った理由は、私が想像してたモノと違っていた。
「えっ?」
「あれは……『能力』と言うより『技術』です。下手したら……何世代もかけて体系的に磨き上げられた代物です」
「どう言う事? 何を言ってるの?」
「あの公安の刑事は……精神操作の上書きを阻止する精神操作をやられてました……。何者かが脳や心に干渉したら……暴れ出して干渉した相手を殺すような『精神操作』をね。だから……『魔法』で脳をいじろうとした僕を攻撃した……」
「ちょっと待って……それ……」
「繰り返しますけど……『能力』じゃないです。単なる力自慢でも、他人を投げ飛ばせるかも知れない。けど、柔道なんかをやってる人ほどには『見事に投げ飛ばす』事は……多分、無理でしょう。あれは……そう言う感じの代物です」
「おい……待て……まさか……。精神操作『能力』を『技術』にまで高めてる奴は……複数居て……しかも、互いに争ってる可能性も有る訳か?」
私と相棒の会話を傍で聞いていたチーム長がそう言い出した。
「えっ?」
「だって……さっきの柔道の喩えで言うなら……もし、柔道家ってのが同じ柔道家同士の試合を全く考えてないんなら、柔道には相手が柔道家の場合を想定した技なんて存在する筈が無いだろ」
そうか……「他の誰かによる精神操作の『上書き』を防ぐ精神操作」が有るとするなら……その意味する所は……。
どうやら……私達と公安は……人知れず行なわれている化物同士の抗争に巻き込まれたらしい。
「で……その『精神操作の上書きを防ぐ精神操作』って、どの程度やるのが難しいモノなの? つまり、相手は、どの程度の腕前や力の持ち主なの?」
「判りません……。無茶苦茶、難しいのは確かですが……どの程度の『無茶苦茶』かまでは……」
「そう言や……関口に『精神操作』の『呪詛返し』をやられた刑事だが……」
「あいつじゃないです。あいつは『力』も『技術』も無かったし……多分、自分が『精神操作』能力を持ってる事に気付いてたかさえ怪しいです」
「……ん?」
チーム長は急にPCの画面に目を向けて……。
「あ……あの……どうしたんですか?」
「死んだ。今、ニュースになってる」
「死んだって……誰が?」
ウチの「カイシャ」に戻ってから相棒は、そう言った。
「ウチと公安以外にも……あのマンションを監視してるヤツが居ると……」
「他の警察機構か……さもなくば、最近、噂になってる『警察に頼らず異能力犯罪を解決する何でも屋』ですかね?」
私がそこまで言うと、相棒は首を横に振る……。
「このヤマ……もっと洒落になりませんよ……。何が出て来るか予想も付きません」
「えっ?」
「昨日の晩に暴れ出した公安の刑事……精神操作を受けてました。急に暴れ出したのは……精神操作のせいです」
薄々は……気付いていたが……面倒な事になりそうなので無視していた可能性だ……。
「公安のカルト宗教関係の部署のヤツが……精神操作系の異能力者に洗脳されてた訳か……。あいつ1人だけだと思う?」
相棒は、再度、首を横に振った。
「下手したら……異能力者じゃないです」
だが、相棒が首を横に振った理由は、私が想像してたモノと違っていた。
「えっ?」
「あれは……『能力』と言うより『技術』です。下手したら……何世代もかけて体系的に磨き上げられた代物です」
「どう言う事? 何を言ってるの?」
「あの公安の刑事は……精神操作の上書きを阻止する精神操作をやられてました……。何者かが脳や心に干渉したら……暴れ出して干渉した相手を殺すような『精神操作』をね。だから……『魔法』で脳をいじろうとした僕を攻撃した……」
「ちょっと待って……それ……」
「繰り返しますけど……『能力』じゃないです。単なる力自慢でも、他人を投げ飛ばせるかも知れない。けど、柔道なんかをやってる人ほどには『見事に投げ飛ばす』事は……多分、無理でしょう。あれは……そう言う感じの代物です」
「おい……待て……まさか……。精神操作『能力』を『技術』にまで高めてる奴は……複数居て……しかも、互いに争ってる可能性も有る訳か?」
私と相棒の会話を傍で聞いていたチーム長がそう言い出した。
「えっ?」
「だって……さっきの柔道の喩えで言うなら……もし、柔道家ってのが同じ柔道家同士の試合を全く考えてないんなら、柔道には相手が柔道家の場合を想定した技なんて存在する筈が無いだろ」
そうか……「他の誰かによる精神操作の『上書き』を防ぐ精神操作」が有るとするなら……その意味する所は……。
どうやら……私達と公安は……人知れず行なわれている化物同士の抗争に巻き込まれたらしい。
「で……その『精神操作の上書きを防ぐ精神操作』って、どの程度やるのが難しいモノなの? つまり、相手は、どの程度の腕前や力の持ち主なの?」
「判りません……。無茶苦茶、難しいのは確かですが……どの程度の『無茶苦茶』かまでは……」
「そう言や……関口に『精神操作』の『呪詛返し』をやられた刑事だが……」
「あいつじゃないです。あいつは『力』も『技術』も無かったし……多分、自分が『精神操作』能力を持ってる事に気付いてたかさえ怪しいです」
「……ん?」
チーム長は急にPCの画面に目を向けて……。
「あ……あの……どうしたんですか?」
「死んだ。今、ニュースになってる」
「死んだって……誰が?」
0
あなたにおすすめの小説
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし
かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし
長屋シリーズ一作目。
第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。
十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。
頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。
一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。
ペットになった
ノーウェザー
ファンタジー
ペットになってしまった『クロ』。
言葉も常識も通用しない世界。
それでも、特に不便は感じない。
あの場所に戻るくらいなら、別にどんな場所でも良かったから。
「クロ」
笑いながらオレの名前を呼ぶこの人がいる限り、オレは・・・ーーーー・・・。
※視点コロコロ
※更新ノロノロ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる