夏の終わりに君が消えた

ぼの

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第15話 最後

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僕らは高校三年生になった。

5月に中間テスト、7月の初旬に期末テストが行われる。

そのテストの結果で、受験に使う成績が確定する。

「進路とか考えてるー?」

「テスト自信ないよー」

「まだ勉強してないわ」

以前に比べてクラスからはテストのことについての会話が増え、教室の隅で勉強している僕の耳にも届く。

「なあ大塚! 数学のここの範囲教えてくれね? 」

「あぁ、ここはこの解放で......」

近くの席の春太が聞く。
以前からテストの成績の伸びが目に見えるようになり、僕に勉強を聞く友達も増えていた。

部活の有無に関わらず、授業中も休み時間も、とにかく時間を無駄にしないように勉強に没頭していた。

電車の中では単語帳や暗記ノートを見ている生徒が増え、スマホを観ている生徒は少なくなった。

三年生にとって最後のテスト。
当たり前のことではあるが、成績に関わる最後のテストと言うことで、テストの平均点は爆上がりすることは明確だ。

中間テスト当日。科目数は少ないが、この結果によって実力と周りの本気度がわかる。

そのテストの難易度は先生の性格によって異なり、恐らく今回のテストを普段より簡単にしているテストは、期末で難しくなる傾向が高い。

理系に進んだ僕にとって、暗記することが少ないのが幸いだ。

テスト週間は部活も休みになるため、体が訛ってしまう。
でも今はそんなことを言ってる場合じゃない。

テストの日は午前中で終わるため、早く家に帰れて勉強出来ることも僕にとって嬉しい。

最終日を終え、家に帰ってから総復習をした。教科書や参考書を見ながら答え合わせをして、いくつかの悔いを発見してしまう。

テストが返ってきて、自分の点数を見る。
どうやら全体的な平均は75くらいかと想像していた。

しかしクラスの平均はとても高く、高い点数を取れて嬉しかった科目でさえ、クラスの中間くらいにいることがとても悔しかった。































7月の初旬。

僕は部活を引退した。
あと一歩で県大会に出場できたが、強豪校にあたり今までの全てを出し尽くしたが、勝てなかった。

悔いはなかった。
部活を引退して勉強に集中できると、心の中でポジティブに考えていた。

今日僕は母と先生の三人で三者面談。凡そ進路のことについて話すだけだろう。

「二年生の後期から特に成績が良くなってきまして、この成績ですと都心のこの辺の大学に......」

先生が僕の学力に見合った大学をいくつか候補にあげ、また推薦を勝ち取れるであろう大学名を隅々まで教えてくれた。

特にこれと言ってやりたいことが決まった訳では無い。

僕はあの日からずっと勉強してきたんだ。それなりの結果でそれなりの大学へは行きたいと考えていた。






学校を出たのは午後四時過ぎ。

僕の元に一通のLINEが届く。

「久しぶり。 明日会えるかな? 」
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