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第3話『死闘の先に得たものは…』
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私は事情を聞くためにマーメイド達を取り敢えずタワマンに入れる許可を出します。
するとゾロゾロと訝しげな様子でマーメイド達が入って来ました、本来なら彼ら彼女ら見たいな原し……文明人には程遠い種族の者がこの至高の建造物に入ること等あり得ないのですが、これも入居者確保の為に……じゃありません、とんでもない化け物と評判のリヴァイアサンに関する情報を得るためです。
場所は我がタワマンのエントランスに約五十名弱のマーメイドと私、そしてカニマツさんと言う顔ぶれです。
私は話を聞こうと最初に許可を出したおじさんマーメイドに話をふります。ちなみにこのマーメイドが私のタワマンを気持ち悪いとか抜かしたので私の神聖なるグーパンが炸裂し、おじさんマーメイドを一回黙らせましてからの会話再開です。
「それでそのリヴァイアサンと言うモンスターからあなた方達は逃げて来たと言う訳ですか?」
「あっ……ああそうだ、と言うのもな……」
そして話を聞きます。
その内容ですが何でも最初は些細な行方不明者の捜索だったそうです、しかしマーメイドな彼らは周囲のモンスターを警戒して集落の男達ほぼ全員で事にあたったそうです。
そこまでは良かったのですが肝心の行方不明者の捜索は一向に進まなかった見たいですよ、そこで別の離れた海域から強力なモンスターでもはぐれて来てそれに殺られたのではとなり大物のモンスターと探索と行方不明者の捜索に別れてそれぞれが活動した結果……。
「そのリヴァイアサンがマーメイドを狩っていた訳ですか?」
「いやっそれは違う。あの化け物は物凄い速さで海底を移動するんだが、その時に生まれる急な海流に巻き込まれて気絶して怪我をしていたってのが真相だった。それに勘づいた俺たちはアイツが通った跡を探して行方不明者を全て回収したんだ」
「ふぅん?ならもう問題は解決してる訳ですか?後はそのリヴァイアサンと言うモンスターは近付かなければ危険はないと?」
「とんでもない!あの化け物は俺達が寝床にしている珊瑚礁の洞窟をぶっ壊して行きやがったんだ!アレは絶対に分かっていてやりやがったな、間違いねぇよ」
何か決めつけで言ってませんか?大丈夫何ですかこのマーメイドさん達は。
「そして珊瑚礁の洞窟を破壊されてブチキレた族長が集落のマーメイドを引き連れてそのリヴァイアサンに決戦を挑んだんだよ!」
「……………」
「……………」
何でそんなヤバいのに寝床を奪われただけで戦いを挑めるのでしょうか?まるで大きなマンモスに集団で狩りをする原始人の様な生態に軽く呆れる私です。
「けどっリヴァイアサンはマジで凄すぎてな、まるで歯が立たなかった。死人こそでなかったがボロ負けした俺達はリヴァイアサンの肛門に珊瑚の塊を詰める事で一子報いた事にして、全力で逃げて来たのさ!流石のリヴァイアサンもかなり怒らせてやったぞ!」
………は?肛門に?珊瑚を詰めた?何を言ってんですかこのアホマーメイドは。
(……マーメイドって種族全体がもしかしてアホなのか?)
おじさんマーメイドを呆れた目で見るマリシア、しかしカニマツは双方を哀れなモノとして見る視線を送っている事にマリシアは気付かない。
「それで?怒らせた結果どうなったんです?」
「もちろん後は全力で逃げている最中だ!嬢ちゃんも早く逃げないと危ないぞ、今のヤツはマーメイドなら手当たり次第にぶっ殺すって感じだったからな」
それはアンタらが……ハァッやめましょう。不毛なやり取りをしている暇はありませんよ全く。
「それでしたらしばらくこのタワーマンションに避難してください、ここなら安全ですから」
「いっ嫌々お嬢ちゃん。確かにこの搭は大したデカさだぜ?けどな……」
何ですか?また私のグーパンを食らいたいんですか?このおじさんマーメイドは。
そもそもずっと気になってたんですが、マーメイドに野郎とかおかしくないですか?マーメイドですよ?人魚ですよ?野郎なんて不要ですよ不要。
「けどっ何ですか?」
「リヴァイアサンはもっとデカイんだよ!」
「……………………ハァッ?」
ちょっと待って下さいよ、このタワマンは面積も大したものです、およそ建造物としてはですが、それに長さに至ってはいまだに私も把握出来ていない程ですよ?。
そのタワマンよりデカイ?そんなバカな話が…。
「カニマツさん、彼の言うことは本当です?」
「……お前は認めたくはないだろうが、恐らく事実だろうな、リヴァイアサンは海竜とも呼ばれる存在、要はドラゴンの系譜なんだよ。その大きさもお前なら想像くらい出来るだろ?」
そっ想像ですか?まぁ多少は出来ますけど……まぁ全長二十メートルくらいですかね?。
「まっ大体は成体で全長四、五百メートルくらいだな」
「ちょっ…………!?」
嫌々いくらその手の不条理がまかり通るファンタジー世界でも、想定の二十倍は無いでしょう。
そんなの死んでしまいますよ、よくそんなのにケンカ売れましたねマーメイドさん達は。その上で珊瑚を……完全に無敵な人の所業ですね。私には真似できませんよ。
そしてあーだこーだと私達がのたまっていると外から声が聞こえました。
「何だ、この搭は?妙な魔力を宿しているな。目障りだ、破壊してやろうか?」
「……………この声は?」
「まっ間違いねぇ……リヴァイアサンだ。あの化け物もう追い付いて来やがった!これじゃあもうこの搭からでなれねぇぞ!?」
私のタワマンは破壊されない仕様です、しかしそのリヴァイアサンのヤバさを散々聞かされた身としては果たしてどこまでメニューの説明を信じればいいのか、流石に不安を覚えます。
わざわざ私に危険を知らせたりせずに自分達だけで逃げれば良かったものをっいや私が見た目子供だから心配しての行動だったのならむしろ私は感謝をするべきですかね?。
ならばここは入居者云々は後回し、そのリヴァイアサンには何とかお引き取りを願いますか。
「私が出ます。誰もこのタワーマンションから出ないで下さい」
「なっ!?何をふざけた事いってんだよ嬢ちゃん!」
私の宣言に他のマーメイドも次々に声を上げます。
「危険過ぎるわよ!」
「バカを言うんじゃない、死ぬぞ!」
「冷静になって!何で君が……」
「ここはワシらが行くべきじゃ、君はまだ若すぎるんじゃから」
「そうよ、ここは大人に任せなさい」
いやっそもそも貴方達が肛門に珊瑚なんて詰めなければそのリヴァイアサンもここまで追って来なかった可能性が高いんですからね?。
「………本気かマリシア」
「はい」
私の頭に乗っているカニマツさんも心配をしてくれているんでしょうか。
「カニマツさんもここに残って……」
「アホ、ここで逃げるくらいなら最初から手を貸したりするか、お前の事だ何かしら勝算くらいあるんだろ?」
「……まぁ希望的観測によりますけどね」
出たとこ勝負なのは本当ですけどね。
私は未だに声を上げるマーメイド一同を無視してタワマンから出ます。
そしてヤバいヤバいとウワサのリヴァイアサンと対面です。
「うわっ…マジででけぇっ……」
そんな本音がポロリと出るくらいデカかったです、カニマツさんの話も決してホラや尾ひれがついただけの話だとは間違っても言えません。
本当に、巨大ですよリヴァイアサン。全長はマジで数百メートル級の超がつく巨漢の持ち主です。見た目は西洋のドラゴンの様な顔に身体はウミヘビとかウツボの様な感じで手や足は見当たりません。
なんかスゴくゴツいウミヘビみたいな姿ですね。毒とか持ってるんでしょうか?。
まずは挨拶からです……。
「こんにちは、私はマリシアと言うものです」
「………は?なんだこの小さいのは。出てくるならせめてもう少しマトモな者が現れろ、それともその搭に逃げ込んだヤツラはこんな子供にワシの相手をさせるつもりか?どれだけマーメイドとは腰抜けな種族なんだ?あ?」
……イラッ。
我慢、我慢ですよね。
此方は既に向こうに何やらとても失礼を働いた後です、向こうの怒りも然り。私だって肛門に何かを詰められたら怒りますからね。
故にここは下手に出て少しでも機嫌を回復、そして冷静になってもらいましょう。
そもそもマーメイドの方々もカニマツさんも勘違いしてますが、私は別にバトりたい訳ではありません。もっとスマートに事が運ぶことが出来るならその方がいいに決まっているじゃないですか。
その為にはまずは此方が謝罪の意思を伝える事からです、………何で無関係の私がっとか思わなくもないです、しかしこのままだと未来の入居者候補が全滅です。それだけは何としても阻止しなければ。
「すみません、お怒りは察します。しかしあの方達は私にとっても大切な(入居者になる予定の)方達ですので、どうかここまでで勘弁して欲しいのですが」
「は?何故ワシが貴様ら小魚に気を使わねばならん?」
「…………」
う~ん、この我の強さはなんとも……。どうやら海竜と言う種族は図体のデカさとプライドの高さが比例する見たいです。
本来ならこの手の相手は構うだけ時間の無駄だから早々に無視をするんですが、ここはそうもいかないので対応します。
「そっそこをどうにかなりませんでしょうか」
「ならんな。ヤツラはワシを怒らせた、一匹残らず皆殺しだ」
こっこれは無理かも知れませんね。
しかしここで全てを諦める訳には行きません、今こそ前世で培った社畜、社会の底辺として日々を理不尽と不条理と共に生きてきた人間の強さを……。
「そもそも何だあの妙な魔力を纏う搭は、まぁどおでもいい、直ぐにその小汚ない搭ごと破壊して生き埋めにしてやろう!その小汚ない搭こどな!」
………………プチん。
「全く、そんな直ぐに倒壊しそうな搭に逃げ込むなど愚かにも程があるぞマーメイドども!このワシの一撃を持ってすればそんなセンスの欠片もないダサい搭など容易く破壊されるのは当然と知れ!」
…………………………プチん、プチん。
ここまで、ですね。
「………上等ですよ、このデカイだけのウミヘビ野郎さんが」
「………何だ?今何か言ったか?」
「ええっこの………図体だけのウネウネと気持ち悪い動きがキモいウミヘビだかウナギだか分からない胴長野郎さんっと言いましたが何か?」
(あ~あっもう俺はし~らね)
この大ウミヘビは私の逆鱗に触れました。
私のタワマン、あの至高の建造物を侮辱したのです。そんな輩とは最早分かり合うなど不可能です。
「はっ!石ころ程に小さなマーメイドのしかも子供がなにをガッ!?」
最後に変な声を上げた理由は簡単です。
私が召喚したタワマンに右頬を思いっきり殴られたんです。ざまぁ~ですね。
「よく聞きなさいウミヘビさん、私のタワマンは至高にして完璧なるタワマンです。その価値を爬虫類だか両生類だがに理解しろとは言いませんが、侮辱すると言うのなら覚悟をしなさい。この世に生まれた事を後悔させてあげますよ?」
「………上等だ、その吐き捨てた言葉。全て後悔させてくれるわ!」
そんな感じで私とウミヘビのマジバトルが始まりました。
***
「消し飛べ!」
言うやいなやリヴァイアサンこと大ウミヘビがバカデカイ口をグパァッて開けました。
間違いなく口から何かしらなバーストを発射すると私はにらみました。
「あまいですよ、タワマンイリュージョン!」
(もしかしてそのセリフ気に入ったのか?)
私の意思に答え、私の目の前にタワマンが出現しました、丁度私と大ウミヘビの間に現れています。当然相手からの必殺の一撃を防ぐ盾として呼んだ次第です。
「そんなものでワシの攻撃を防げるかー!」
吠える大ウミヘビの口から何やら極太の白い光のビームが発射された、やはりだしてきましたね。そしてこれを真正面から受ける我がタワマンです。
出したタワマンは数十メートル級の日本産のタワマンサイズ、対する大ウミヘビのビームだが、その光はタワマンを呑み込む程に大きなものあった。
両者が激突する。
本来なら当たり前の様にタワマンが破壊されると誰しもが考える事でしょう。
………しかし残念でしたね。
「……………っ!?な、まさかっ!」
「私のタワマンは破壊されません!」
光が納まるとそこには傷一つない我がタワマンがあるのみ、大ウミヘビが愕然とします。
その隙、突かせてもらいますよ!。
「ハアァッ!タワマンイリュージョン!」
私は更に五個の魔法陣を出します、当然そこから現れるのはタワマンです。
魔法陣からニュッと出現したタワマンはまるで巨大な槍の様に水中を物凄い勢いで突き進み、あの大ウミヘビの胴体に直撃します。
「グッ!………貴様ぁー!」
思った通りです。
そもそも私のタワマン魔法は攻撃として使うと、どうしても一撃特化のモノになってしまうのです。だから数が多かったり、速すぎる手合にはかなり不利な事になりかねません。
しかしこの図体がとんでもないビックサイズのリヴァイアサンならろくに狙わずともタワマン魔法が当たりまくりなんですよ!。ハッキリ言ってこの大ウミヘビは私のタワマン魔法のサンドバッグとしてここに来たとしか思えません。
と言う訳でバンバンタワマンを出しまくる私です。
「ハァッ!タワマンイリュージョン!」
ブウゥーンっと魔法陣がポンポン出現。
その魔法陣からはボンボンとタワマンがニョッキ。
「ぐうぅっ……!次から次へと!こんなけったいな搭ばかりをだしおってからに……」
また私のタワマンをバカにしましたね。更にタワマンを追加です。
召喚されたタワマンは全て大ウミヘビに突進します、何度かぶち当たる我がタワマン。しかし向こうもただやられる訳はありません、何やらあっちも魔法陣を展開、キラキラと光る魔法陣はそのまま盾よろしく此方のタワマンの突撃を阻みます。
「あのリヴァイアサン魔法を使いましたよ?」
「言葉を理解する知性を持つなら、この世界なら不思議はない。あれはマナシールドだな。魔法と物理的な攻撃を防ぐ能力がある魔法の盾だ、お前のタワーマンションは破壊はされないが、防いだりかわしたりで対処可能だと見抜かれたな」
マジですか、意外と頭が良いですよリヴァイアサン。
「ふんっ!こんな芸のない魔法でこのワシをどうにか出来ると思ったか?あまいわ!」
何やら新たな魔法陣が出現しました、そしてその魔法陣から小さな光が無数に………っいや比較するのがあの大ウミヘビだからそう見えるだけです。あれは、一つ一つが一メートル位はありますね、まさかあれは………。
「くらえぃっ!」
「っ!まずいぞマリシア!あの光球は触れると爆発する範囲攻撃魔法だ!」
「そんな魔法までですか」
正直な話、このマーメイドの身体にそんな大した耐久力が備わっているとは思えません。下手すれば一発即死もありえるかもしれません。
そんな事を考えていると更に光が増えていきます。
「さぁっこれで貴様の逃げ場はない」
「上等ですよ、タワマンの素晴らしさも理解出来ない大ウミヘビごときにが知能で私に勝てるとでも?」
怖いのは当然です、しかしここは引けません。何故ならこの戦いは未来のタワマン入居者達が見ているのですから!。
***
激しさをますマリシアとリヴァイアサンの戦いを見守るマーメイド達、その中の一人に金色の髪を棚引かせる美しいマーメイドの女性がいた。彼女の名はナターシャ、このマーメイドの一部族の族長である。
何故にこの若いナターシャが族長なのかと言うとマーメイドの族長とは単純に腕っぷしが強い者がなるのだ、マリシアが聞けばこの原始人がっ!とツッコミをするであろう。
「ナターシャ族長!一体どうして、どうして助けに行っては行けないんですか!」
「……………」
一人男性マーメイドがナターシャに食って掛かる、先程からマーメイド達はマリシアの言葉なんてなかった様に参戦すべきだと囃し立てたいる。それに対して何故には冷静な態度で話を始めた。
「助ける?バカか貴様らは、あんなレベルの戦いに突っ込めば直ぐに殺られるぞ?」
「しっしかし……」
「この搭に満ちる魔力、間違いなくあの小さなマーメイドから感じるものと同じものだ、分かるか?あのマーメイドは私達の守りにかなりの力を割いているんだ。更にわたし達が勝手な行動をするということは、あのマーメイドの足を更に引っ張る事になるんだぞ?」
「そっ……そんな……」
「まさか本当にこの搭を召喚したっていうのか!?」
「信じられない、どんだけの魔力を持ってるんだよ」
周囲のマーメイドがざわめく中でナターシャは更に話を続ける。
「むしろこれ程の魔力を宿した物体を召喚しておいて更に他の搭を召喚、それを武器として使うなどとんでもないヤツだ、一体あのマーメイドは何者だ?」
「わ、分かりませんよ少なくともうちの集落にはあんな目立つ子はいませんでしたよ?」
(つまり突如として現れたマーメイドが今、私達の為に戦っていると言うのか?そんなバカな話があるのか?)
「どのみちあの魔力、どう考えても異常だ、リヴァイアサンと真正面からやり合おうなんて思考回路もだかな」
「「「……………………………」」」
つい数時間前に全く同じ事をしたリーダーとその部下達である皆が皆、何とも言えない感じになっている。真面目なツラをしているのはナターシャくらいなものだ。
(………あのようなマーメイドに心当たりがあるとすれば、わたし達大海の民の神話に語られる『神海』からの使者くらいなものだが……)
更に激しささを増す両者の戦いを見ながらナターシャは思案するのだった。
***
「タワマン!イリュージョン!」
あの光は厄介です。私が直接触れなくても勝手に互いが触れるとわりと大きく爆発するんですよ、市かもそう言う魔法の仕様なのかここは水中なのに光と衝撃は大したものです。
あれに巻き込まれたら死んでしまいます、そんな光がまさに視界いっぱいに存在しておりジワジワと此方に近付いてきています。
「クックックッどうした?先程までの威勢は?最早万策尽きたか?あの小汚ない搭ではいくら出した所で……」
所で?フーン。
確かにあと数個くらいでは出しても全てを破壊する事は不可能でしょう、モタモタしている間に隙をつかれる可能性が高そうです。しかしそれも考えが甘いですね。
「タワマンイリュージョン!」
「っ………………なっ!?」
私は更に二十以上のタワマンを召喚。その巨体をそのままに光の群れに全て投入します。
当然回りからは爆発が無数に上がります、しかし私自身もまたタワマンを盾にすることで全て爆発から身を守ります。
時間にして一分も掛からず全ての光を駆除しました。
「ぐっ!またその妙な魔法か!」
「はいっ私のタワマン魔法です」
悪いですが、此方はこの魔法一点突破でしか戦うスタイルがありません。バカ正直に教えたりしませんが。
私は信じています、我がタワマンは最強の矛であり無敵の盾であると。
タワマンを統べる私の頭上に勝利は輝くのだと。
「図に乗るなよ小魚があぁーーーっ!」
再び口を開き何とかバーストの構えです。
当然私はタワマンを盾に………。
「………っ!」
「ハハハッ!あの目眩ましに油断したな!」
気がつけば私がさっきから盾にしていたタワマンがあの大ウミヘビの尻尾に捕まっていました。そしてそれ以外のタワマンはあの光の魔法を潰すために私から離れた場所にあります。
そして私と大ウミヘビの距離、かなりの距離があった筈ですですがその距離を一気に縮めにかかりましたよあの大ウミヘビ。
私は距離をとる為に泳ぎます、泳ぐスピードならマーメイドに分がある筈だと逃げまくっていた、あの原始人まがいなマーメイド達が証明してくれています。
「カニマツさん、少し本気で泳ぎますので我慢して下さいね!
「わか……っ!マリシア、後ろだ!」
え?っと思ったのも束の間でした。
背後を見ると、そこにはいつぞやの赤いサメ見たいなモンスターが……。
そしてそのサメが胴体に噛み付かれました、痛いですね。かなり痛いですよ。
「ぐぅあああああああっ!」
思い出したのは昔やったモンスターを狩りまくるゲームです、あれってボスと戦っている時に限って同じフィールドに偶然いた雑魚に攻撃をされてムカつきまくった事を。
「だから甘いのだ、ワシの力を持ってすれば知能が低い下級モンスターなど意のままに操る事くらいわけないわっ!」
どうやらこれも向こうのさしがねらしいですよ、本当に悪知恵が働く相手ですね。
しかし噛み千切られたりはしていません。もしかしたらこの身体、思った以上に頑丈なのかもしれません。
「っ……邪魔です!」
身体をひねりサメの横顔に手刀を繰り出します、メチャクチャ痛いので加減なんてしませんよ。するとどうでしょう、我が手刀がサメの鮫肌を切り裂いてしまいました。
サメは絶命、その口から逃れた私は少しだけ呆然としてしまいました。
「………………これは」
「マリシア!今は気にしてる場合じゃない!」
「!?」
殺気的なものを感じて見ると、あの大ウミヘビが再び口を開いてその口から光が漏れています。
完全に必殺技の構えですね。
両者の距離はかなり近いです、十メートルと言った所でしょうか?盾にしていたタワマンの内側に回り込まれてしまいました。さらにタワマンはあの長い胴体にホールドされていて私の意思でも動かせません。
そしてこの近距離では以前のサメ同様にタワマンを出せば此方も巻き込まれるだけと言う。
「……これは、詰みましたね」
「消えろ!《タイダリックバースト》!」
そう言えばあの狩りまくるゲームで雑魚に邪魔されると、その後は決まってボスからの追撃でゲームオーバーになってましたっけ……。
リヴァイアサンの口から光の奔流がブッ放されました。
当然私とカニマツさんは一瞬で光に呑み込まれます、その時頭を駆け回るのは走馬灯みたいな何かです。
これは死にましたね。
こちとら転生して数日しか経ってないのに。
敗因がサメとは。
棚に積まれたお菓子、全部食べとけばよかったですね。
…………………。
………………………はぁっこんな所でとか、ふざけないで下さいよ。
「…………………………」
「………………………………………」
「………………………………………………………ん?」
アレッ?おかしいですね。あんなの喰らったら即死かと思いましたが、この身にはいまだに何の衝撃も来ませんよ?。
その時、私の疑問に応えたのは。
「いつまで目をつぶってるんだ?……マリシア」
「かっカニマツさん!?」
見ると私の前方には青い膜のようなものが発生していました、なんとそれがあのリヴァイアサンの攻撃を防いでいます。
「これが俺が貰った転生特典!『魔力殻』だ!俺が守り徹すれば、どんな物理攻撃も魔法も効かねぇんだよ!カニの防御力ナメんな!」
………なんか少しだけカッコいいですね、ムカつく。サワガニのくせにって感じでしまう素直な私です。
「マリシアー!そろそろあのリヴァイアサンの攻撃が途切れる、その時に何か反撃とかしてさっさと決めろよ!。俺は守ることしか出来ねぇからな!」
「…………」
まさかカニマツさんに救われる日がくるとは。人生ッイヤマーメイド生は何が起こるか分かりませんね。
「はいっ!次で決めますよ!」
やがて光は消えました。
そしてあの大ウミヘビが見るのは無事な私達です。当然冷静ではいられません。
「なっ!?バッ…そんなバカな!?」
動揺しまくりです。
隙だらけですね。
此方の体制は万全である、決めに行きます。
「タワマン!イリュージョン!」
私のタワマン魔法が炸裂します。
現れたのは四つの魔法陣、その中からタワマンが出現しました。但し今回は少しだけ小細工をしました、魔法陣は大ウミヘビの頭を前後左右で囲う様に展開されました。そして現れたタワマンはあの大ウミヘビの頭を前後左右からガッチリとロックする形になります。
「なっがっ!………グウゥッ!これはっ!」
「……まだです」
私は同じように、今度は尻尾の方をタワマンロックしました。
そして………。
「そいやぁあああああああ!」
「なっなななななななななななななななっ!?」
私はタワマンをニョッキさせている魔法陣を操作してとてつもなく長い大ウミヘビをビヨョーンっと伸ばします。
これで身体をウネウネとして邪魔をする事は出来ませんよ?。
「こっこんなもの!クソックソッ!何故ワシの力でびくともしないのだ!この塔は何だ!?」
「タワマンはタワマンです。至高の建造物にして絶対なる勝ち組の証ですよ」
「ふざけるなぁあああああ!」
何やら大ウミヘビがやいのやいのうるさいですね、しかし私は無視して決めますよ。
「ハアァァッ!タワマン!イリュージョョョョョョョョョョョョョョン!」
更に私は魔法陣を出します。その数は何と三桁に届きそうな感じです。
そのとんでもない数の魔法陣がその照準をあのリヴァイアサンの伸びきった胴体に向けているのです。
「きっ……貴様、まっ待てー」
「タワマン!フルバーーーーーースト!」
魔法陣からタワマンが発射されます。伸びまくるその建造物はテッペンを大ウミヘビに突撃させます。
しかしそれは半数です、残りの半数は少しだけタワマンをニョッキさせて待機です。それらは発射された半数が大ウミヘビにダメージを与えた後に魔法陣に引っ込むタイミングに合わせて発射されます。
私もそれに合わせて両手をグーにして連続パンチをします、意味はありません何となくです。
つまりはボクサーのラッシュです、タワマンのガトリングです。
発射されては引っ込み、発射されては引っ込み、それを動けないリヴァイアサンに何度も繰り返します。
遠慮はしませんよ、我がタワマンを侮辱した報いを受けるのです。
「ターーワタワタワタワタワタワタワタワタワタワタワタワタワタワタワタワタワタワタワタワ!」
「グッグググッ!この程度の攻撃でガッ!?」
私には大好きな言葉が3つあります。
「タワタワタワタワタワタワタワタワタワ!」
「ガッグッ……ガハッ!」
それは権利収入。
「タワタワタワタワタワタワタワタワタワ!」
「ヤッ……ヤメ…テク………!」
それは不労収入。
「タワタワタワタワタワタワタワタワタワ!」
「ユッユ……ルシ……………………テ……」
そしてぇっ!家賃収入だああああああああああああああああああああああ!。
「タワタワタワタワタワタワタワタワタワ!タッワーーーーーーッ!」
貴方にも言い分があるのは理解してます、しかし未来の入居者を守る為に、ここは譲れないのですよ!。
最後は全てのタワマンを同時に発射します。
あの大ウミヘビの巨体に並ぶ程に巨大な一本の槍にでもなった様にタワマンはリヴァイアサンの身体を海の果てにでも運んで行くかの様にものすごい勢いで伸びて伸びて伸びまくっています。
やがてリヴァイアサンの巨体が海底の向こうにに消えていきました。
「完全勝利です」
「ああっそうだな」
(タワタワッてまさか……いやっもういいか)
***
リヴァイアサンを撃退した私達です。
その下半身を魚類から人間のものに変化させてそのまま上のリーマンスーツに合わせたものに下も変えます、変身の能力って便利ですよね。
そして履き物は先がとんがり気味の革靴です、色は黒でツヤツヤのヤツです、それをカツカツとならしながら進みます。タワマンの入り口付近は砂でした、足がとられて進みにくかったです。
一方のマーメイド達はまさに勝利の凱旋よろしくタワマンの広~いエントランスとそこに続くエントランスゲートには左右に割れたマーメイド達の列が並んでいます。
その真ん中を進む私とカニマツさんです、そして届く声は私達を讃えるようなものばかりですよ。
「スゴいッ!本当にあのリヴァイアサンを倒すなんて!」
「とんでもねぇ嬢ちゃんだなっ!」
「一体何者なの?」
「神の使いじゃあぁ~」
「きっ綺麗だった……」
「…………そう?そこまではなかったんじゃない?」
「あんな魔法見たことない、スゲェッ!」
「凄まじい魔法だったわね……」
フフフフッ前世では一度として浴びる事が無かった称賛の嵐です、気分が良いですね。
ん?列の後ろの方にいる少年マーメイドがまた視線を向けていますね、……また此方が見たら目をそらされました。なんなんでしょうか。
しばしマーメイド達からの称賛を受けて勇者にでもなったかの様な私とカニマツさんです、そこに一人の女性が現れました。
「いやはや畏れ入った。まさかあの強大なリヴァイアサンを真正面から打ち破る様なマーメイドがいるとはな!」
何やら演技がかったセリフを話す方ですね、金髪碧眼のスタイル抜群の美女です。何と言うかアメリカンな感じの美女ですよ見た目は。
「すみません、貴女は誰ですか?私の名はマリシアといいます、そして頭の蟹はカニマツさんです」
「私はナターシャ、このマーメイド達を束ねる族長だ、今回の事、一族を代表して礼を言わせてほしい」
成る程、族長のナターシャさんですか、この文明レベルが原始な方々の中にあっては見た目はかなり人間寄りですね、服装こそ村人が着ている布の服ですが、見た目がゴージャスなのでショボい仮装に見えますね、もっと貴族っぽい服が似合いまくるでしょうに………。
「どういたしまして、そちらのマーメイドの方々に被害などはありませんでしたか?」
「ああっ此方には幸い一人の死傷者も出ていない、マリシアがあのリヴァイアサンを撃退してくれたお陰だ」
どうやらあのリヴァイアサンにしたイタズラまがいの行動でも殺られたマーメイドはいない様で良かったです。
「そっそれで何だが……」
「はいっ何ですか?」
「実は我々は住みかとしていた珊瑚礁の洞窟をあのリヴァイアサンに破壊されてな……」
「ああっ確かに、そんな話も聞きましたね」
………あの大ウミヘビ、そこだけはイイ仕事をしてくれましたね。
(………コイツ、悪い顔してやがるなぁ)
「それなら、このタワーマンションを自由に使ってくれて構いませんよ?」
「ほっ本当か!?」
「はいっ個室の数も三桁くらいは余裕でしょうし、他にも住む場所困っているマーメイドや他の種族の方がいるのなら紹介してくれればここに住んでも構いませんから。ああっそれと食事などについてはレストランっと言うものがありますから………」
自然な形でタワマンの良いところをアピール、更に狩りとかしないでも食事が出来る強みも説明します言葉だけだと難しい所もありますがそれはその都度説明と補足をすれば問題ないでしょう。
そしてある程度の説明が終わった所でナターシャさんから声が掛かる。
「……すっ素晴らしいな、この塔は。つまりここに居れば狩りも必要なく外敵に警戒する必要もないと言うのか?」
「はいっ!その通りです!」
(ものの良いところだけしか話さない、コイツはろくでもない営業になるタイプだな……)
「しかしこれだけの塔だ、さぞかし名のある建造物なのだろうな」
「……名前?」
ありませんよそんなもの、強いて言うならタワマンです。
私のタワマンですね、あるいはマリシアタワーとかですか?……っいえこう言うのはもっとこう、何かカッコいいヤツとかファンタジーなヤツとか………あっ。
「そうです、この搭には名前があります、その名は『バベル』。この塔はバベルの塔何ですよ!」
「バッバベル……!何とも荘厳な気配がする名前だ……」
「そうでしょうそうでしょう、バベルとは聖域なんです、そこに足を踏み入れる事が許されるのはほんの一握りの者達のみ、それに貴方達は選ばれたのですよ……」
そうっタワマンとはまさに聖域、前世で私は日本のタワマンにすら踏み入れる資格を持つことはありませんでした。遠くから見るのみで決してその敷地に足を踏み入れる事は叶わず、何もかもが遠い別世界の存在でした。そこには目に見えない壁があるのです、負け組には決して越えることが出来……いやっやめましょう、全ては過去のお話です。
私の語りに他のマーメイドは興奮しています。
「オォオオオオオォオオオオオ!」
「バベル……」
「「バベル!」」
「「「バベル!」」」
(………バベルって、確かゲームとかだと神様の怒りを買って破壊された搭だとか。マジもんの聖書とかだと人間が建設途中で神様の邪魔が入って結局は完成しなかった塔の名前だよな。どのみち建造物につける名前じゃねぇよ、縁起でもない……)
何故かマーメイドの方々がバベルを連呼し始めました、少し怖いのでやめてほしいですね。
カニマツさんは私を残念な者を見る視線を放っている様に感じるのは何故でしょうか。
っあそれと最も大事な話がまだでした。
そうっ家賃についてです。
リヴァイアサンなんて相手にしたのも全ては彼等に恩を売り、入居者になってもらい家賃収入をゲットする為に他なりません。
家賃収入、最高ではないですか。
早速私はナターシャさんに話掛けます。
「ナターシャさん、それともう一つ言っておかなければならない事が、実はこのバベルに住むには家賃を払っもらわなければいけなくてですね」
「ヤチン?それは何だ?」
「…………」
………おっ落ち着くんです私、彼らは長い事洞窟に住むとか原始的な生活をしてきたのですから家賃を知らなくても仕方はありません、ここは丁寧に説明を……。
「家賃と言うのは月々にタワマンのオーナーである私に支払うお金ですね、皆さんに生活していただくにも先立つものは必要でして」
本当は1円もかかってなんかいません、しかしマーメイドの方々もタダでこの素晴らしいタワマン住むなど、流石に心が痛むでしょう。嘘も方便とはよく言ったものですね。
そんな事を考えていた時です。
「うん?オカネとは何だ?」
「……………」
「……………」
…………………………………………え?。
今っ信じられない言葉を聞いた様な?。
私とカニマツさんは無言です、しかしマーメイドの方々は違います。
「族長!このバベルって塔の中なら俺達もテレポート出来るって本当なのか!?」
「ああっそうだ、てお前らみんな何処に転移をしている!?ずるいぞ私も……!」
「レストラン!」
「レストランよね!」
「「「レストラン!」」」
「まっ待て、私も行くぞっ!」
次々と転移するマーメイド達です。
ナターシャさんも此方を見て話します。
「マリシア、本当にありがとうこの恩は必ず返すからな!」
ブロンド美女はそんな言葉を残して転移して行きました。恩は今すぐ返せるんですよ?。
そしてマーメイド達は全てレストランに転移して行きました。
誰も居なくなりました。
「…………まさか、いくら海の深い所にいるからって……」
「おっおそらく人間をはじめとした地上で生活する種族との交流が全くないのだろうな、だから………奴等には『通貨』と言う文化が……」
「…………」
そんな……バカな事が……それじゃあマジで原始人ではないですか……。
はっははは……はははははは。
私とカニマツさん以外が消えたエントランスにて私は………。
「ひ」
「ひ?」
「ひひひひひっ……ヒギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
バッターーーン!。
「まっマリシア!?おいっしっかりしろ!」
入居者を集める為に自分なりに努力をしてきたマリシアである、そしてリヴァイアサンとの命懸けの死闘を乗り越え、得たものは………無家賃入居者が数十人であった。
その事実に、マリシアの精神は崩壊した。奇声を上げ仰向けにぶっ倒れた幼女マーメイドは白目をむいて口から泡を吹き始めている。
そんな哀れ極まる姿にカニマツはハサミを器用に合わせて合掌するのであった。
チーン。
するとゾロゾロと訝しげな様子でマーメイド達が入って来ました、本来なら彼ら彼女ら見たいな原し……文明人には程遠い種族の者がこの至高の建造物に入ること等あり得ないのですが、これも入居者確保の為に……じゃありません、とんでもない化け物と評判のリヴァイアサンに関する情報を得るためです。
場所は我がタワマンのエントランスに約五十名弱のマーメイドと私、そしてカニマツさんと言う顔ぶれです。
私は話を聞こうと最初に許可を出したおじさんマーメイドに話をふります。ちなみにこのマーメイドが私のタワマンを気持ち悪いとか抜かしたので私の神聖なるグーパンが炸裂し、おじさんマーメイドを一回黙らせましてからの会話再開です。
「それでそのリヴァイアサンと言うモンスターからあなた方達は逃げて来たと言う訳ですか?」
「あっ……ああそうだ、と言うのもな……」
そして話を聞きます。
その内容ですが何でも最初は些細な行方不明者の捜索だったそうです、しかしマーメイドな彼らは周囲のモンスターを警戒して集落の男達ほぼ全員で事にあたったそうです。
そこまでは良かったのですが肝心の行方不明者の捜索は一向に進まなかった見たいですよ、そこで別の離れた海域から強力なモンスターでもはぐれて来てそれに殺られたのではとなり大物のモンスターと探索と行方不明者の捜索に別れてそれぞれが活動した結果……。
「そのリヴァイアサンがマーメイドを狩っていた訳ですか?」
「いやっそれは違う。あの化け物は物凄い速さで海底を移動するんだが、その時に生まれる急な海流に巻き込まれて気絶して怪我をしていたってのが真相だった。それに勘づいた俺たちはアイツが通った跡を探して行方不明者を全て回収したんだ」
「ふぅん?ならもう問題は解決してる訳ですか?後はそのリヴァイアサンと言うモンスターは近付かなければ危険はないと?」
「とんでもない!あの化け物は俺達が寝床にしている珊瑚礁の洞窟をぶっ壊して行きやがったんだ!アレは絶対に分かっていてやりやがったな、間違いねぇよ」
何か決めつけで言ってませんか?大丈夫何ですかこのマーメイドさん達は。
「そして珊瑚礁の洞窟を破壊されてブチキレた族長が集落のマーメイドを引き連れてそのリヴァイアサンに決戦を挑んだんだよ!」
「……………」
「……………」
何でそんなヤバいのに寝床を奪われただけで戦いを挑めるのでしょうか?まるで大きなマンモスに集団で狩りをする原始人の様な生態に軽く呆れる私です。
「けどっリヴァイアサンはマジで凄すぎてな、まるで歯が立たなかった。死人こそでなかったがボロ負けした俺達はリヴァイアサンの肛門に珊瑚の塊を詰める事で一子報いた事にして、全力で逃げて来たのさ!流石のリヴァイアサンもかなり怒らせてやったぞ!」
………は?肛門に?珊瑚を詰めた?何を言ってんですかこのアホマーメイドは。
(……マーメイドって種族全体がもしかしてアホなのか?)
おじさんマーメイドを呆れた目で見るマリシア、しかしカニマツは双方を哀れなモノとして見る視線を送っている事にマリシアは気付かない。
「それで?怒らせた結果どうなったんです?」
「もちろん後は全力で逃げている最中だ!嬢ちゃんも早く逃げないと危ないぞ、今のヤツはマーメイドなら手当たり次第にぶっ殺すって感じだったからな」
それはアンタらが……ハァッやめましょう。不毛なやり取りをしている暇はありませんよ全く。
「それでしたらしばらくこのタワーマンションに避難してください、ここなら安全ですから」
「いっ嫌々お嬢ちゃん。確かにこの搭は大したデカさだぜ?けどな……」
何ですか?また私のグーパンを食らいたいんですか?このおじさんマーメイドは。
そもそもずっと気になってたんですが、マーメイドに野郎とかおかしくないですか?マーメイドですよ?人魚ですよ?野郎なんて不要ですよ不要。
「けどっ何ですか?」
「リヴァイアサンはもっとデカイんだよ!」
「……………………ハァッ?」
ちょっと待って下さいよ、このタワマンは面積も大したものです、およそ建造物としてはですが、それに長さに至ってはいまだに私も把握出来ていない程ですよ?。
そのタワマンよりデカイ?そんなバカな話が…。
「カニマツさん、彼の言うことは本当です?」
「……お前は認めたくはないだろうが、恐らく事実だろうな、リヴァイアサンは海竜とも呼ばれる存在、要はドラゴンの系譜なんだよ。その大きさもお前なら想像くらい出来るだろ?」
そっ想像ですか?まぁ多少は出来ますけど……まぁ全長二十メートルくらいですかね?。
「まっ大体は成体で全長四、五百メートルくらいだな」
「ちょっ…………!?」
嫌々いくらその手の不条理がまかり通るファンタジー世界でも、想定の二十倍は無いでしょう。
そんなの死んでしまいますよ、よくそんなのにケンカ売れましたねマーメイドさん達は。その上で珊瑚を……完全に無敵な人の所業ですね。私には真似できませんよ。
そしてあーだこーだと私達がのたまっていると外から声が聞こえました。
「何だ、この搭は?妙な魔力を宿しているな。目障りだ、破壊してやろうか?」
「……………この声は?」
「まっ間違いねぇ……リヴァイアサンだ。あの化け物もう追い付いて来やがった!これじゃあもうこの搭からでなれねぇぞ!?」
私のタワマンは破壊されない仕様です、しかしそのリヴァイアサンのヤバさを散々聞かされた身としては果たしてどこまでメニューの説明を信じればいいのか、流石に不安を覚えます。
わざわざ私に危険を知らせたりせずに自分達だけで逃げれば良かったものをっいや私が見た目子供だから心配しての行動だったのならむしろ私は感謝をするべきですかね?。
ならばここは入居者云々は後回し、そのリヴァイアサンには何とかお引き取りを願いますか。
「私が出ます。誰もこのタワーマンションから出ないで下さい」
「なっ!?何をふざけた事いってんだよ嬢ちゃん!」
私の宣言に他のマーメイドも次々に声を上げます。
「危険過ぎるわよ!」
「バカを言うんじゃない、死ぬぞ!」
「冷静になって!何で君が……」
「ここはワシらが行くべきじゃ、君はまだ若すぎるんじゃから」
「そうよ、ここは大人に任せなさい」
いやっそもそも貴方達が肛門に珊瑚なんて詰めなければそのリヴァイアサンもここまで追って来なかった可能性が高いんですからね?。
「………本気かマリシア」
「はい」
私の頭に乗っているカニマツさんも心配をしてくれているんでしょうか。
「カニマツさんもここに残って……」
「アホ、ここで逃げるくらいなら最初から手を貸したりするか、お前の事だ何かしら勝算くらいあるんだろ?」
「……まぁ希望的観測によりますけどね」
出たとこ勝負なのは本当ですけどね。
私は未だに声を上げるマーメイド一同を無視してタワマンから出ます。
そしてヤバいヤバいとウワサのリヴァイアサンと対面です。
「うわっ…マジででけぇっ……」
そんな本音がポロリと出るくらいデカかったです、カニマツさんの話も決してホラや尾ひれがついただけの話だとは間違っても言えません。
本当に、巨大ですよリヴァイアサン。全長はマジで数百メートル級の超がつく巨漢の持ち主です。見た目は西洋のドラゴンの様な顔に身体はウミヘビとかウツボの様な感じで手や足は見当たりません。
なんかスゴくゴツいウミヘビみたいな姿ですね。毒とか持ってるんでしょうか?。
まずは挨拶からです……。
「こんにちは、私はマリシアと言うものです」
「………は?なんだこの小さいのは。出てくるならせめてもう少しマトモな者が現れろ、それともその搭に逃げ込んだヤツラはこんな子供にワシの相手をさせるつもりか?どれだけマーメイドとは腰抜けな種族なんだ?あ?」
……イラッ。
我慢、我慢ですよね。
此方は既に向こうに何やらとても失礼を働いた後です、向こうの怒りも然り。私だって肛門に何かを詰められたら怒りますからね。
故にここは下手に出て少しでも機嫌を回復、そして冷静になってもらいましょう。
そもそもマーメイドの方々もカニマツさんも勘違いしてますが、私は別にバトりたい訳ではありません。もっとスマートに事が運ぶことが出来るならその方がいいに決まっているじゃないですか。
その為にはまずは此方が謝罪の意思を伝える事からです、………何で無関係の私がっとか思わなくもないです、しかしこのままだと未来の入居者候補が全滅です。それだけは何としても阻止しなければ。
「すみません、お怒りは察します。しかしあの方達は私にとっても大切な(入居者になる予定の)方達ですので、どうかここまでで勘弁して欲しいのですが」
「は?何故ワシが貴様ら小魚に気を使わねばならん?」
「…………」
う~ん、この我の強さはなんとも……。どうやら海竜と言う種族は図体のデカさとプライドの高さが比例する見たいです。
本来ならこの手の相手は構うだけ時間の無駄だから早々に無視をするんですが、ここはそうもいかないので対応します。
「そっそこをどうにかなりませんでしょうか」
「ならんな。ヤツラはワシを怒らせた、一匹残らず皆殺しだ」
こっこれは無理かも知れませんね。
しかしここで全てを諦める訳には行きません、今こそ前世で培った社畜、社会の底辺として日々を理不尽と不条理と共に生きてきた人間の強さを……。
「そもそも何だあの妙な魔力を纏う搭は、まぁどおでもいい、直ぐにその小汚ない搭ごと破壊して生き埋めにしてやろう!その小汚ない搭こどな!」
………………プチん。
「全く、そんな直ぐに倒壊しそうな搭に逃げ込むなど愚かにも程があるぞマーメイドども!このワシの一撃を持ってすればそんなセンスの欠片もないダサい搭など容易く破壊されるのは当然と知れ!」
…………………………プチん、プチん。
ここまで、ですね。
「………上等ですよ、このデカイだけのウミヘビ野郎さんが」
「………何だ?今何か言ったか?」
「ええっこの………図体だけのウネウネと気持ち悪い動きがキモいウミヘビだかウナギだか分からない胴長野郎さんっと言いましたが何か?」
(あ~あっもう俺はし~らね)
この大ウミヘビは私の逆鱗に触れました。
私のタワマン、あの至高の建造物を侮辱したのです。そんな輩とは最早分かり合うなど不可能です。
「はっ!石ころ程に小さなマーメイドのしかも子供がなにをガッ!?」
最後に変な声を上げた理由は簡単です。
私が召喚したタワマンに右頬を思いっきり殴られたんです。ざまぁ~ですね。
「よく聞きなさいウミヘビさん、私のタワマンは至高にして完璧なるタワマンです。その価値を爬虫類だか両生類だがに理解しろとは言いませんが、侮辱すると言うのなら覚悟をしなさい。この世に生まれた事を後悔させてあげますよ?」
「………上等だ、その吐き捨てた言葉。全て後悔させてくれるわ!」
そんな感じで私とウミヘビのマジバトルが始まりました。
***
「消し飛べ!」
言うやいなやリヴァイアサンこと大ウミヘビがバカデカイ口をグパァッて開けました。
間違いなく口から何かしらなバーストを発射すると私はにらみました。
「あまいですよ、タワマンイリュージョン!」
(もしかしてそのセリフ気に入ったのか?)
私の意思に答え、私の目の前にタワマンが出現しました、丁度私と大ウミヘビの間に現れています。当然相手からの必殺の一撃を防ぐ盾として呼んだ次第です。
「そんなものでワシの攻撃を防げるかー!」
吠える大ウミヘビの口から何やら極太の白い光のビームが発射された、やはりだしてきましたね。そしてこれを真正面から受ける我がタワマンです。
出したタワマンは数十メートル級の日本産のタワマンサイズ、対する大ウミヘビのビームだが、その光はタワマンを呑み込む程に大きなものあった。
両者が激突する。
本来なら当たり前の様にタワマンが破壊されると誰しもが考える事でしょう。
………しかし残念でしたね。
「……………っ!?な、まさかっ!」
「私のタワマンは破壊されません!」
光が納まるとそこには傷一つない我がタワマンがあるのみ、大ウミヘビが愕然とします。
その隙、突かせてもらいますよ!。
「ハアァッ!タワマンイリュージョン!」
私は更に五個の魔法陣を出します、当然そこから現れるのはタワマンです。
魔法陣からニュッと出現したタワマンはまるで巨大な槍の様に水中を物凄い勢いで突き進み、あの大ウミヘビの胴体に直撃します。
「グッ!………貴様ぁー!」
思った通りです。
そもそも私のタワマン魔法は攻撃として使うと、どうしても一撃特化のモノになってしまうのです。だから数が多かったり、速すぎる手合にはかなり不利な事になりかねません。
しかしこの図体がとんでもないビックサイズのリヴァイアサンならろくに狙わずともタワマン魔法が当たりまくりなんですよ!。ハッキリ言ってこの大ウミヘビは私のタワマン魔法のサンドバッグとしてここに来たとしか思えません。
と言う訳でバンバンタワマンを出しまくる私です。
「ハァッ!タワマンイリュージョン!」
ブウゥーンっと魔法陣がポンポン出現。
その魔法陣からはボンボンとタワマンがニョッキ。
「ぐうぅっ……!次から次へと!こんなけったいな搭ばかりをだしおってからに……」
また私のタワマンをバカにしましたね。更にタワマンを追加です。
召喚されたタワマンは全て大ウミヘビに突進します、何度かぶち当たる我がタワマン。しかし向こうもただやられる訳はありません、何やらあっちも魔法陣を展開、キラキラと光る魔法陣はそのまま盾よろしく此方のタワマンの突撃を阻みます。
「あのリヴァイアサン魔法を使いましたよ?」
「言葉を理解する知性を持つなら、この世界なら不思議はない。あれはマナシールドだな。魔法と物理的な攻撃を防ぐ能力がある魔法の盾だ、お前のタワーマンションは破壊はされないが、防いだりかわしたりで対処可能だと見抜かれたな」
マジですか、意外と頭が良いですよリヴァイアサン。
「ふんっ!こんな芸のない魔法でこのワシをどうにか出来ると思ったか?あまいわ!」
何やら新たな魔法陣が出現しました、そしてその魔法陣から小さな光が無数に………っいや比較するのがあの大ウミヘビだからそう見えるだけです。あれは、一つ一つが一メートル位はありますね、まさかあれは………。
「くらえぃっ!」
「っ!まずいぞマリシア!あの光球は触れると爆発する範囲攻撃魔法だ!」
「そんな魔法までですか」
正直な話、このマーメイドの身体にそんな大した耐久力が備わっているとは思えません。下手すれば一発即死もありえるかもしれません。
そんな事を考えていると更に光が増えていきます。
「さぁっこれで貴様の逃げ場はない」
「上等ですよ、タワマンの素晴らしさも理解出来ない大ウミヘビごときにが知能で私に勝てるとでも?」
怖いのは当然です、しかしここは引けません。何故ならこの戦いは未来のタワマン入居者達が見ているのですから!。
***
激しさをますマリシアとリヴァイアサンの戦いを見守るマーメイド達、その中の一人に金色の髪を棚引かせる美しいマーメイドの女性がいた。彼女の名はナターシャ、このマーメイドの一部族の族長である。
何故にこの若いナターシャが族長なのかと言うとマーメイドの族長とは単純に腕っぷしが強い者がなるのだ、マリシアが聞けばこの原始人がっ!とツッコミをするであろう。
「ナターシャ族長!一体どうして、どうして助けに行っては行けないんですか!」
「……………」
一人男性マーメイドがナターシャに食って掛かる、先程からマーメイド達はマリシアの言葉なんてなかった様に参戦すべきだと囃し立てたいる。それに対して何故には冷静な態度で話を始めた。
「助ける?バカか貴様らは、あんなレベルの戦いに突っ込めば直ぐに殺られるぞ?」
「しっしかし……」
「この搭に満ちる魔力、間違いなくあの小さなマーメイドから感じるものと同じものだ、分かるか?あのマーメイドは私達の守りにかなりの力を割いているんだ。更にわたし達が勝手な行動をするということは、あのマーメイドの足を更に引っ張る事になるんだぞ?」
「そっ……そんな……」
「まさか本当にこの搭を召喚したっていうのか!?」
「信じられない、どんだけの魔力を持ってるんだよ」
周囲のマーメイドがざわめく中でナターシャは更に話を続ける。
「むしろこれ程の魔力を宿した物体を召喚しておいて更に他の搭を召喚、それを武器として使うなどとんでもないヤツだ、一体あのマーメイドは何者だ?」
「わ、分かりませんよ少なくともうちの集落にはあんな目立つ子はいませんでしたよ?」
(つまり突如として現れたマーメイドが今、私達の為に戦っていると言うのか?そんなバカな話があるのか?)
「どのみちあの魔力、どう考えても異常だ、リヴァイアサンと真正面からやり合おうなんて思考回路もだかな」
「「「……………………………」」」
つい数時間前に全く同じ事をしたリーダーとその部下達である皆が皆、何とも言えない感じになっている。真面目なツラをしているのはナターシャくらいなものだ。
(………あのようなマーメイドに心当たりがあるとすれば、わたし達大海の民の神話に語られる『神海』からの使者くらいなものだが……)
更に激しささを増す両者の戦いを見ながらナターシャは思案するのだった。
***
「タワマン!イリュージョン!」
あの光は厄介です。私が直接触れなくても勝手に互いが触れるとわりと大きく爆発するんですよ、市かもそう言う魔法の仕様なのかここは水中なのに光と衝撃は大したものです。
あれに巻き込まれたら死んでしまいます、そんな光がまさに視界いっぱいに存在しておりジワジワと此方に近付いてきています。
「クックックッどうした?先程までの威勢は?最早万策尽きたか?あの小汚ない搭ではいくら出した所で……」
所で?フーン。
確かにあと数個くらいでは出しても全てを破壊する事は不可能でしょう、モタモタしている間に隙をつかれる可能性が高そうです。しかしそれも考えが甘いですね。
「タワマンイリュージョン!」
「っ………………なっ!?」
私は更に二十以上のタワマンを召喚。その巨体をそのままに光の群れに全て投入します。
当然回りからは爆発が無数に上がります、しかし私自身もまたタワマンを盾にすることで全て爆発から身を守ります。
時間にして一分も掛からず全ての光を駆除しました。
「ぐっ!またその妙な魔法か!」
「はいっ私のタワマン魔法です」
悪いですが、此方はこの魔法一点突破でしか戦うスタイルがありません。バカ正直に教えたりしませんが。
私は信じています、我がタワマンは最強の矛であり無敵の盾であると。
タワマンを統べる私の頭上に勝利は輝くのだと。
「図に乗るなよ小魚があぁーーーっ!」
再び口を開き何とかバーストの構えです。
当然私はタワマンを盾に………。
「………っ!」
「ハハハッ!あの目眩ましに油断したな!」
気がつけば私がさっきから盾にしていたタワマンがあの大ウミヘビの尻尾に捕まっていました。そしてそれ以外のタワマンはあの光の魔法を潰すために私から離れた場所にあります。
そして私と大ウミヘビの距離、かなりの距離があった筈ですですがその距離を一気に縮めにかかりましたよあの大ウミヘビ。
私は距離をとる為に泳ぎます、泳ぐスピードならマーメイドに分がある筈だと逃げまくっていた、あの原始人まがいなマーメイド達が証明してくれています。
「カニマツさん、少し本気で泳ぎますので我慢して下さいね!
「わか……っ!マリシア、後ろだ!」
え?っと思ったのも束の間でした。
背後を見ると、そこにはいつぞやの赤いサメ見たいなモンスターが……。
そしてそのサメが胴体に噛み付かれました、痛いですね。かなり痛いですよ。
「ぐぅあああああああっ!」
思い出したのは昔やったモンスターを狩りまくるゲームです、あれってボスと戦っている時に限って同じフィールドに偶然いた雑魚に攻撃をされてムカつきまくった事を。
「だから甘いのだ、ワシの力を持ってすれば知能が低い下級モンスターなど意のままに操る事くらいわけないわっ!」
どうやらこれも向こうのさしがねらしいですよ、本当に悪知恵が働く相手ですね。
しかし噛み千切られたりはしていません。もしかしたらこの身体、思った以上に頑丈なのかもしれません。
「っ……邪魔です!」
身体をひねりサメの横顔に手刀を繰り出します、メチャクチャ痛いので加減なんてしませんよ。するとどうでしょう、我が手刀がサメの鮫肌を切り裂いてしまいました。
サメは絶命、その口から逃れた私は少しだけ呆然としてしまいました。
「………………これは」
「マリシア!今は気にしてる場合じゃない!」
「!?」
殺気的なものを感じて見ると、あの大ウミヘビが再び口を開いてその口から光が漏れています。
完全に必殺技の構えですね。
両者の距離はかなり近いです、十メートルと言った所でしょうか?盾にしていたタワマンの内側に回り込まれてしまいました。さらにタワマンはあの長い胴体にホールドされていて私の意思でも動かせません。
そしてこの近距離では以前のサメ同様にタワマンを出せば此方も巻き込まれるだけと言う。
「……これは、詰みましたね」
「消えろ!《タイダリックバースト》!」
そう言えばあの狩りまくるゲームで雑魚に邪魔されると、その後は決まってボスからの追撃でゲームオーバーになってましたっけ……。
リヴァイアサンの口から光の奔流がブッ放されました。
当然私とカニマツさんは一瞬で光に呑み込まれます、その時頭を駆け回るのは走馬灯みたいな何かです。
これは死にましたね。
こちとら転生して数日しか経ってないのに。
敗因がサメとは。
棚に積まれたお菓子、全部食べとけばよかったですね。
…………………。
………………………はぁっこんな所でとか、ふざけないで下さいよ。
「…………………………」
「………………………………………」
「………………………………………………………ん?」
アレッ?おかしいですね。あんなの喰らったら即死かと思いましたが、この身にはいまだに何の衝撃も来ませんよ?。
その時、私の疑問に応えたのは。
「いつまで目をつぶってるんだ?……マリシア」
「かっカニマツさん!?」
見ると私の前方には青い膜のようなものが発生していました、なんとそれがあのリヴァイアサンの攻撃を防いでいます。
「これが俺が貰った転生特典!『魔力殻』だ!俺が守り徹すれば、どんな物理攻撃も魔法も効かねぇんだよ!カニの防御力ナメんな!」
………なんか少しだけカッコいいですね、ムカつく。サワガニのくせにって感じでしまう素直な私です。
「マリシアー!そろそろあのリヴァイアサンの攻撃が途切れる、その時に何か反撃とかしてさっさと決めろよ!。俺は守ることしか出来ねぇからな!」
「…………」
まさかカニマツさんに救われる日がくるとは。人生ッイヤマーメイド生は何が起こるか分かりませんね。
「はいっ!次で決めますよ!」
やがて光は消えました。
そしてあの大ウミヘビが見るのは無事な私達です。当然冷静ではいられません。
「なっ!?バッ…そんなバカな!?」
動揺しまくりです。
隙だらけですね。
此方の体制は万全である、決めに行きます。
「タワマン!イリュージョン!」
私のタワマン魔法が炸裂します。
現れたのは四つの魔法陣、その中からタワマンが出現しました。但し今回は少しだけ小細工をしました、魔法陣は大ウミヘビの頭を前後左右で囲う様に展開されました。そして現れたタワマンはあの大ウミヘビの頭を前後左右からガッチリとロックする形になります。
「なっがっ!………グウゥッ!これはっ!」
「……まだです」
私は同じように、今度は尻尾の方をタワマンロックしました。
そして………。
「そいやぁあああああああ!」
「なっなななななななななななななななっ!?」
私はタワマンをニョッキさせている魔法陣を操作してとてつもなく長い大ウミヘビをビヨョーンっと伸ばします。
これで身体をウネウネとして邪魔をする事は出来ませんよ?。
「こっこんなもの!クソックソッ!何故ワシの力でびくともしないのだ!この塔は何だ!?」
「タワマンはタワマンです。至高の建造物にして絶対なる勝ち組の証ですよ」
「ふざけるなぁあああああ!」
何やら大ウミヘビがやいのやいのうるさいですね、しかし私は無視して決めますよ。
「ハアァァッ!タワマン!イリュージョョョョョョョョョョョョョョン!」
更に私は魔法陣を出します。その数は何と三桁に届きそうな感じです。
そのとんでもない数の魔法陣がその照準をあのリヴァイアサンの伸びきった胴体に向けているのです。
「きっ……貴様、まっ待てー」
「タワマン!フルバーーーーーースト!」
魔法陣からタワマンが発射されます。伸びまくるその建造物はテッペンを大ウミヘビに突撃させます。
しかしそれは半数です、残りの半数は少しだけタワマンをニョッキさせて待機です。それらは発射された半数が大ウミヘビにダメージを与えた後に魔法陣に引っ込むタイミングに合わせて発射されます。
私もそれに合わせて両手をグーにして連続パンチをします、意味はありません何となくです。
つまりはボクサーのラッシュです、タワマンのガトリングです。
発射されては引っ込み、発射されては引っ込み、それを動けないリヴァイアサンに何度も繰り返します。
遠慮はしませんよ、我がタワマンを侮辱した報いを受けるのです。
「ターーワタワタワタワタワタワタワタワタワタワタワタワタワタワタワタワタワタワタワタワ!」
「グッグググッ!この程度の攻撃でガッ!?」
私には大好きな言葉が3つあります。
「タワタワタワタワタワタワタワタワタワ!」
「ガッグッ……ガハッ!」
それは権利収入。
「タワタワタワタワタワタワタワタワタワ!」
「ヤッ……ヤメ…テク………!」
それは不労収入。
「タワタワタワタワタワタワタワタワタワ!」
「ユッユ……ルシ……………………テ……」
そしてぇっ!家賃収入だああああああああああああああああああああああ!。
「タワタワタワタワタワタワタワタワタワ!タッワーーーーーーッ!」
貴方にも言い分があるのは理解してます、しかし未来の入居者を守る為に、ここは譲れないのですよ!。
最後は全てのタワマンを同時に発射します。
あの大ウミヘビの巨体に並ぶ程に巨大な一本の槍にでもなった様にタワマンはリヴァイアサンの身体を海の果てにでも運んで行くかの様にものすごい勢いで伸びて伸びて伸びまくっています。
やがてリヴァイアサンの巨体が海底の向こうにに消えていきました。
「完全勝利です」
「ああっそうだな」
(タワタワッてまさか……いやっもういいか)
***
リヴァイアサンを撃退した私達です。
その下半身を魚類から人間のものに変化させてそのまま上のリーマンスーツに合わせたものに下も変えます、変身の能力って便利ですよね。
そして履き物は先がとんがり気味の革靴です、色は黒でツヤツヤのヤツです、それをカツカツとならしながら進みます。タワマンの入り口付近は砂でした、足がとられて進みにくかったです。
一方のマーメイド達はまさに勝利の凱旋よろしくタワマンの広~いエントランスとそこに続くエントランスゲートには左右に割れたマーメイド達の列が並んでいます。
その真ん中を進む私とカニマツさんです、そして届く声は私達を讃えるようなものばかりですよ。
「スゴいッ!本当にあのリヴァイアサンを倒すなんて!」
「とんでもねぇ嬢ちゃんだなっ!」
「一体何者なの?」
「神の使いじゃあぁ~」
「きっ綺麗だった……」
「…………そう?そこまではなかったんじゃない?」
「あんな魔法見たことない、スゲェッ!」
「凄まじい魔法だったわね……」
フフフフッ前世では一度として浴びる事が無かった称賛の嵐です、気分が良いですね。
ん?列の後ろの方にいる少年マーメイドがまた視線を向けていますね、……また此方が見たら目をそらされました。なんなんでしょうか。
しばしマーメイド達からの称賛を受けて勇者にでもなったかの様な私とカニマツさんです、そこに一人の女性が現れました。
「いやはや畏れ入った。まさかあの強大なリヴァイアサンを真正面から打ち破る様なマーメイドがいるとはな!」
何やら演技がかったセリフを話す方ですね、金髪碧眼のスタイル抜群の美女です。何と言うかアメリカンな感じの美女ですよ見た目は。
「すみません、貴女は誰ですか?私の名はマリシアといいます、そして頭の蟹はカニマツさんです」
「私はナターシャ、このマーメイド達を束ねる族長だ、今回の事、一族を代表して礼を言わせてほしい」
成る程、族長のナターシャさんですか、この文明レベルが原始な方々の中にあっては見た目はかなり人間寄りですね、服装こそ村人が着ている布の服ですが、見た目がゴージャスなのでショボい仮装に見えますね、もっと貴族っぽい服が似合いまくるでしょうに………。
「どういたしまして、そちらのマーメイドの方々に被害などはありませんでしたか?」
「ああっ此方には幸い一人の死傷者も出ていない、マリシアがあのリヴァイアサンを撃退してくれたお陰だ」
どうやらあのリヴァイアサンにしたイタズラまがいの行動でも殺られたマーメイドはいない様で良かったです。
「そっそれで何だが……」
「はいっ何ですか?」
「実は我々は住みかとしていた珊瑚礁の洞窟をあのリヴァイアサンに破壊されてな……」
「ああっ確かに、そんな話も聞きましたね」
………あの大ウミヘビ、そこだけはイイ仕事をしてくれましたね。
(………コイツ、悪い顔してやがるなぁ)
「それなら、このタワーマンションを自由に使ってくれて構いませんよ?」
「ほっ本当か!?」
「はいっ個室の数も三桁くらいは余裕でしょうし、他にも住む場所困っているマーメイドや他の種族の方がいるのなら紹介してくれればここに住んでも構いませんから。ああっそれと食事などについてはレストランっと言うものがありますから………」
自然な形でタワマンの良いところをアピール、更に狩りとかしないでも食事が出来る強みも説明します言葉だけだと難しい所もありますがそれはその都度説明と補足をすれば問題ないでしょう。
そしてある程度の説明が終わった所でナターシャさんから声が掛かる。
「……すっ素晴らしいな、この塔は。つまりここに居れば狩りも必要なく外敵に警戒する必要もないと言うのか?」
「はいっ!その通りです!」
(ものの良いところだけしか話さない、コイツはろくでもない営業になるタイプだな……)
「しかしこれだけの塔だ、さぞかし名のある建造物なのだろうな」
「……名前?」
ありませんよそんなもの、強いて言うならタワマンです。
私のタワマンですね、あるいはマリシアタワーとかですか?……っいえこう言うのはもっとこう、何かカッコいいヤツとかファンタジーなヤツとか………あっ。
「そうです、この搭には名前があります、その名は『バベル』。この塔はバベルの塔何ですよ!」
「バッバベル……!何とも荘厳な気配がする名前だ……」
「そうでしょうそうでしょう、バベルとは聖域なんです、そこに足を踏み入れる事が許されるのはほんの一握りの者達のみ、それに貴方達は選ばれたのですよ……」
そうっタワマンとはまさに聖域、前世で私は日本のタワマンにすら踏み入れる資格を持つことはありませんでした。遠くから見るのみで決してその敷地に足を踏み入れる事は叶わず、何もかもが遠い別世界の存在でした。そこには目に見えない壁があるのです、負け組には決して越えることが出来……いやっやめましょう、全ては過去のお話です。
私の語りに他のマーメイドは興奮しています。
「オォオオオオオォオオオオオ!」
「バベル……」
「「バベル!」」
「「「バベル!」」」
(………バベルって、確かゲームとかだと神様の怒りを買って破壊された搭だとか。マジもんの聖書とかだと人間が建設途中で神様の邪魔が入って結局は完成しなかった塔の名前だよな。どのみち建造物につける名前じゃねぇよ、縁起でもない……)
何故かマーメイドの方々がバベルを連呼し始めました、少し怖いのでやめてほしいですね。
カニマツさんは私を残念な者を見る視線を放っている様に感じるのは何故でしょうか。
っあそれと最も大事な話がまだでした。
そうっ家賃についてです。
リヴァイアサンなんて相手にしたのも全ては彼等に恩を売り、入居者になってもらい家賃収入をゲットする為に他なりません。
家賃収入、最高ではないですか。
早速私はナターシャさんに話掛けます。
「ナターシャさん、それともう一つ言っておかなければならない事が、実はこのバベルに住むには家賃を払っもらわなければいけなくてですね」
「ヤチン?それは何だ?」
「…………」
………おっ落ち着くんです私、彼らは長い事洞窟に住むとか原始的な生活をしてきたのですから家賃を知らなくても仕方はありません、ここは丁寧に説明を……。
「家賃と言うのは月々にタワマンのオーナーである私に支払うお金ですね、皆さんに生活していただくにも先立つものは必要でして」
本当は1円もかかってなんかいません、しかしマーメイドの方々もタダでこの素晴らしいタワマン住むなど、流石に心が痛むでしょう。嘘も方便とはよく言ったものですね。
そんな事を考えていた時です。
「うん?オカネとは何だ?」
「……………」
「……………」
…………………………………………え?。
今っ信じられない言葉を聞いた様な?。
私とカニマツさんは無言です、しかしマーメイドの方々は違います。
「族長!このバベルって塔の中なら俺達もテレポート出来るって本当なのか!?」
「ああっそうだ、てお前らみんな何処に転移をしている!?ずるいぞ私も……!」
「レストラン!」
「レストランよね!」
「「「レストラン!」」」
「まっ待て、私も行くぞっ!」
次々と転移するマーメイド達です。
ナターシャさんも此方を見て話します。
「マリシア、本当にありがとうこの恩は必ず返すからな!」
ブロンド美女はそんな言葉を残して転移して行きました。恩は今すぐ返せるんですよ?。
そしてマーメイド達は全てレストランに転移して行きました。
誰も居なくなりました。
「…………まさか、いくら海の深い所にいるからって……」
「おっおそらく人間をはじめとした地上で生活する種族との交流が全くないのだろうな、だから………奴等には『通貨』と言う文化が……」
「…………」
そんな……バカな事が……それじゃあマジで原始人ではないですか……。
はっははは……はははははは。
私とカニマツさん以外が消えたエントランスにて私は………。
「ひ」
「ひ?」
「ひひひひひっ……ヒギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
バッターーーン!。
「まっマリシア!?おいっしっかりしろ!」
入居者を集める為に自分なりに努力をしてきたマリシアである、そしてリヴァイアサンとの命懸けの死闘を乗り越え、得たものは………無家賃入居者が数十人であった。
その事実に、マリシアの精神は崩壊した。奇声を上げ仰向けにぶっ倒れた幼女マーメイドは白目をむいて口から泡を吹き始めている。
そんな哀れ極まる姿にカニマツはハサミを器用に合わせて合掌するのであった。
チーン。
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