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第三章:最強のライバル登場、その名は「ちびすけ」
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「困ったねえ……レプタリアンが多そうな国の軍隊ほど、ネット上での人気は上々やし……」
「あの、スーちゃん……」
「『正義の味方』を商売にするにしても、誰を悪者に仕立て上げるかは……じっくりと考えんといかんねぇ……」
「だから、スーちゃん」
「ん? どうしたとね?」
「スーちゃん、あたしのスマホ、勝手に使わないで。あと、その手で、どうやってスマホ使ってんの?」
「どうやってと言われても……」
「その爪でスマホの画面に傷とか付けないでよね」
「大丈夫、今、ウチは実体化しとらんけん。あんたに見えとる姿は霊体みたいなものたい」
「だから、霊体みたな状態で、どうやってスマホ使ってんだよ?」
「見ての通りたい」
駄目だ、こりゃ。
どうやら、あたしは既に、スーちゃんが始めようとしている「『正義の味方』と称する爬虫類人間大虐殺」の「商売」に巻き込まれてるようだ。
「お~い、優希、住み込みのバイトさん達の晩飯を運ぶとば手伝ってくれんか~?」
その時、お父さんの声。
「は~い」
そう返事して、部屋を出て、台所へ行ってみたものの……。
「な……なに、これ?」
「バイトさん達は肉が主食やけん。屠殺場で出た余りたい」
そこに有ったのは……縦に割られた牛骨の山。
「あ、今日、新しく入ったバイトさんは、何じゃったっけ? 最近流行りのベヂ……えっと……」
「草食……」
「あのなぁ、お前、折角、牧場の仕事を手伝ってくれとる人をそんな言い方すっとは……」
「でも、主義主張で肉を食べないんじゃなくて、肉を消化出来ないんだよね? それは、ベジタリアンじゃなくて草食」
「そんなものか……よう判らんが……。まぁ、新入りさんは牛と一緒に牧草を食っとるけん」
外に出ると、ベトナム人技能実習生に代って、ウチの……と言うか、どうやら、この辺り一帯の牧場の従業員と化したヴェロキラプトル達がバーベキューの用意をしていて……。
そして、次々と……牛骨を焼き網の上に置き……。
「そっか……こんな食べ方が有ったとか……」
加熱された骨髄からは、いい臭い……。
おいしそうなのだ。
ガジくんも食べたいのだ。
一本だけ分けて欲しいの……。
「うわああああああッ‼」
変身してないのに、あのトボケた顔の恐竜に意識を支配されかけ……。
ん?
何か、様子がおかしい。
お父さんもヴェロキラプトル達も……あたしの方と別の方向を交互に見ている。
どうやら……あたしが急に叫びをあげたのは、別の理由だと……何だ、あれ?
のそり……。
軽自動車ぐらいの大きさのモノが近付いてくる。
「あんたが……ここの牧場の娘さんか?」
「は……はい……」
それは……。
い……今さらだけど……人間の言葉を話せる恐竜はスーちゃん以外にも居たのか?
「俺様の名前は……『超怖い、びっくりするほど強い、すごく凶暴なシノケラトプス』」
いや、それ名前じゃないと思う。
「略して『ちびすけ』だ」
あ……あの……軽自動車ぐらい有るのに……「ちびすけ」って……。それと、かなり強引な略だ……。
「駄目元で訊くが……俺様はある恐竜を探している」
「へっ?」
「豹柄に赤いタテガミのティラノサウスルの女だ。名前はスー」
おいッ‼ 待てッ‼
「優希、どっかで見た事、無かか?」
お父さんの呑気な声が……あたしの混乱に拍車をかけた。
「あの、スーちゃん……」
「『正義の味方』を商売にするにしても、誰を悪者に仕立て上げるかは……じっくりと考えんといかんねぇ……」
「だから、スーちゃん」
「ん? どうしたとね?」
「スーちゃん、あたしのスマホ、勝手に使わないで。あと、その手で、どうやってスマホ使ってんの?」
「どうやってと言われても……」
「その爪でスマホの画面に傷とか付けないでよね」
「大丈夫、今、ウチは実体化しとらんけん。あんたに見えとる姿は霊体みたいなものたい」
「だから、霊体みたな状態で、どうやってスマホ使ってんだよ?」
「見ての通りたい」
駄目だ、こりゃ。
どうやら、あたしは既に、スーちゃんが始めようとしている「『正義の味方』と称する爬虫類人間大虐殺」の「商売」に巻き込まれてるようだ。
「お~い、優希、住み込みのバイトさん達の晩飯を運ぶとば手伝ってくれんか~?」
その時、お父さんの声。
「は~い」
そう返事して、部屋を出て、台所へ行ってみたものの……。
「な……なに、これ?」
「バイトさん達は肉が主食やけん。屠殺場で出た余りたい」
そこに有ったのは……縦に割られた牛骨の山。
「あ、今日、新しく入ったバイトさんは、何じゃったっけ? 最近流行りのベヂ……えっと……」
「草食……」
「あのなぁ、お前、折角、牧場の仕事を手伝ってくれとる人をそんな言い方すっとは……」
「でも、主義主張で肉を食べないんじゃなくて、肉を消化出来ないんだよね? それは、ベジタリアンじゃなくて草食」
「そんなものか……よう判らんが……。まぁ、新入りさんは牛と一緒に牧草を食っとるけん」
外に出ると、ベトナム人技能実習生に代って、ウチの……と言うか、どうやら、この辺り一帯の牧場の従業員と化したヴェロキラプトル達がバーベキューの用意をしていて……。
そして、次々と……牛骨を焼き網の上に置き……。
「そっか……こんな食べ方が有ったとか……」
加熱された骨髄からは、いい臭い……。
おいしそうなのだ。
ガジくんも食べたいのだ。
一本だけ分けて欲しいの……。
「うわああああああッ‼」
変身してないのに、あのトボケた顔の恐竜に意識を支配されかけ……。
ん?
何か、様子がおかしい。
お父さんもヴェロキラプトル達も……あたしの方と別の方向を交互に見ている。
どうやら……あたしが急に叫びをあげたのは、別の理由だと……何だ、あれ?
のそり……。
軽自動車ぐらいの大きさのモノが近付いてくる。
「あんたが……ここの牧場の娘さんか?」
「は……はい……」
それは……。
い……今さらだけど……人間の言葉を話せる恐竜はスーちゃん以外にも居たのか?
「俺様の名前は……『超怖い、びっくりするほど強い、すごく凶暴なシノケラトプス』」
いや、それ名前じゃないと思う。
「略して『ちびすけ』だ」
あ……あの……軽自動車ぐらい有るのに……「ちびすけ」って……。それと、かなり強引な略だ……。
「駄目元で訊くが……俺様はある恐竜を探している」
「へっ?」
「豹柄に赤いタテガミのティラノサウスルの女だ。名前はスー」
おいッ‼ 待てッ‼
「優希、どっかで見た事、無かか?」
お父さんの呑気な声が……あたしの混乱に拍車をかけた。
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