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第4話『絶望(笑)の先へ』
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そこは、深い海のそこに現れた1棟のタワマンである。
外見は日本ではまずお目にかかれないであろうマジでタワーなタワマンである、ドバイ辺りにでも出来てそうな感じのタワマンである。
そんなタワマンの一室にて、まさに死人も同然の人間、ッイヤマーメイドがいた。
年齢は一桁だと思われ、長い銀色の髪と蒼い瞳のとても美しい少女である。
………下半身は普通に足が生えているのでどこがマーメイドなのかと問われると心がっとかふざけた返答しか返せないであろうマーメイドである。
何故なら、彼女は今とても心が傷付いていた。それはもうとんでもなくっ傷つきまくっていたのだ。その証拠にうつ伏せに倒れる彼女の背中にはどす黒いモヤの様な物が張りついていて今にも少女をとり殺しそうな何かである……。
そんな少女の隣には何故かサワガニが佇んでいた、目の前の黒い何かに覆われた死霊少女を前にただ呆然としている。
ズーン。
「……………」
ズーン。
「………おいっマリシア?」
ズーン。
「………………元気を、出せよ」
ズーーーーーーーーーン。
「かっ………カニマツ、さん……」
「っ!なっなんだ!?どうしたマリシア、なんか食うか?」
「いえっそれより私は。起死回生の一手を思いついたかもしれません……」
「は?」
「私達がいた世界では、あの無家賃入居者達の肉を食べると不老不死になるとかって昔話があるじゃないですか!この世界でもその話を広げればあの連中は金の成る木に………」
「正気になるんだぁああああああああああ!」
ブスリ。
「イッタァアアアアアアアアアイ!」
マリシアの身体に張りついていた黒いモヤが霧散して消えた。
「……はっ!わっ私は何を?今何かとんでもない事を言ってませんでしたか?」
「………何もない、気にするな。それよりもう大丈夫か?」
「えっええ、何とか……」
取り敢えず返答する私です。
大丈夫?そんな訳がありませんよ。
リヴァイアサンと言うこの海でも相当な大物との死闘を乗り越えて、その先に手にしたのは入居者の革を被った無家賃入居者達です。流石の私も暗黒面に堕ちると言うものです。
しかし何故か先程までのこの世の全てを憎んでいた心持ちが嘘のように晴れました。カニマツさんのお尻への一撃が効いたのかもしれません、腐っているだけ時間の無駄です。私は何が何でもこのタワマンを億ションにするのだと決めたのですから。
この勝利の代名詞たるタワマンに誓ったのですから。
そこで早速カニマツさんに今後の作戦を相談します。
「とりあえずあの無家賃入居者達は……本当に腹が立ちますが、放っておきましょう。それよりも私のタワマン勝ち組計画が暗礁に乗り上げてしまいました。カニマツさん、何とかなる作戦はないんですか?」
(タワマン勝ち組計画……)
「いっいや、そうだな…取り敢えずだが、外に出てこのタワマンの海上がどうなっているかを見に行かないか?」
「海上の様子ですか?」
それを見てどうなると言うのですかカニマツさん。
「いいか?この海の世界でマーメイド以外でタワーマンションの入居者になんてなりそうなヤツに俺も心当たりがないんだよ」
「なっ何ですと!?」
バカな……この異世界のファンタジー極まる広大な海には他にも多様なファンタジー世界の住人がいる筈なのです、しかしカニマツさんには心当たりが最早存在しないと言うのですか。
「そっそれは幾らなんでも早計ではないですか?マーメイド以外にも何かしら知性を持った生物はいるでしょう?通貨と言う文化を持った存在も……」
「俺が知る限りだが……その知性があって交渉事を満足に行えそうなのはマーメイド以外だとサハギンやマーマンくらいだ、そしてマーメイドがあの有り様じゃソイツらも期待は出来ないんだよな」
カニマツさんの説明によると、サハギンはデカイ魚に人間の腕と足が生えた生物だそうです、マーメイドよりも浅瀬に住むそうですが見た目がキモい為に人間との交流はあまりないとか、そしてマーマンは魚の頭に人間の身体と言うゲームにも出てきそうなヤツだそうです、此方は海の深い場所に集落を作ることからマーメイドと同じく人間との交流はなし、つまり通貨の文化はないとの事。
「なるほど、そうですか……」
「ああっ正直ここまでとは俺も思わなかった、カニとして生を受けてからそこまで金については考えてなかったからな、俺自身まさか通貨の文化がない連中がのうのうとしているとはな……」
それ私も思いました、いくらファンタジーな世界観の異世界とは言え、そんなヤツラまで実装しないでいただきたい。
しかし転生の先輩であるカニマツさんが遂にこの海にタワマンの未来はないと言ってきましたね。恐らく海上に出ている部分のタワマンがタワマンとして十分に機能するなら何かしらやりようがあると考えての提案であると私は見ました。
ならばものは試しです、行くだけ行って見ましょう。
「カニマツさん、行きましょう。ここでどれだけふて腐れていても時間の無駄です、無家賃入居者と言う、絶望の先へ行かねば勝ち組人生と言う未来はないんですから!」
(………絶望(笑)の先、か……)
うん?何かカニマツさんに小バカにされた気配を感じるのは気のせいですかね?。
私はカニマツさんを頭に装備してタワマン転移でエントランスに到着、そのまま外に出ました。
そして海底からタワマンの頂上を目指して泳ぎだします、当初からこのタワマンって海上はどうなっているのか謎でしたから、私としても気にはなっていたのです。まぁ入居者ゲットからの家賃収入生活が優先でしたので後回しにしていた次第です。しかしその計画が頓挫した今、私には新たなカードが必要なのです、タワマンによってお金と幸せと勝ち組人生を手にする為には……。
その第一歩として、取り敢えずこのタワマンについて先ずは知ることから新たに始めるのは悪くない判断だと思います、伊達に先輩風をふかせていませんねカニマツさん。
私はタワマンを横目に海上を目指します、やはりと言うべきかタワマンは延々と延び続けています。本当に海上まで伸びているのかもしれませんね。
「本当に先が見えないな、どうかしている」
「まぁ私の願望を実現したタワマンですからね」
「願望って、どんな願望を実現させたらこんな得体の知れない建造物が出来上がるんだよ」
「私は、勝ち組って連中は兎に角高い所から人や街を見下すのが大好きなイメージがあったんですよ、だからタワマンってやたらと高いのだと考えていたのです」
(………なんだコイツ)
「金持ちって人を見下すのが仕事みたいな人達じゃないですか、だからそんな彼らの心が満たされるタワマンをイメージしたらこんなのが生まれたのだと思うんですよ」
「金持ちへのディスりが半端じゃないなっ…」
そりゃあそうでしょう?私の前世は社畜であり負け組でした。当然勝ち組やお金持ちな上流階級には嫉妬心もひとしおですとも。
世の中のお金持ちみ~んな貧乏になぁれっ!っといつも思っておりましたとも。
「どうした?マリシア、なんか闇を抱えた表情になっているが…」
「なってませんよ」
失礼ですね、闇を抱えた表情ってどんな表情ですか。
「それよりも、そろそろ海上じゃないですか?太陽の光も強くなってきた感じがします」
「太陽って……まぁ見た目まんまだし、俺も太陽呼ばわりしてたから別にいいけどな。確かに海面が近いだろうな」
太陽?ああっここは異世界ですからね、太陽はありませんね、しかし宇宙や星についてなんてファンタジー世界なら大して関係はないですよ、スペースシャトル作って宇宙にでも行ければ太陽系の惑星との違いとか分かったりするのかもしれませんが、そんなの知りません。宇宙ツアーなんて話題はずっと先の話ですよ。
そんな何の関係もない話題について考えていると、海面に到着しました。
海上にあるタワマン。まさに絵画にでもなりそうなのシチュエーションですね、どんな感じか楽しみです。
***
そして海面に顔を出した私です。
そこに広がる光景にあんぐりってなってしまいました、カニマツさんもです。
「………これは」
「なんか、凄いですね」
海上あったのはタワマンです、それは予想通りでした。しかし予想以上の光景が広がっていました。
タワマンは………伸びていました。それはもう延々と、ずーーーっと伸びていました。それはもうっ頂上が雲よりも高くて、海上からでもまるで伺えません。
全長何千メートル超えですかこのタワマンは、まさにロールプレイングゲームとかにある超高難易度ダンジョンとして現れるタイプのヤツですね。外見こそ現代的な、ドバイとかにありそうな最高級な風格が漂うタワマンである事を除けばですが、この圧倒的な存在感は、金なしの小汚ない冒険者など、一歩たりとも足を踏み入れる事など許されない気配を感じます。
「タワマンが、空を突き破るなんて、まさに人間の欲望と傲慢さとはどこまで……」
「うん?いやっ人間というかお前の欲望とかが」
「取り敢えずここにいるとモンスターとか来そうですから中に入れる様にしますね」
カニマツさんのセリフを遮るのに成功しました。
「タワマン!イリュージョン!」
海上に出現したタワマンの一番したの部分が私の言葉に呼応する様に光を纏いました。
やがて光が収まると、そこには海底のタワマンのと同じ様にエントランスゲートが出現していました。
私のタワマン魔法なら外見を弄くるくらいなら訳ないんですよ、フフフッしかし新たにタワマンに作った入り口は、海上よりもある程度高いところに現れました、そこと海面とを繋ぐのは階段です。真っ白な大理石見たいな質感の階段の上にタワマンのエントランスに続く道に繋がっていますね。恐らく塩の満ち引きに対応したものではないかと私は見ました。
画板を魚から人間に変えてから階段を上がります、海面から上がったら服装もスーツに変身します。このカチッとしたスーツのコスが最近の私のお気に入りです。
先が尖った黒い革靴(これも変身能力で作ったパチもん)をカツカツと鳴らしながら階段を上がって行きます、段数は十数段ほどで上るのに一分もかかりませんでした。
そして階段を上った先には見覚えのある入り口が目に入ります、まさにタワマンです、高さがとんでもない事とマジで海上に忽然と現れている点を無視すれば青い海に燦然と輝くタワマンは正に一つの芸術と言っても過言ではありませんね。
「素晴らしいですね、これだけ高い建造物なら海の向こうからでも人が集まってきそうですよ」
「……ソイツらが入居者になってくれるなら文句はないが、どう考えても……」
「それにしてもこの白い大理石見たいな足場はいいですね、もうちょっとこの大理石みたいなのの面積を広げたり出来たりしませんかね?」
(……コイツ、聞きたくない事を無視する様になってきたな、反抗期に入ったのか?)
カニマツさんが黄昏ていますが、私は構わずにこの大理石っぽいヤツを広げたり出来るか試します、イメージとしてはこの床はタワマンの廊下やエントランスに使われているものと同じものに見えます、ならばこの大理石もタワマンの一部としてカテゴリーされている筈です、ならばその面積や形状も私の思いのままになる可能性がある……かもしれません。
ものは試しです。
「タワマンイリュージョン!」
渾身の気持ちを込めてタワマン魔法を発動しました。両手を天に掲げてのポーズですよ。
すると大理石もキラキラし出しました、なのでもっとこう、タワマンの周囲を囲むくらいの変化をイメージしました、すると大理石っぽい部分の面積が広がり始めました!。
ウニョーンって感じでどんどん広がりますね、やがてこの巨大なタワマンの回りを囲む様に白い大理石っぽい床が現れました。
真っ白くツヤツヤと煌めく様は実に青い海に映える光景ですね。
「まさかそんな事にもお前の魔法は使えるのか?それならもっと面積を広げていけば…」
「はいっ恐らくですが、広げられる範囲に限界はないかも知れません。そして能力を上手く使えばこのタワマンがある海上に面白いものを作れるかも知れません」
「面白いもの?それは一体」
「フフフッ……それは、秘密です」
だって、何も考えてなんていませんからね。
こんなのは場の空気を読んでの適当に流しましょうよ、気楽に行きましょうよ気楽に。
白い大理石で海面を自由に侵食出来るからと言って何が出来る訳でもありませんからね。精々私達が足で移動出来る範囲が広がるくらいですかね、斜面とか作ってウォーキングコースとか作ったら人気が出そうですね、しかしここは日陰になるものがないのでウォーキングコースには屋根と言うか、太陽の光を遮る工夫が必要です。風はいい感じのが吹いているのでそこは問題無さそうですが。
まっ作りませんけどね、入居者も居ないのにウォーキングコースなんて作ってる場合じゃありませんよ。
「秘密な、どうせ何も考えてないだけだろう?」
速攻で看破されてしまいましたよ。
「それにしてもお前の魔法は本当に後だしジャンケン見たいに色々と出てくるよな、もっと何か出来んじゃないのか?この際だし、出来る事はちゃんと試せよ?」
「そうですねぇ~」
出来る事と言っても正直何が出来るかなんて私にも分かりませんよ、それに私の目的はちゃんと家賃を払える入居者のゲットです、それを為すためには何処かからか入居者を、やはり人間でしょうかね?そんな彼らを集める必要があります。
しかしここは海のど真ん中、周囲には大陸を思わせるものは全くありません。
完全に青い地平線が続く限りです、せめて視界に僅かにでも山の緑とか見えたら私のマーメイドスイミングが火を噴くのですがね、恐らく数分で泳ぎきる自信がありますよ。
何とかしてこのタワマンのある場所まで入居者候補を呼び寄せる必要があります。
「はぁっせめてタワマンの内部で出来る転移が外でも出来れば……」
「確かにな、それが出来れば大陸からでも人を呼べるかもしれないのにな…」
「ははっまぁ外からタワマン内部に好きに出入り出来たりしたら、それはそれで面倒がありそうですから仕方ないですよね。せめてタワマンの出入り口付近になら転移出来るゲートとかがあると……っあ!」
言っていて気づきました。内部に限った話ですが好きな階層に転移出来る能力を入居者全員に与える我がタワマンです、ならばもしかしたら。
私は額に人差し指をツンツンしながら交信をする人見たいな姿です。
タワマンよ応答せよ。
タワマンよ応答せよ。
コチラ、マリシアである。
タワマン魔法よ私には新たな力が必要です、一度に大量の人を瞬間移動させるとか、ドアをくぐると行きたい所にいける未来な道具とかを施設として実装をお願いします。
ドクンッ!きた、来ましたよー!。
すると私の傍らにメニューが開きました。
これは成功の予感がしますね。
【施設『ワープゲート』を解放しますか?】
イェス!来ましたよホラホラーーーッ!。
私はテンションを上げて施設の解放を選択しました。出でよワープゲート!。
「タワマンイリュージョン!」
私とカニマツさんの目の前に青い魔法陣がブォンッと低い音をたてて出現しました。
「これがワープゲートですか?」
「その手のゲームとかにありそうな、如何にもな感じだな、俺もワープゲートなんて初めて見るからさっぱりわからんが」
確かにそうです、魔法陣は時計回りにゆっくりと回転していますね。どうやらドアタイプのヤツではなく、青い渦と言うか旅のあれ的な感じのが出て来てしまいましたよ。
恐らくこれに乗れば何処かに、あるいは行きたい所に転移する仕組みの筈、ここはメニューの出番ですね。
【ワープゲート】
【この魔法陣から行けるの場所は以下の通りです】
『ハジマリノ町』
え?始まりの町?リストにはこれしかありませんよ?。
カニマツさんが覗き混んで来ました。
「どうやらまだ行けるのは、このハジマリノ町だけらしいな。しかし変な名前だな、なんだよこのふざけた名前は」
カニマツさんの疑問も最もですよ、メニューよ、何か説明してくださいよ何も情報のない町に行けると言われてもはいっ行きますなんて言うわけにはいかないでしょうに、ここは治安だとかその辺りが未知数な異世界なんですから。
【ハジマリノ町】
【港町であり大陸の玄関口として扱われる比較的大きな町であり治安は良い。】
なっなるほど、まぁ治安が良いなら問題なさそうですね。
「これなら問題なく行けそうですね」
「本当に行くのか?転移した先がどうなってるのかとかどの辺りに転移するのかまるで分からないんだぞ?」
「だからこそですね、このワープゲートがどれだけの代物かを知るには私自身で確かめなくてはいけませんから」
「わかった、なら俺も行こう」
「ありがとうございますカニマツさん」
私は礼を言います。
「ああっだがそのスーツ姿は目立つだろうな、まるで七五三か何かのコスプレだ。この世界は剣と魔法のファンタジー世界だ、もう少しこの世界にあった服装とか出来ないのか?」
私はブーたれます。何ですか服くらい好きなもので良いと思いますけど、このスーツ悪くないと思いますよ?まぁファンタジーな世界なら浮くのは事実だと思いますけど。
そこで私は自身の変身能力で服装をチェンジします、三回程変えて見た結果、やっとカニマツさんからオーケーを貰いました。
服装はまさに村人の服って感じのヤツですね。
「では、このワープゲートに乗ってみますね」
遂にワープゲートの試運転です、訳の分からない場所に転移するとかのお約束は不要ですからねっと心の中では念を押しておく私です。
チョンッと乗ってみます、すると魔法陣はその輝きを更に増して………。
***
そして気がつくと、目の前には城の城壁を思わせるとても巨大な壁がありました。
これはまさかっと思い急いで距離を取ります、すると町とやらの外観を大まかに理解出来ました、やはりこの町はファンタジーな物語でお約束のぐるっと壁に囲まれた城塞都市見たいなヤツですね。間違っても町ではない規模だと伺えるのですが。
「……これが町ですか?」
「この世界ではモンスターがあちこちにいるからな、人間にしろ他の種族にしろ生きるためにはある程度は集まってからじゃないと危険に対処出来ないからな」
それにしてもですよ、これが町なら都会はどうなってんですか?気にならないと言えば嘘になりますね。
「取り敢えず壁を横目に移動すればいずれは町の入り口にたどり着く筈だ、それまでは歩きだな」
「歩きですか……」
入り口なんてまるで見えません、それなのに歩くとかマジですかいな。
そして歩くこと30分程くらいはたったと自負している私です。しかし入り口は未だに見えてこず。
「もう面倒なので、この壁をタワマンイリュージョンしても良いですか?」
「壁を破壊する気だな?ダメに決まってるだろ、お前のタワマンと違って普通の町とかはそんなポンポンと新しいのが出てきたりしないんだよ」
カニマツさんに叱られました、仕方ないのでまた歩くのを再開しょうとした時です。
「ガアアアアッ!」
如何にもな変な鳴き声を耳にした私です。
声のした方を見ると緑色をしたブサイクな小人が此方をにらんできてます。
「ゴブリンだな」
「ゴブリンですねぇ」
みたまんまのゴブリンです、残念ながら言葉を話すタイプではないのかさっきから不快な声を吐き散らかすのみです。
「ガギャアアアアアアアアアアッ!」
おっと、更に此方に突進して来ましたね、敵意ッイヤ殺気ですかね?それを全身にみなぎらせながらの特攻です。
巨大なサメすら一撃で沈める私に、全長何百メートルあるかと言う超巨大なリヴァイアサンすら退けるこの私を相手に、身長150センチかそこらの小人ごときがププッお笑い草ですね。
「良いでしょう、ロープレにおいてスライムと並び最弱の名を冠するゴブリンごときがこのチート持ち転生者の私に勝てるとでも……」
「ギャアガアアアアアアッ!」
ゴブリンは手にしたこん棒で私に一撃を入れようとします、私はそれを華麗にかわして…。
ボグッ。
ゴブリンの攻撃。
マリシアは50のダメージを受けた。
マリシアは瀕死となった。
「マッ!マリシアーーーーー!」
「がっ!ガハァッ!ばっバカな……」
痛いです。限りなく痛いですよカニマツさん。
何故にサメにかじられても痛くも痒くなかった我が身がゴブリンごときに殺られそうなっているのですか?このゴブリンは突然変異とかで超強いヤツなんですかね?。
「このゴブリン野郎!食らえっ!クラブストライク!」
「ギャアアアアッ!」
カニマツさんの一撃でゴブリンは仰向けにぶっ倒れました。
サワガニのハサミで鼻をブスッとやられただけで倒されましたよ。
どうやら普通に雑魚であったようです。
「………………ぐふっ」
死ぬほど痛いです、だって顔面にこん棒を受けてしまいましたからね。華麗にかわすとか何を言ってるんですか私は……。
まるでギャグマンガの如く顔にめり込んだこん棒の感触が……。
「マリシア!大丈夫か!?あんな雑魚中の雑魚にやられるなんて何があったんだ!」
「すっ……すみません、私にもさっぱりです」
ヤバいですね、死にそうですよ。
そこに人の声がしました。
「おいっ!どうしたんだ!?」
「まさかゴブリンに殺られたの!?」
「すぐに回復を……!」
「何で壁外に人間が…」
それはまさに冒険者って感じの格好をした方々がゾロゾロと、どうやら助けられた私です。
そこで安心した私は気を失いました。
気がつくと私は壁の内側、つまりハジマリノ町内部に入り込めた様です。
いるのは何処かの部屋でベッドの上に寝かせられている私です。
いるのは私とカニマツさんだけです、人が来ないうちに情報の共有をしますか。
「カニマツさん、ここは?」
「ハジマリノ町にある病院みたいな施設だと思え、怪我事態は回復魔法で治ったが無理はするなよ?」
「カニマツさんも中に入れたんですね」
「お前の服の中に隠れたんだよ、喋るカニなんて怪しすぎるからな」
それを分かっていて流暢に喋る謎なカニですね。しかし命を救われたのは事実なので礼を言っておきます。
「カニマツさん、ありがとうございました」
「礼はいい、それよりもなんでゴブリン何かにやられた?あの時のお前の動きは明らかに遅かった、いくらマーメイドって言っても足は普通に二足歩行に適応しているのに……」
確かにそうです、あの時私は完璧に敵の動きを見切っていました。それなのにやられたのは簡単です、私の身体が遅すぎたのです。
マーメイドだからって陸で呼吸が出来ない訳でもないのに、一体どういう事なんでしょうか?。
「理由は、全く分かりませんよ。私自身身体に不調や違和感があった訳でもないのに、身体だ異様に遅く動くし、力も大して出ませんでしたから……」
「そうかっまぁ町に入ってしまえばモンスターと戦う事にはならない筈だし、どうとでもなるだろうが」
「ですかね?ならこれからどうします?」
ここが病院みたいな施設なら、入院とかさせられたら堪りませんね、それに退院するにしてもお金を請求される可能性もあります。
そして私達は無一文です。
「カニマツさん」
「ああっお前の身体が平気ならさっさと脱出するぞ、こっちは金なんてないんだし、入院なんてさせられたら面倒しかないからな!」
流石はカニマツさん、私と思考回路が同じですね。貧乏人はそう気軽には病院に通えません、お金しかり単純に休日がなかったりです、きっとこのカニマツさんもその辺りは似たり寄ったりな人生を生きてきたのではないかと思います。
「それでは早速この病院を脱出しましょう!」
「よしっ!行くぞマリシア!」
病院は三階建て程の高さしかない施設でした、人目につくことなく脱出するのは朝飯前ですね。
そして無事に金を払わずに病院を脱出した私です、町の様子を見ると思わず感心しました。
「本当に剣と魔法のファンタジー世界って中世な雰囲気なんですね」
「まあなっそれに冒険者もいるし冒険者ギルドもあるぞ?」
軽く感動している私です。この町はやはり町と言うよりも都市ですね都市、行き交う人々の数も多く、かなり栄えている印象を受けます。
屋根が赤かったり青かったりとカラフルです、そしてレンガ造りでまんまゲームの背景とかにある感じでですね。
実にいいですね。こんな風景の町並みを実際に一度は見てみたかったんです。
「それでマリシア、これからどうするんだ?タワーマンションの入居者を確保するにしてもこの町に家がある奴らが海の向こうのタワーマンションに住むと思うか?」
「………フフフフフッ何を言ってるんですかカニマツさん?」
「ん?マリシア、まさかお前……」
そうっ私は気づいたんですよ。
「なぁんで!あんな無家賃入居者が巣くっているタワマンに戻る必要があるんですか!?せっかく陸地に上がって、文明を理解する人類に出会えたんですよ!?最早あんな失敗作など無かったことにして、ここでタワマン勝ち組計画を再開するのですよ!」
(………この下衆の極み野郎がぁぁぁぁぁぁぁ!)
カニマツさんが私の頭の上でプルプルしています、足が尖ってるので少し痛いですね。
「もうっあの海のタワマンの事は……忘れましょう。あれはただのチュートリアルだったんですよ、町に来てからが異世界ファンタジーの物語の始まりなんですよ、この町も始まりの町とかって名前ですしね」
「…………そっそれで?この町の中にタワマンを建てるのか?流石に異世界でも土地やら建物には税金の類いがかかるからな?」
なっ!?ファンタジー世界にぜっ税金があるんですか!?そんなバカな、何の為に文明レベルが低い世界に来たと思っているんですか!そんなリアルな部分は一切要らないんですよ、もっとこうフワッとして行きましょうよ。
「なんか、また下衆い事を考えてるよな?いやっ失礼な事をか?」
「失礼ですね、私はただこの文明がちゃんとある所で一旗あげようと全うな提案をしているだけですよ」
「しかしタワマンを経営するにしても人間の町でのルールとかがあるだろう?その辺りの情報がとにかく足りなすぎるんだよ」
情報、情報ですか。確かに以前のマーメイド達の時はまさかと言う展開でしたからね、万が一が起きて足元をすくわれかねないのが異世界です、私は同じ失敗を二度は繰り返さないマーメイドなのですよ。
「カニマツさん、ファンタジー世界で情報と言えば、私にも心当たりがあります」
「心当たり?」
「はいっ恐らくこれだけ大きな都市であれば間違いなくあの場所がある筈です」
私が自信満々に語るとカニマツさんを頭に乗せて目的地まで行きます。
***
「たくっなんで酒場にこんなガキがきてんだよ!オラッさっさと出てけよ!」
「はっ離して下さい、私にはここで集めなければならない情報がぁーーー!」
(………バカだコイツは)
そして私は酒場のマッチョで怖い顔の店員に外に放り出されてしまいました。
ポイッ。
「ふぎゅっ!」
「もうくんじゃねぇぞ!」
「なっ……まっまって下さい!情報が集まると言えばここでしょうが!困るんですよ他に宛なんて……」
しかし私の言葉は聞き入れられず、無情にもその扉は閉じられてしまいました。
またあの怖い顔に怒られるのは勘弁です、私は諦めてトボトボと歩き出します。
しょんぼりな私にカニマツさんが話をふります。
「なぁっなんで情報で酒場なんだよ?」
「私がよく読んでいたファンタジー小説なら大体知りたい事は酒場に集まった冒険者や町の人間に話を聞くものなんですよ」
(コイツ、まさかのゲームの知識止まりな情報で酒場になんて来たのかよ!)
「あのなぁ、酒場なんて柄の悪い連中の巣窟だぞ。あんな所に子供が一人でいっても追い返されるのが当たり前だろうが、むしろそれですんで良かったと思えよ、まだ昼間だから良かったものの……」
お節介なオバサンと化したカニマツさんです。
「けど異世界ならお酒を飲める年齢とかなかったりしないんですか?全て自己責任でみたいな」
「それでもお前の外見はアウトだろう、一応この世界でも酒は二十歳だからな」
「え~?それじゃあ私は何の為に異世界に転生したんですか!」
「少なくとも酒飲むためじゃねぇだろ!」
カニマツさんとやいのやいのやっていると周囲の視線を感じました。流石にカニマツさんの存在には気づいてはいないみたいです、つまり彼らや彼女には私が独り言でやいのやいのとやっていると見られていた訳です。
スッゴい恥ずかしいですね。
「カニマツさん、取り敢えず場所を移しましょう」
カニマツさんと共に急ぎ足で移動する私です。
場所は町全体を見渡せる高台らしき場所に来ました、人の姿もまばらでここならカニマツさんと話をしても問題ないでしょう。
所でさっきからカニマツさんが何やら考え事をしているのです、一体どうしたんですかね?。
「カニマツさん、どうしたんですか?」
「ああっちょっとな、マリシア、お前あのゴブリンとの戦いの時にえらく動きが悪かったよな?」
カニマツさんがいきなりな事を言ってきます、まぁあの時に何が起きたのか、その原因の究明は大事です、まさか同じ失敗をしてゴブリンにボコられるなんて二度とゴメンですからね。
「しかし、そう言われても私には全く動きが悪くなる理由に心当たりがないんです、カニマツさんには何かあるんですか?」
「……まぁ一応はっな」
え?あるんですか!?流石はカニマツさん!………っいえこのサワガニは見直すとこちらの期待を裏切ってくる手合です、あまり安易に期待をするべきではありません。
カニマツも全く同じ感想をマリシアに持っている、似た者同士であった。
「いいか?マリシア、まずお前はここでタワマン魔法を使ってみろ」
「は?ここで?いやいやっそんな事をしたら町がパニックになりますよ?」
何しろ私のタワマン魔法は見上げる程に巨大なタワマンを生み出す魔法です、こんな周囲に建物がいっぱいある場所で使うとかかなり危険な行動ですよカニマツさん。
「いやっ恐らく俺の予想が当たっていれば…」
「予想?」
「良いから使って見ろよ、そしたらすぐに分かるから」
「わっわかりましたよ…」
私は少し力を抜いてタワマン魔法を使います。
「タワマンイリュージョン」
すると魔法陣が現れました。
「は!?」
私はその大きさに愕然としました。
何故ならその魔法陣の大きさが10センチもない小さなものだったからです。本来なら数十メートルはあるはずの魔法陣がですよ?これはいくら何でもオカシイです。
そして現れたタワマンもまた異変に満ちていました。
「こっこれは………っ!?」
「………やっぱりな」
そこには魔法陣からニュッと生えた………ミニチュアサイズのタワマンがあったのです。
直径数センチ、高さも十数センチ程度のまさにミニチュアのタワマンです。
それを見たカニマツさんがおもむろに私に聞いてきました。
「マリシア。お前のセットしている称号について教えろ」
「はっはい?称号?」
称号、称号?確かにどこかで……っあ!。
私は慌ててメニューを開きました。
名前:マリシア
性別:女
種族:マーメイド
称号:『神海の人魚』
保有魔法:『タワマン魔法)
保有特殊能力:『水中会話』『泳ぎ』『変身能力』『気配感知』
そうそうっ確かこんな感じでしたね。最初に見ただけでしたからその存在を忘れてましたね。
「ええっと称号ですね?」
見るとそこには神海の人魚と記されていました。
「神海の人魚?何ですかね神海って、このファンタジーな世界には神様がいる海とか実際にあるんですか?」
カニマツさんを手に乗せてメニューを見せながら話をします、しかしカニマツさんは黙ってしまいました。
少し待つとカニマツさんが再起動しました、早く私のタワマンのミニチュア化について説明をしていただきたい次第です。
「理由は分かりましたか?」
「ああっまずはこの『神海』については俺もさっぱりだ。しかしお前のあの異常な強さの理由は分かった……」
「異常な……強さですか?」
人を捕まえて異常とは何ですか異常とは。
「いいか?そもそもチート貰って転生したからって、生まれてからたった数日しか経ってないお前がリヴァイアサンなんと大物を倒すとか本来あり得ないんだよ」
「あり得ないと言われましても……」
いきなりな物言いに私は慌てて困惑します。
「あーっいや、そうだな。いきなりそんな事を言われても流石にお前でも困るよな、すまない。んーそれじゃあまずは『称号』について話すか。お前が海でなら何でリヴァイアサンにも勝てたのかって話だ…」
「はっはあっ称号っ…ですか?」
確かにメニューではそんなのがありました。
ゲームのステータス画面なら称号とかよりも、レベルとかステータスの数字とかが出てくるんじゃないのですか?って思ってました。
「まず、このメニューには俺達の情報はあまり出てこない。名前や性別や種族くらいだ、本来ならゲーム見たいな感じならレベルだステータスだとかが出るもんだろうが、このメニューにはそんなの一切出ない」
「それは私も思ってました。それなのに称号なんて、変わったものがあると感じていました」
「そうだな、お陰で俺達は自分の強さとかをいまいち把握できなかった、けどな実はこの『称号』ってのがそれを教えているのさ」
え?こんなのが?っとは口に出かかった言葉です。
「いいか?この『称号』ってのはそいつの総合的な強さを示す、細かい説明は省くが。つまりは強そうな称号のヤツはマジで強いんだよ、例えば竜殺しとかなんとかの勇者とかな。他にも賢者やら聖女やらとそんな言葉が『称号』に記されているヤツらは本当に化け物だよ」
「『称号』一つでそこまで分かるものなんですか?」
「ああっ何故ならこの『称号』はそれを持つものに恩恵とも言うべき特別な力を与えるんだ、ものによっちゃあ素手でドラゴンを倒したりする力とかな……」
「恩恵っですか…」
まるで実際に相対した様なもの言いをするカニマツさんです、まさか本当に世界を旅してたりしてるんでしょうかね?。
「そしてマリシア、お前の『称号』は『神海の人魚』だな?その称号には『神』っと言う言葉があるな?つまり本当にお前には神に比肩するだけの『力』があるんだよ」
「かっ神ですか?」
いきなりそんな大それた事を言われても、まぁタワマン勝ち組計画が成就して、億ションのオーナーとなった暁には、神を名乗るのもやぶさかではありませんよ?何しろ億ションのオーナーですからね。
「しかしそれなら何故に私はゴブリンにボロ負けしてしまったんですか?」
「………それは、恐らく『称号』の『人魚』って部分だな」
「はい?」
「いいか、よく聞けよ?お前の『称号』はな……」
「………?」
「海の中、そして海上においては最強の力をお前に与えるが!、その代わり地上にあがると超絶な弱体化を引き起こす代物なんだよ!」
「なっなななななな!なぁんでぇすとぉおおおおおおおおおおお!?」
私は落雷で全身を木っ端微塵に吹っ飛ばされる感覚を覚えました。
「ちょっちょっと待ってくださいよカニマツさん!何ですかそのふざけた話は!?」
「ふざけてなんてない、これ以外にお前の能力を説明できん。お前は海では無敵の代わりに地上では最弱よりも弱いクソザコキングになってしまうんだよ」
クソザコキングとは何ですか!おのれこのサワガニわぁ~。
「いいか?元々人魚、つまりマーメイドは陸地に上がる事なんて殆どない種族なんだ、そんなのが『称号』に含まれる時点で何かしら海にいることで恩恵を受けているとは思ってたんだよ、そしてその恩恵が大きければ大きい程にデメリットがある『称号』があるのさ、お前のは恩恵が大きすぎたんだろうな、その代償が地上での弱体化って訳だ」
「じゃっじゃあ、私のあの小さなタワマンは…」
「ああっ恐らくお前のタワマン魔法は……地上では何の力も発揮出来ない。超絶クソザコ魔法になっちまうんだよ」
カニマツさんの言葉に私は言葉を失いました。
まさかこの私のタワマン魔法が海限定の最強魔法だったとは、これでは地上でタワマンを経営して王道的に家賃収入を得る計画が破綻してしまうではないですか。
どうすれば、どうすればいいんでしょう。
このまま私は再び絶望に呑み込まれてしまうのですか?私は……私は……。
「………いえっそれはダメです」
そうです、私は知ったのです。絶望に膝を屈し、うずくまっていても何も変わりません。
行動を起こす事でしか、何も変える事は出来ないのです。
私には、夢があります。
そうっ私はタワマンのオーナーとなり楽勝モードでこの異世界を謳歌するのです。
家賃収入で生活を潤し。
不労収入で遊んで。
権利収入で負け組の頬をひっぱたくのです。
ちんけな小金を稼いで天狗になる成金どもを討ち滅ぼし、この異世界にマリシアタワマン帝国を築き上げるですよ!。
その為にも…。
「カニマツさん、私には、目指すべき先があるのです。その程度の絶望では、私は止まりませんよ」
「……マリシア」
(なんか格好よさげな事を言ってるけど、どうせろくでもない事を考えてんだろうなぁ……)
決意に満ちた主人公を彷彿とさせる私を、カニマツさんは微妙な感じの視線を送ってきます。
そしてこれからの事を話しましょうか。
「大丈夫です、私に考えがありま…」
私が発言をしようとした時です。
「あっ!あんなとこにいたぞっ!」
「え?」
「なんだ?」
いきなり大きな声を上げる冒険者風の男の人がいます。
「ん?おい、あの冒険者は」
「知っているんですか?カニマツさん?」
すると更に数名の方々が集まって来ました。
「こらっ!病院を抜け出して何をやってるんだ!」
「っ!ヤバいです、ワープゲートで逃げますよカニマツさん!」
「いやっあれ、お前を助けた冒険者だぞ?別に問題は……」
何を言ってるんですかこのサワガニは。
此方がまごまごしているうちに他の冒険者達も此方に接近しはじめました、厄介ですね。
「いいですか?命を助けたあの冒険者は間違いなく助けた事につけこんでお金を請求してきます、しかし私達は無一文です、払えるものがありません」
「いやいやっそんな事を言っては…」
「私なら言いますね、つまり彼らも言います、人間同士は弱肉強食なんですよ隙を見せてはいけません。そもそも冒険者なんて荒くれ家業な連中か、働きたくないニート紛いな連中だと相場が決まってるんですから全うな人間だと考えるのは危険ですよ!っと言うわけで、タワマン!イリュージョン!」
(コイツの尺度って基本がろくでなしなんだよなぁ……)
そして私は残念な視線を向けるカニマツさんと転移しました。
金が絡めば命の恩人すらもボロクソにぬかす所業にカニマツもドン引きであった。
そして再び海のタワマンにバカどもは戻っていった。
外見は日本ではまずお目にかかれないであろうマジでタワーなタワマンである、ドバイ辺りにでも出来てそうな感じのタワマンである。
そんなタワマンの一室にて、まさに死人も同然の人間、ッイヤマーメイドがいた。
年齢は一桁だと思われ、長い銀色の髪と蒼い瞳のとても美しい少女である。
………下半身は普通に足が生えているのでどこがマーメイドなのかと問われると心がっとかふざけた返答しか返せないであろうマーメイドである。
何故なら、彼女は今とても心が傷付いていた。それはもうとんでもなくっ傷つきまくっていたのだ。その証拠にうつ伏せに倒れる彼女の背中にはどす黒いモヤの様な物が張りついていて今にも少女をとり殺しそうな何かである……。
そんな少女の隣には何故かサワガニが佇んでいた、目の前の黒い何かに覆われた死霊少女を前にただ呆然としている。
ズーン。
「……………」
ズーン。
「………おいっマリシア?」
ズーン。
「………………元気を、出せよ」
ズーーーーーーーーーン。
「かっ………カニマツ、さん……」
「っ!なっなんだ!?どうしたマリシア、なんか食うか?」
「いえっそれより私は。起死回生の一手を思いついたかもしれません……」
「は?」
「私達がいた世界では、あの無家賃入居者達の肉を食べると不老不死になるとかって昔話があるじゃないですか!この世界でもその話を広げればあの連中は金の成る木に………」
「正気になるんだぁああああああああああ!」
ブスリ。
「イッタァアアアアアアアアアイ!」
マリシアの身体に張りついていた黒いモヤが霧散して消えた。
「……はっ!わっ私は何を?今何かとんでもない事を言ってませんでしたか?」
「………何もない、気にするな。それよりもう大丈夫か?」
「えっええ、何とか……」
取り敢えず返答する私です。
大丈夫?そんな訳がありませんよ。
リヴァイアサンと言うこの海でも相当な大物との死闘を乗り越えて、その先に手にしたのは入居者の革を被った無家賃入居者達です。流石の私も暗黒面に堕ちると言うものです。
しかし何故か先程までのこの世の全てを憎んでいた心持ちが嘘のように晴れました。カニマツさんのお尻への一撃が効いたのかもしれません、腐っているだけ時間の無駄です。私は何が何でもこのタワマンを億ションにするのだと決めたのですから。
この勝利の代名詞たるタワマンに誓ったのですから。
そこで早速カニマツさんに今後の作戦を相談します。
「とりあえずあの無家賃入居者達は……本当に腹が立ちますが、放っておきましょう。それよりも私のタワマン勝ち組計画が暗礁に乗り上げてしまいました。カニマツさん、何とかなる作戦はないんですか?」
(タワマン勝ち組計画……)
「いっいや、そうだな…取り敢えずだが、外に出てこのタワマンの海上がどうなっているかを見に行かないか?」
「海上の様子ですか?」
それを見てどうなると言うのですかカニマツさん。
「いいか?この海の世界でマーメイド以外でタワーマンションの入居者になんてなりそうなヤツに俺も心当たりがないんだよ」
「なっ何ですと!?」
バカな……この異世界のファンタジー極まる広大な海には他にも多様なファンタジー世界の住人がいる筈なのです、しかしカニマツさんには心当たりが最早存在しないと言うのですか。
「そっそれは幾らなんでも早計ではないですか?マーメイド以外にも何かしら知性を持った生物はいるでしょう?通貨と言う文化を持った存在も……」
「俺が知る限りだが……その知性があって交渉事を満足に行えそうなのはマーメイド以外だとサハギンやマーマンくらいだ、そしてマーメイドがあの有り様じゃソイツらも期待は出来ないんだよな」
カニマツさんの説明によると、サハギンはデカイ魚に人間の腕と足が生えた生物だそうです、マーメイドよりも浅瀬に住むそうですが見た目がキモい為に人間との交流はあまりないとか、そしてマーマンは魚の頭に人間の身体と言うゲームにも出てきそうなヤツだそうです、此方は海の深い場所に集落を作ることからマーメイドと同じく人間との交流はなし、つまり通貨の文化はないとの事。
「なるほど、そうですか……」
「ああっ正直ここまでとは俺も思わなかった、カニとして生を受けてからそこまで金については考えてなかったからな、俺自身まさか通貨の文化がない連中がのうのうとしているとはな……」
それ私も思いました、いくらファンタジーな世界観の異世界とは言え、そんなヤツラまで実装しないでいただきたい。
しかし転生の先輩であるカニマツさんが遂にこの海にタワマンの未来はないと言ってきましたね。恐らく海上に出ている部分のタワマンがタワマンとして十分に機能するなら何かしらやりようがあると考えての提案であると私は見ました。
ならばものは試しです、行くだけ行って見ましょう。
「カニマツさん、行きましょう。ここでどれだけふて腐れていても時間の無駄です、無家賃入居者と言う、絶望の先へ行かねば勝ち組人生と言う未来はないんですから!」
(………絶望(笑)の先、か……)
うん?何かカニマツさんに小バカにされた気配を感じるのは気のせいですかね?。
私はカニマツさんを頭に装備してタワマン転移でエントランスに到着、そのまま外に出ました。
そして海底からタワマンの頂上を目指して泳ぎだします、当初からこのタワマンって海上はどうなっているのか謎でしたから、私としても気にはなっていたのです。まぁ入居者ゲットからの家賃収入生活が優先でしたので後回しにしていた次第です。しかしその計画が頓挫した今、私には新たなカードが必要なのです、タワマンによってお金と幸せと勝ち組人生を手にする為には……。
その第一歩として、取り敢えずこのタワマンについて先ずは知ることから新たに始めるのは悪くない判断だと思います、伊達に先輩風をふかせていませんねカニマツさん。
私はタワマンを横目に海上を目指します、やはりと言うべきかタワマンは延々と延び続けています。本当に海上まで伸びているのかもしれませんね。
「本当に先が見えないな、どうかしている」
「まぁ私の願望を実現したタワマンですからね」
「願望って、どんな願望を実現させたらこんな得体の知れない建造物が出来上がるんだよ」
「私は、勝ち組って連中は兎に角高い所から人や街を見下すのが大好きなイメージがあったんですよ、だからタワマンってやたらと高いのだと考えていたのです」
(………なんだコイツ)
「金持ちって人を見下すのが仕事みたいな人達じゃないですか、だからそんな彼らの心が満たされるタワマンをイメージしたらこんなのが生まれたのだと思うんですよ」
「金持ちへのディスりが半端じゃないなっ…」
そりゃあそうでしょう?私の前世は社畜であり負け組でした。当然勝ち組やお金持ちな上流階級には嫉妬心もひとしおですとも。
世の中のお金持ちみ~んな貧乏になぁれっ!っといつも思っておりましたとも。
「どうした?マリシア、なんか闇を抱えた表情になっているが…」
「なってませんよ」
失礼ですね、闇を抱えた表情ってどんな表情ですか。
「それよりも、そろそろ海上じゃないですか?太陽の光も強くなってきた感じがします」
「太陽って……まぁ見た目まんまだし、俺も太陽呼ばわりしてたから別にいいけどな。確かに海面が近いだろうな」
太陽?ああっここは異世界ですからね、太陽はありませんね、しかし宇宙や星についてなんてファンタジー世界なら大して関係はないですよ、スペースシャトル作って宇宙にでも行ければ太陽系の惑星との違いとか分かったりするのかもしれませんが、そんなの知りません。宇宙ツアーなんて話題はずっと先の話ですよ。
そんな何の関係もない話題について考えていると、海面に到着しました。
海上にあるタワマン。まさに絵画にでもなりそうなのシチュエーションですね、どんな感じか楽しみです。
***
そして海面に顔を出した私です。
そこに広がる光景にあんぐりってなってしまいました、カニマツさんもです。
「………これは」
「なんか、凄いですね」
海上あったのはタワマンです、それは予想通りでした。しかし予想以上の光景が広がっていました。
タワマンは………伸びていました。それはもう延々と、ずーーーっと伸びていました。それはもうっ頂上が雲よりも高くて、海上からでもまるで伺えません。
全長何千メートル超えですかこのタワマンは、まさにロールプレイングゲームとかにある超高難易度ダンジョンとして現れるタイプのヤツですね。外見こそ現代的な、ドバイとかにありそうな最高級な風格が漂うタワマンである事を除けばですが、この圧倒的な存在感は、金なしの小汚ない冒険者など、一歩たりとも足を踏み入れる事など許されない気配を感じます。
「タワマンが、空を突き破るなんて、まさに人間の欲望と傲慢さとはどこまで……」
「うん?いやっ人間というかお前の欲望とかが」
「取り敢えずここにいるとモンスターとか来そうですから中に入れる様にしますね」
カニマツさんのセリフを遮るのに成功しました。
「タワマン!イリュージョン!」
海上に出現したタワマンの一番したの部分が私の言葉に呼応する様に光を纏いました。
やがて光が収まると、そこには海底のタワマンのと同じ様にエントランスゲートが出現していました。
私のタワマン魔法なら外見を弄くるくらいなら訳ないんですよ、フフフッしかし新たにタワマンに作った入り口は、海上よりもある程度高いところに現れました、そこと海面とを繋ぐのは階段です。真っ白な大理石見たいな質感の階段の上にタワマンのエントランスに続く道に繋がっていますね。恐らく塩の満ち引きに対応したものではないかと私は見ました。
画板を魚から人間に変えてから階段を上がります、海面から上がったら服装もスーツに変身します。このカチッとしたスーツのコスが最近の私のお気に入りです。
先が尖った黒い革靴(これも変身能力で作ったパチもん)をカツカツと鳴らしながら階段を上がって行きます、段数は十数段ほどで上るのに一分もかかりませんでした。
そして階段を上った先には見覚えのある入り口が目に入ります、まさにタワマンです、高さがとんでもない事とマジで海上に忽然と現れている点を無視すれば青い海に燦然と輝くタワマンは正に一つの芸術と言っても過言ではありませんね。
「素晴らしいですね、これだけ高い建造物なら海の向こうからでも人が集まってきそうですよ」
「……ソイツらが入居者になってくれるなら文句はないが、どう考えても……」
「それにしてもこの白い大理石見たいな足場はいいですね、もうちょっとこの大理石みたいなのの面積を広げたり出来たりしませんかね?」
(……コイツ、聞きたくない事を無視する様になってきたな、反抗期に入ったのか?)
カニマツさんが黄昏ていますが、私は構わずにこの大理石っぽいヤツを広げたり出来るか試します、イメージとしてはこの床はタワマンの廊下やエントランスに使われているものと同じものに見えます、ならばこの大理石もタワマンの一部としてカテゴリーされている筈です、ならばその面積や形状も私の思いのままになる可能性がある……かもしれません。
ものは試しです。
「タワマンイリュージョン!」
渾身の気持ちを込めてタワマン魔法を発動しました。両手を天に掲げてのポーズですよ。
すると大理石もキラキラし出しました、なのでもっとこう、タワマンの周囲を囲むくらいの変化をイメージしました、すると大理石っぽい部分の面積が広がり始めました!。
ウニョーンって感じでどんどん広がりますね、やがてこの巨大なタワマンの回りを囲む様に白い大理石っぽい床が現れました。
真っ白くツヤツヤと煌めく様は実に青い海に映える光景ですね。
「まさかそんな事にもお前の魔法は使えるのか?それならもっと面積を広げていけば…」
「はいっ恐らくですが、広げられる範囲に限界はないかも知れません。そして能力を上手く使えばこのタワマンがある海上に面白いものを作れるかも知れません」
「面白いもの?それは一体」
「フフフッ……それは、秘密です」
だって、何も考えてなんていませんからね。
こんなのは場の空気を読んでの適当に流しましょうよ、気楽に行きましょうよ気楽に。
白い大理石で海面を自由に侵食出来るからと言って何が出来る訳でもありませんからね。精々私達が足で移動出来る範囲が広がるくらいですかね、斜面とか作ってウォーキングコースとか作ったら人気が出そうですね、しかしここは日陰になるものがないのでウォーキングコースには屋根と言うか、太陽の光を遮る工夫が必要です。風はいい感じのが吹いているのでそこは問題無さそうですが。
まっ作りませんけどね、入居者も居ないのにウォーキングコースなんて作ってる場合じゃありませんよ。
「秘密な、どうせ何も考えてないだけだろう?」
速攻で看破されてしまいましたよ。
「それにしてもお前の魔法は本当に後だしジャンケン見たいに色々と出てくるよな、もっと何か出来んじゃないのか?この際だし、出来る事はちゃんと試せよ?」
「そうですねぇ~」
出来る事と言っても正直何が出来るかなんて私にも分かりませんよ、それに私の目的はちゃんと家賃を払える入居者のゲットです、それを為すためには何処かからか入居者を、やはり人間でしょうかね?そんな彼らを集める必要があります。
しかしここは海のど真ん中、周囲には大陸を思わせるものは全くありません。
完全に青い地平線が続く限りです、せめて視界に僅かにでも山の緑とか見えたら私のマーメイドスイミングが火を噴くのですがね、恐らく数分で泳ぎきる自信がありますよ。
何とかしてこのタワマンのある場所まで入居者候補を呼び寄せる必要があります。
「はぁっせめてタワマンの内部で出来る転移が外でも出来れば……」
「確かにな、それが出来れば大陸からでも人を呼べるかもしれないのにな…」
「ははっまぁ外からタワマン内部に好きに出入り出来たりしたら、それはそれで面倒がありそうですから仕方ないですよね。せめてタワマンの出入り口付近になら転移出来るゲートとかがあると……っあ!」
言っていて気づきました。内部に限った話ですが好きな階層に転移出来る能力を入居者全員に与える我がタワマンです、ならばもしかしたら。
私は額に人差し指をツンツンしながら交信をする人見たいな姿です。
タワマンよ応答せよ。
タワマンよ応答せよ。
コチラ、マリシアである。
タワマン魔法よ私には新たな力が必要です、一度に大量の人を瞬間移動させるとか、ドアをくぐると行きたい所にいける未来な道具とかを施設として実装をお願いします。
ドクンッ!きた、来ましたよー!。
すると私の傍らにメニューが開きました。
これは成功の予感がしますね。
【施設『ワープゲート』を解放しますか?】
イェス!来ましたよホラホラーーーッ!。
私はテンションを上げて施設の解放を選択しました。出でよワープゲート!。
「タワマンイリュージョン!」
私とカニマツさんの目の前に青い魔法陣がブォンッと低い音をたてて出現しました。
「これがワープゲートですか?」
「その手のゲームとかにありそうな、如何にもな感じだな、俺もワープゲートなんて初めて見るからさっぱりわからんが」
確かにそうです、魔法陣は時計回りにゆっくりと回転していますね。どうやらドアタイプのヤツではなく、青い渦と言うか旅のあれ的な感じのが出て来てしまいましたよ。
恐らくこれに乗れば何処かに、あるいは行きたい所に転移する仕組みの筈、ここはメニューの出番ですね。
【ワープゲート】
【この魔法陣から行けるの場所は以下の通りです】
『ハジマリノ町』
え?始まりの町?リストにはこれしかありませんよ?。
カニマツさんが覗き混んで来ました。
「どうやらまだ行けるのは、このハジマリノ町だけらしいな。しかし変な名前だな、なんだよこのふざけた名前は」
カニマツさんの疑問も最もですよ、メニューよ、何か説明してくださいよ何も情報のない町に行けると言われてもはいっ行きますなんて言うわけにはいかないでしょうに、ここは治安だとかその辺りが未知数な異世界なんですから。
【ハジマリノ町】
【港町であり大陸の玄関口として扱われる比較的大きな町であり治安は良い。】
なっなるほど、まぁ治安が良いなら問題なさそうですね。
「これなら問題なく行けそうですね」
「本当に行くのか?転移した先がどうなってるのかとかどの辺りに転移するのかまるで分からないんだぞ?」
「だからこそですね、このワープゲートがどれだけの代物かを知るには私自身で確かめなくてはいけませんから」
「わかった、なら俺も行こう」
「ありがとうございますカニマツさん」
私は礼を言います。
「ああっだがそのスーツ姿は目立つだろうな、まるで七五三か何かのコスプレだ。この世界は剣と魔法のファンタジー世界だ、もう少しこの世界にあった服装とか出来ないのか?」
私はブーたれます。何ですか服くらい好きなもので良いと思いますけど、このスーツ悪くないと思いますよ?まぁファンタジーな世界なら浮くのは事実だと思いますけど。
そこで私は自身の変身能力で服装をチェンジします、三回程変えて見た結果、やっとカニマツさんからオーケーを貰いました。
服装はまさに村人の服って感じのヤツですね。
「では、このワープゲートに乗ってみますね」
遂にワープゲートの試運転です、訳の分からない場所に転移するとかのお約束は不要ですからねっと心の中では念を押しておく私です。
チョンッと乗ってみます、すると魔法陣はその輝きを更に増して………。
***
そして気がつくと、目の前には城の城壁を思わせるとても巨大な壁がありました。
これはまさかっと思い急いで距離を取ります、すると町とやらの外観を大まかに理解出来ました、やはりこの町はファンタジーな物語でお約束のぐるっと壁に囲まれた城塞都市見たいなヤツですね。間違っても町ではない規模だと伺えるのですが。
「……これが町ですか?」
「この世界ではモンスターがあちこちにいるからな、人間にしろ他の種族にしろ生きるためにはある程度は集まってからじゃないと危険に対処出来ないからな」
それにしてもですよ、これが町なら都会はどうなってんですか?気にならないと言えば嘘になりますね。
「取り敢えず壁を横目に移動すればいずれは町の入り口にたどり着く筈だ、それまでは歩きだな」
「歩きですか……」
入り口なんてまるで見えません、それなのに歩くとかマジですかいな。
そして歩くこと30分程くらいはたったと自負している私です。しかし入り口は未だに見えてこず。
「もう面倒なので、この壁をタワマンイリュージョンしても良いですか?」
「壁を破壊する気だな?ダメに決まってるだろ、お前のタワマンと違って普通の町とかはそんなポンポンと新しいのが出てきたりしないんだよ」
カニマツさんに叱られました、仕方ないのでまた歩くのを再開しょうとした時です。
「ガアアアアッ!」
如何にもな変な鳴き声を耳にした私です。
声のした方を見ると緑色をしたブサイクな小人が此方をにらんできてます。
「ゴブリンだな」
「ゴブリンですねぇ」
みたまんまのゴブリンです、残念ながら言葉を話すタイプではないのかさっきから不快な声を吐き散らかすのみです。
「ガギャアアアアアアアアアアッ!」
おっと、更に此方に突進して来ましたね、敵意ッイヤ殺気ですかね?それを全身にみなぎらせながらの特攻です。
巨大なサメすら一撃で沈める私に、全長何百メートルあるかと言う超巨大なリヴァイアサンすら退けるこの私を相手に、身長150センチかそこらの小人ごときがププッお笑い草ですね。
「良いでしょう、ロープレにおいてスライムと並び最弱の名を冠するゴブリンごときがこのチート持ち転生者の私に勝てるとでも……」
「ギャアガアアアアアアッ!」
ゴブリンは手にしたこん棒で私に一撃を入れようとします、私はそれを華麗にかわして…。
ボグッ。
ゴブリンの攻撃。
マリシアは50のダメージを受けた。
マリシアは瀕死となった。
「マッ!マリシアーーーーー!」
「がっ!ガハァッ!ばっバカな……」
痛いです。限りなく痛いですよカニマツさん。
何故にサメにかじられても痛くも痒くなかった我が身がゴブリンごときに殺られそうなっているのですか?このゴブリンは突然変異とかで超強いヤツなんですかね?。
「このゴブリン野郎!食らえっ!クラブストライク!」
「ギャアアアアッ!」
カニマツさんの一撃でゴブリンは仰向けにぶっ倒れました。
サワガニのハサミで鼻をブスッとやられただけで倒されましたよ。
どうやら普通に雑魚であったようです。
「………………ぐふっ」
死ぬほど痛いです、だって顔面にこん棒を受けてしまいましたからね。華麗にかわすとか何を言ってるんですか私は……。
まるでギャグマンガの如く顔にめり込んだこん棒の感触が……。
「マリシア!大丈夫か!?あんな雑魚中の雑魚にやられるなんて何があったんだ!」
「すっ……すみません、私にもさっぱりです」
ヤバいですね、死にそうですよ。
そこに人の声がしました。
「おいっ!どうしたんだ!?」
「まさかゴブリンに殺られたの!?」
「すぐに回復を……!」
「何で壁外に人間が…」
それはまさに冒険者って感じの格好をした方々がゾロゾロと、どうやら助けられた私です。
そこで安心した私は気を失いました。
気がつくと私は壁の内側、つまりハジマリノ町内部に入り込めた様です。
いるのは何処かの部屋でベッドの上に寝かせられている私です。
いるのは私とカニマツさんだけです、人が来ないうちに情報の共有をしますか。
「カニマツさん、ここは?」
「ハジマリノ町にある病院みたいな施設だと思え、怪我事態は回復魔法で治ったが無理はするなよ?」
「カニマツさんも中に入れたんですね」
「お前の服の中に隠れたんだよ、喋るカニなんて怪しすぎるからな」
それを分かっていて流暢に喋る謎なカニですね。しかし命を救われたのは事実なので礼を言っておきます。
「カニマツさん、ありがとうございました」
「礼はいい、それよりもなんでゴブリン何かにやられた?あの時のお前の動きは明らかに遅かった、いくらマーメイドって言っても足は普通に二足歩行に適応しているのに……」
確かにそうです、あの時私は完璧に敵の動きを見切っていました。それなのにやられたのは簡単です、私の身体が遅すぎたのです。
マーメイドだからって陸で呼吸が出来ない訳でもないのに、一体どういう事なんでしょうか?。
「理由は、全く分かりませんよ。私自身身体に不調や違和感があった訳でもないのに、身体だ異様に遅く動くし、力も大して出ませんでしたから……」
「そうかっまぁ町に入ってしまえばモンスターと戦う事にはならない筈だし、どうとでもなるだろうが」
「ですかね?ならこれからどうします?」
ここが病院みたいな施設なら、入院とかさせられたら堪りませんね、それに退院するにしてもお金を請求される可能性もあります。
そして私達は無一文です。
「カニマツさん」
「ああっお前の身体が平気ならさっさと脱出するぞ、こっちは金なんてないんだし、入院なんてさせられたら面倒しかないからな!」
流石はカニマツさん、私と思考回路が同じですね。貧乏人はそう気軽には病院に通えません、お金しかり単純に休日がなかったりです、きっとこのカニマツさんもその辺りは似たり寄ったりな人生を生きてきたのではないかと思います。
「それでは早速この病院を脱出しましょう!」
「よしっ!行くぞマリシア!」
病院は三階建て程の高さしかない施設でした、人目につくことなく脱出するのは朝飯前ですね。
そして無事に金を払わずに病院を脱出した私です、町の様子を見ると思わず感心しました。
「本当に剣と魔法のファンタジー世界って中世な雰囲気なんですね」
「まあなっそれに冒険者もいるし冒険者ギルドもあるぞ?」
軽く感動している私です。この町はやはり町と言うよりも都市ですね都市、行き交う人々の数も多く、かなり栄えている印象を受けます。
屋根が赤かったり青かったりとカラフルです、そしてレンガ造りでまんまゲームの背景とかにある感じでですね。
実にいいですね。こんな風景の町並みを実際に一度は見てみたかったんです。
「それでマリシア、これからどうするんだ?タワーマンションの入居者を確保するにしてもこの町に家がある奴らが海の向こうのタワーマンションに住むと思うか?」
「………フフフフフッ何を言ってるんですかカニマツさん?」
「ん?マリシア、まさかお前……」
そうっ私は気づいたんですよ。
「なぁんで!あんな無家賃入居者が巣くっているタワマンに戻る必要があるんですか!?せっかく陸地に上がって、文明を理解する人類に出会えたんですよ!?最早あんな失敗作など無かったことにして、ここでタワマン勝ち組計画を再開するのですよ!」
(………この下衆の極み野郎がぁぁぁぁぁぁぁ!)
カニマツさんが私の頭の上でプルプルしています、足が尖ってるので少し痛いですね。
「もうっあの海のタワマンの事は……忘れましょう。あれはただのチュートリアルだったんですよ、町に来てからが異世界ファンタジーの物語の始まりなんですよ、この町も始まりの町とかって名前ですしね」
「…………そっそれで?この町の中にタワマンを建てるのか?流石に異世界でも土地やら建物には税金の類いがかかるからな?」
なっ!?ファンタジー世界にぜっ税金があるんですか!?そんなバカな、何の為に文明レベルが低い世界に来たと思っているんですか!そんなリアルな部分は一切要らないんですよ、もっとこうフワッとして行きましょうよ。
「なんか、また下衆い事を考えてるよな?いやっ失礼な事をか?」
「失礼ですね、私はただこの文明がちゃんとある所で一旗あげようと全うな提案をしているだけですよ」
「しかしタワマンを経営するにしても人間の町でのルールとかがあるだろう?その辺りの情報がとにかく足りなすぎるんだよ」
情報、情報ですか。確かに以前のマーメイド達の時はまさかと言う展開でしたからね、万が一が起きて足元をすくわれかねないのが異世界です、私は同じ失敗を二度は繰り返さないマーメイドなのですよ。
「カニマツさん、ファンタジー世界で情報と言えば、私にも心当たりがあります」
「心当たり?」
「はいっ恐らくこれだけ大きな都市であれば間違いなくあの場所がある筈です」
私が自信満々に語るとカニマツさんを頭に乗せて目的地まで行きます。
***
「たくっなんで酒場にこんなガキがきてんだよ!オラッさっさと出てけよ!」
「はっ離して下さい、私にはここで集めなければならない情報がぁーーー!」
(………バカだコイツは)
そして私は酒場のマッチョで怖い顔の店員に外に放り出されてしまいました。
ポイッ。
「ふぎゅっ!」
「もうくんじゃねぇぞ!」
「なっ……まっまって下さい!情報が集まると言えばここでしょうが!困るんですよ他に宛なんて……」
しかし私の言葉は聞き入れられず、無情にもその扉は閉じられてしまいました。
またあの怖い顔に怒られるのは勘弁です、私は諦めてトボトボと歩き出します。
しょんぼりな私にカニマツさんが話をふります。
「なぁっなんで情報で酒場なんだよ?」
「私がよく読んでいたファンタジー小説なら大体知りたい事は酒場に集まった冒険者や町の人間に話を聞くものなんですよ」
(コイツ、まさかのゲームの知識止まりな情報で酒場になんて来たのかよ!)
「あのなぁ、酒場なんて柄の悪い連中の巣窟だぞ。あんな所に子供が一人でいっても追い返されるのが当たり前だろうが、むしろそれですんで良かったと思えよ、まだ昼間だから良かったものの……」
お節介なオバサンと化したカニマツさんです。
「けど異世界ならお酒を飲める年齢とかなかったりしないんですか?全て自己責任でみたいな」
「それでもお前の外見はアウトだろう、一応この世界でも酒は二十歳だからな」
「え~?それじゃあ私は何の為に異世界に転生したんですか!」
「少なくとも酒飲むためじゃねぇだろ!」
カニマツさんとやいのやいのやっていると周囲の視線を感じました。流石にカニマツさんの存在には気づいてはいないみたいです、つまり彼らや彼女には私が独り言でやいのやいのとやっていると見られていた訳です。
スッゴい恥ずかしいですね。
「カニマツさん、取り敢えず場所を移しましょう」
カニマツさんと共に急ぎ足で移動する私です。
場所は町全体を見渡せる高台らしき場所に来ました、人の姿もまばらでここならカニマツさんと話をしても問題ないでしょう。
所でさっきからカニマツさんが何やら考え事をしているのです、一体どうしたんですかね?。
「カニマツさん、どうしたんですか?」
「ああっちょっとな、マリシア、お前あのゴブリンとの戦いの時にえらく動きが悪かったよな?」
カニマツさんがいきなりな事を言ってきます、まぁあの時に何が起きたのか、その原因の究明は大事です、まさか同じ失敗をしてゴブリンにボコられるなんて二度とゴメンですからね。
「しかし、そう言われても私には全く動きが悪くなる理由に心当たりがないんです、カニマツさんには何かあるんですか?」
「……まぁ一応はっな」
え?あるんですか!?流石はカニマツさん!………っいえこのサワガニは見直すとこちらの期待を裏切ってくる手合です、あまり安易に期待をするべきではありません。
カニマツも全く同じ感想をマリシアに持っている、似た者同士であった。
「いいか?マリシア、まずお前はここでタワマン魔法を使ってみろ」
「は?ここで?いやいやっそんな事をしたら町がパニックになりますよ?」
何しろ私のタワマン魔法は見上げる程に巨大なタワマンを生み出す魔法です、こんな周囲に建物がいっぱいある場所で使うとかかなり危険な行動ですよカニマツさん。
「いやっ恐らく俺の予想が当たっていれば…」
「予想?」
「良いから使って見ろよ、そしたらすぐに分かるから」
「わっわかりましたよ…」
私は少し力を抜いてタワマン魔法を使います。
「タワマンイリュージョン」
すると魔法陣が現れました。
「は!?」
私はその大きさに愕然としました。
何故ならその魔法陣の大きさが10センチもない小さなものだったからです。本来なら数十メートルはあるはずの魔法陣がですよ?これはいくら何でもオカシイです。
そして現れたタワマンもまた異変に満ちていました。
「こっこれは………っ!?」
「………やっぱりな」
そこには魔法陣からニュッと生えた………ミニチュアサイズのタワマンがあったのです。
直径数センチ、高さも十数センチ程度のまさにミニチュアのタワマンです。
それを見たカニマツさんがおもむろに私に聞いてきました。
「マリシア。お前のセットしている称号について教えろ」
「はっはい?称号?」
称号、称号?確かにどこかで……っあ!。
私は慌ててメニューを開きました。
名前:マリシア
性別:女
種族:マーメイド
称号:『神海の人魚』
保有魔法:『タワマン魔法)
保有特殊能力:『水中会話』『泳ぎ』『変身能力』『気配感知』
そうそうっ確かこんな感じでしたね。最初に見ただけでしたからその存在を忘れてましたね。
「ええっと称号ですね?」
見るとそこには神海の人魚と記されていました。
「神海の人魚?何ですかね神海って、このファンタジーな世界には神様がいる海とか実際にあるんですか?」
カニマツさんを手に乗せてメニューを見せながら話をします、しかしカニマツさんは黙ってしまいました。
少し待つとカニマツさんが再起動しました、早く私のタワマンのミニチュア化について説明をしていただきたい次第です。
「理由は分かりましたか?」
「ああっまずはこの『神海』については俺もさっぱりだ。しかしお前のあの異常な強さの理由は分かった……」
「異常な……強さですか?」
人を捕まえて異常とは何ですか異常とは。
「いいか?そもそもチート貰って転生したからって、生まれてからたった数日しか経ってないお前がリヴァイアサンなんと大物を倒すとか本来あり得ないんだよ」
「あり得ないと言われましても……」
いきなりな物言いに私は慌てて困惑します。
「あーっいや、そうだな。いきなりそんな事を言われても流石にお前でも困るよな、すまない。んーそれじゃあまずは『称号』について話すか。お前が海でなら何でリヴァイアサンにも勝てたのかって話だ…」
「はっはあっ称号っ…ですか?」
確かにメニューではそんなのがありました。
ゲームのステータス画面なら称号とかよりも、レベルとかステータスの数字とかが出てくるんじゃないのですか?って思ってました。
「まず、このメニューには俺達の情報はあまり出てこない。名前や性別や種族くらいだ、本来ならゲーム見たいな感じならレベルだステータスだとかが出るもんだろうが、このメニューにはそんなの一切出ない」
「それは私も思ってました。それなのに称号なんて、変わったものがあると感じていました」
「そうだな、お陰で俺達は自分の強さとかをいまいち把握できなかった、けどな実はこの『称号』ってのがそれを教えているのさ」
え?こんなのが?っとは口に出かかった言葉です。
「いいか?この『称号』ってのはそいつの総合的な強さを示す、細かい説明は省くが。つまりは強そうな称号のヤツはマジで強いんだよ、例えば竜殺しとかなんとかの勇者とかな。他にも賢者やら聖女やらとそんな言葉が『称号』に記されているヤツらは本当に化け物だよ」
「『称号』一つでそこまで分かるものなんですか?」
「ああっ何故ならこの『称号』はそれを持つものに恩恵とも言うべき特別な力を与えるんだ、ものによっちゃあ素手でドラゴンを倒したりする力とかな……」
「恩恵っですか…」
まるで実際に相対した様なもの言いをするカニマツさんです、まさか本当に世界を旅してたりしてるんでしょうかね?。
「そしてマリシア、お前の『称号』は『神海の人魚』だな?その称号には『神』っと言う言葉があるな?つまり本当にお前には神に比肩するだけの『力』があるんだよ」
「かっ神ですか?」
いきなりそんな大それた事を言われても、まぁタワマン勝ち組計画が成就して、億ションのオーナーとなった暁には、神を名乗るのもやぶさかではありませんよ?何しろ億ションのオーナーですからね。
「しかしそれなら何故に私はゴブリンにボロ負けしてしまったんですか?」
「………それは、恐らく『称号』の『人魚』って部分だな」
「はい?」
「いいか、よく聞けよ?お前の『称号』はな……」
「………?」
「海の中、そして海上においては最強の力をお前に与えるが!、その代わり地上にあがると超絶な弱体化を引き起こす代物なんだよ!」
「なっなななななな!なぁんでぇすとぉおおおおおおおおおおお!?」
私は落雷で全身を木っ端微塵に吹っ飛ばされる感覚を覚えました。
「ちょっちょっと待ってくださいよカニマツさん!何ですかそのふざけた話は!?」
「ふざけてなんてない、これ以外にお前の能力を説明できん。お前は海では無敵の代わりに地上では最弱よりも弱いクソザコキングになってしまうんだよ」
クソザコキングとは何ですか!おのれこのサワガニわぁ~。
「いいか?元々人魚、つまりマーメイドは陸地に上がる事なんて殆どない種族なんだ、そんなのが『称号』に含まれる時点で何かしら海にいることで恩恵を受けているとは思ってたんだよ、そしてその恩恵が大きければ大きい程にデメリットがある『称号』があるのさ、お前のは恩恵が大きすぎたんだろうな、その代償が地上での弱体化って訳だ」
「じゃっじゃあ、私のあの小さなタワマンは…」
「ああっ恐らくお前のタワマン魔法は……地上では何の力も発揮出来ない。超絶クソザコ魔法になっちまうんだよ」
カニマツさんの言葉に私は言葉を失いました。
まさかこの私のタワマン魔法が海限定の最強魔法だったとは、これでは地上でタワマンを経営して王道的に家賃収入を得る計画が破綻してしまうではないですか。
どうすれば、どうすればいいんでしょう。
このまま私は再び絶望に呑み込まれてしまうのですか?私は……私は……。
「………いえっそれはダメです」
そうです、私は知ったのです。絶望に膝を屈し、うずくまっていても何も変わりません。
行動を起こす事でしか、何も変える事は出来ないのです。
私には、夢があります。
そうっ私はタワマンのオーナーとなり楽勝モードでこの異世界を謳歌するのです。
家賃収入で生活を潤し。
不労収入で遊んで。
権利収入で負け組の頬をひっぱたくのです。
ちんけな小金を稼いで天狗になる成金どもを討ち滅ぼし、この異世界にマリシアタワマン帝国を築き上げるですよ!。
その為にも…。
「カニマツさん、私には、目指すべき先があるのです。その程度の絶望では、私は止まりませんよ」
「……マリシア」
(なんか格好よさげな事を言ってるけど、どうせろくでもない事を考えてんだろうなぁ……)
決意に満ちた主人公を彷彿とさせる私を、カニマツさんは微妙な感じの視線を送ってきます。
そしてこれからの事を話しましょうか。
「大丈夫です、私に考えがありま…」
私が発言をしようとした時です。
「あっ!あんなとこにいたぞっ!」
「え?」
「なんだ?」
いきなり大きな声を上げる冒険者風の男の人がいます。
「ん?おい、あの冒険者は」
「知っているんですか?カニマツさん?」
すると更に数名の方々が集まって来ました。
「こらっ!病院を抜け出して何をやってるんだ!」
「っ!ヤバいです、ワープゲートで逃げますよカニマツさん!」
「いやっあれ、お前を助けた冒険者だぞ?別に問題は……」
何を言ってるんですかこのサワガニは。
此方がまごまごしているうちに他の冒険者達も此方に接近しはじめました、厄介ですね。
「いいですか?命を助けたあの冒険者は間違いなく助けた事につけこんでお金を請求してきます、しかし私達は無一文です、払えるものがありません」
「いやいやっそんな事を言っては…」
「私なら言いますね、つまり彼らも言います、人間同士は弱肉強食なんですよ隙を見せてはいけません。そもそも冒険者なんて荒くれ家業な連中か、働きたくないニート紛いな連中だと相場が決まってるんですから全うな人間だと考えるのは危険ですよ!っと言うわけで、タワマン!イリュージョン!」
(コイツの尺度って基本がろくでなしなんだよなぁ……)
そして私は残念な視線を向けるカニマツさんと転移しました。
金が絡めば命の恩人すらもボロクソにぬかす所業にカニマツもドン引きであった。
そして再び海のタワマンにバカどもは戻っていった。
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