A2:洗脳密令

蓮實長治

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第一章:毒戦寒流

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「厄介な事になりましたね……」
 ウチの「カイシャ」に戻ってから相棒は、そう言った。
「ウチと公安以外にも……あのマンションを監視してるヤツが居ると……」
「他の警察機構カイシャか……さもなくば、最近、噂になってる『警察に頼らず異能力犯罪を解決する何でも屋』ですかね?」
 私がそこまで言うと、相棒は首を横に振る……。
「このヤマ……もっと洒落になりませんよ……。何が出て来るか予想も付きません」
「えっ?」
「昨日の晩に暴れ出した公安の刑事……精神操作を受けてました。急に暴れ出したのは……精神操作のせいです」
 薄々は……気付いていたが……面倒な事になりそうなので無視していた可能性だ……。
「公安のカルト宗教関係の部署のヤツが……精神操作系の異能力者に洗脳されてた訳か……。あいつ1人だけだと思う?」
 相棒は、再度、首を横に振った。
「下手したら……異者じゃないです」
 だが、相棒が首を横に振った理由は、私が想像してたモノと違っていた。
「えっ?」
「あれは……『能力』と言うより『技術』です。下手したら……何世代もかけて体系的に磨き上げられた代物です」
「どう言う事? 何を言ってるの?」
「あの公安の刑事は……をやられてました……。何者かが脳や心に干渉したら……暴れ出して干渉した相手を殺すような『精神操作』をね。だから……『魔法』で脳をいじろうとした僕を攻撃した……」
「ちょっと待って……それ……」
「繰り返しますけど……『能力』じゃないです。単なる力自慢でも、他人を投げ飛ばせるかも知れない。けど、柔道なんかをやってる人ほどには『見事に投げ飛ばす』事は……多分、無理でしょう。あれは……そう言う感じの代物です」
「おい……待て……まさか……。精神操作『能力』を『技術』にまで高めてる奴は……複数居て……しかも、互いに争ってる可能性も有る訳か?」
 私と相棒の会話を傍で聞いていたチーム長がそう言い出した。
「えっ?」
「だって……さっきの柔道の喩えで言うなら……もし、
 そうか……「他の誰かによる精神操作の『上書き』を防ぐ精神操作」が有るとするなら……その意味する所は……。
 どうやら……私達と公安は……人知れず行なわれている化物同士の抗争に巻き込まれたらしい。
「で……その『精神操作の上書きを防ぐ精神操作』って、どの程度やるのが難しいモノなの? つまり、相手は、どの程度の腕前や力の持ち主なの?」
「判りません……。無茶苦茶、難しいのは確かですが……どの程度の『無茶苦茶』かまでは……」
「そう言や……関口に『精神操作』の『呪詛返し』をやられた刑事だが……」
「あいつじゃないです。あいつは『力』も『技術』も無かったし……多分、自分が『精神操作』能力を持ってる事に気付いてたかさえ怪しいです」
「……ん?」
 チーム長は急にPCの画面に目を向けて……。
「あ……あの……どうしたんですか?」
「死んだ。今、ニュースになってる」
「死んだって……誰が?」
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