神による「小さな親切、大きな御世話」

蓮實長治

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神による「小さな親切、大きな御世話」

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 ふとした気紛れで、下界で使われている「インターネット」とやらを天国にも導入する事にした。
 そして、目にしたのはSNSとやらでの、こんな書き込みじゃった。
「ロスジェネ底辺には未来が無いのでベビーカーに優しくするメリットがない」
 ……ここの所、人間は増えているのに、天国に来る魂が減っていたが……人間達が隣人愛を失ないつつ有った為であったのか……。
 では……この者達に「未来」を与えてやる事にしよう……。

 それから数十年が経った。
 あの日より後、天国まで来る魂は0になった。
 まぁ、人間を不老不死にしたので、それも当然……おい……待て……どうなっておるんじゃ?
 人間を不老不死にした筈なのに、「天国の門」まで魂が来ておる。
 しかし、その魂は1つ残らず「天国の門」を通れず、地獄行きになっておった。

「『天国の門』の鍵を預けているペテロよ。そなたに聞きたい事が有る」
「主よ、何でしょうか?」
「何故、儂が人間を不老不死にしたのに……『天国の門』まで死者の魂が来ておるのじゃ?」
「はい、主が人間を不老不死にした後、人間達が、不老不死になった自分達を『安楽死』させる方法を見付けましたので」
「では、『安楽死』した魂を、何故、全て地獄行きにしておるのじゃ?」
「地上で『安楽死』出来るのは、今の所、金持ちだけでございますので……」
「ま……まさか……」
「はい、主の一人子にして、我が師の『金持ちが天国の門を通るより、駱駝が針の穴を通る方が容易い』と云う言葉に従い、金持ちの魂は無条件で地獄に引き渡しております」
「で……では……『安楽死』出来ない貧乏人はどうなっておる?」
「はい。死ねないまま、地上で苦しみ続けております」
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