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迷子の竜、お城に行く
城下町甘味探検
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Sideコニー
コニーとポチはお城に来てから、ずっとお城の中にこもっていたわけではない。
もちろんお城の中だって、探検のしがいがあるほどに広いのだが、ムダに行動的であるコニーとポチにとっては、二日で飽きた。どこへ行っても同じ雰囲気だからというのも理由の一つだ。
唯一面白かったのは、おじさんの研究室だった。同じおじさんでも、こちらのおじさんは都にいるおじさんよりも面白いものがいっぱいあった。なんでも魔術道具の研究しているのだそうだ。
以前に使ったポチとおしゃべりできる道具だって、このおじさんが昔作ったのだそうだ。いわゆるコニーとポチの恩人である。だからコニーはおじさんが大好きだ。
しかしコニーの愛はおじさんには通じない。いろんな道具を力加減を間違えて壊したせいで、三日間の研究室出入り禁止を喰らった。今は大事な道具作成の真っ最中であるのだと言われれば、大人しくするしかないコニーであった。
そのせいでヒマをもてあましたコニーとポチは、城下町へ美味しいものめぐりをしに行くことにした。
「ここの名物の甘いものってなにかなぁ」
コニーがキョロキョロしていると。
「我はあいすくりーむなるものに興味があるのである」
ポチはなにやら気になるものを見つけたらしい。
確かに、あちこちの店にあいすくりーむという看板が出ている。あいすくりーむとは何だろう。コニーはそこいらのお店の店員さんに聞いてみた。
「おねーさん、あいすくりーむってなんですか?」
「あら坊やいらっしゃい。あいすくりーむはね、冷たいデザートのことよ」
店員さんさは説明してくれたが、コニーには想像できない。コニーが住んでいるあたりは山の麓で、比較的寒い地域であるため、冷たい食べ物というものを食べる習慣が無いのだ。
首を傾げるコニーとポチに、店員さんは「試食だからね」とスプーンにあいすくりーむなるものをのせてくれた。それをコニーはぱくりと口に含む。
「冷たい! 甘い!」
初めての食感に、コニーはびっくりした。
「ずるい! 我のぶんはないのか?」
ポチも欲しがっているので、ちょっぴりの量をコニーの手のひらに乗せてもらった。それをポチの口元に持っていくと、ぺロリとなめた。
「冷たいのである!」
美味しかったらしく、尻尾をブンブン振っている。
「そうでしょう? 味付けだっていろいろあるわよ」
店員さんはそう言って、ガラスケースの中を一つ一つ説明してくれた。
「どれにしようかなー」
「我はイチゴがいいのである」
コニーとポチはべったりとガラスケースに貼りついた。
「そうだ、おじさんにもお土産に持っていってあげようっと」
そうすれば部屋に入れてくれるかもしれない。
そんなことを考えるコニーは意外としたたかだった。
Sideポチ
コニーがあいすくりーむを魔術師であるおじさんの元に持っていくというので、ポチも母にお土産に持っていってみることにした。
冷たいあいすくりーむが溶けないように、専用の箱に詰めてもらう。念のためにコニーが冷却の魔術をかけてくれた。その箱は今ポチの背に背負われている。
竜の口に入ることを考えれば少量であるが、この量を人間が一人で食べれば確実に腹を壊すであろう。
まずは魔術師の部屋へ行く。
「こんにちわー」
「……コニーか」
休憩時間だったらしく、魔術師は部屋へ入れてくれた。
がしかし。
ガシャン! ボフッ!
コニーが道具を壊したため、早々に叩き出された。
それでも懲りないコニーは。
「また来るね~」
そう言って部屋を出て行った。
コニーは怪力なだけでなく、神経も図太いのだ。
次に母のところへ行く。
が、ポチ的に作戦失敗。
「まあまあまあまあどうしたのかしら坊やちゃん」
ドスドス、と地響きをあげてこちらに近寄ってくる母はいいとする。
「我が子よ、城に行くなら一声かけてくれればよいものを」
なんとその後ろに、いなくてもいいのに父がいた。
「あれ、ポチのとーちゃんだ。なんでいるんだろうね?」
そう呟くコニーに、父が気落ちさせて影を背負った。
「……いてはダメなのかい?」
その場のジメジメ感が増したことに、ポチがイラッとした。
「何故来た父」
冷たいポチの態度に、今度は丸まっていじける父。その姿は小山のようであり、コニーが登りたそうにしている。
いじけて静かになった父を無視して、ポチは母へお土産を渡す。
「母、これは今日コニーと食してきた、あいすくりーむという人間の食べ物である」
ポチは背負っていた箱を卸して、母の元へ押しやる。
「あらあ、坊やちゃんって人間の文化に興味があるのね、文化交流は食からですものね、とってもかしこいわぁ坊やちゃん」
相変わらずのマシンガントークぶりだが、母はその間にもポチが持ってきた箱の中身に興味深々である。
コニーに箱を開けてもらうと、冷却魔術のおかげでいい具合に冷えているあいすくりーむがあった。ちなみにポチの気に入りのイチゴ味である。
「口を開けてー」
コニーが箱を持つと、母にそう告げた。母が身を伏せて
「あーん」
と口を開けたので、箱の中身が丸ごと口の中に放り込まれた。
「まあ冷たい! 不思議な食べ物だわぁ」
母が目を丸くして、あいすくりーむをごっくんと一口で飲み込んだ。
「人間の食べ物もいいものね、こんど他のものも食べてみたいわぁ」
母が喜んでくれたので、ポチも満足である。
「また何か買ってくるのである」
いつかぜひとも、コニーの母の手作りりんごパイを食べてもらいたいものだ。あれこそが人間の食べ物の中でも、ポチのイチオシなのだから。
「まああ! 母親思いの坊やちゃんだわ、うれしいわぁ!」
母は感激していた。持ってきた甲斐があったというものだ。
一方で。
「我が子よ、父のぶんはないのか……?」
父はあいかわらず小山でいじけていた。
コニーとポチはお城に来てから、ずっとお城の中にこもっていたわけではない。
もちろんお城の中だって、探検のしがいがあるほどに広いのだが、ムダに行動的であるコニーとポチにとっては、二日で飽きた。どこへ行っても同じ雰囲気だからというのも理由の一つだ。
唯一面白かったのは、おじさんの研究室だった。同じおじさんでも、こちらのおじさんは都にいるおじさんよりも面白いものがいっぱいあった。なんでも魔術道具の研究しているのだそうだ。
以前に使ったポチとおしゃべりできる道具だって、このおじさんが昔作ったのだそうだ。いわゆるコニーとポチの恩人である。だからコニーはおじさんが大好きだ。
しかしコニーの愛はおじさんには通じない。いろんな道具を力加減を間違えて壊したせいで、三日間の研究室出入り禁止を喰らった。今は大事な道具作成の真っ最中であるのだと言われれば、大人しくするしかないコニーであった。
そのせいでヒマをもてあましたコニーとポチは、城下町へ美味しいものめぐりをしに行くことにした。
「ここの名物の甘いものってなにかなぁ」
コニーがキョロキョロしていると。
「我はあいすくりーむなるものに興味があるのである」
ポチはなにやら気になるものを見つけたらしい。
確かに、あちこちの店にあいすくりーむという看板が出ている。あいすくりーむとは何だろう。コニーはそこいらのお店の店員さんに聞いてみた。
「おねーさん、あいすくりーむってなんですか?」
「あら坊やいらっしゃい。あいすくりーむはね、冷たいデザートのことよ」
店員さんさは説明してくれたが、コニーには想像できない。コニーが住んでいるあたりは山の麓で、比較的寒い地域であるため、冷たい食べ物というものを食べる習慣が無いのだ。
首を傾げるコニーとポチに、店員さんは「試食だからね」とスプーンにあいすくりーむなるものをのせてくれた。それをコニーはぱくりと口に含む。
「冷たい! 甘い!」
初めての食感に、コニーはびっくりした。
「ずるい! 我のぶんはないのか?」
ポチも欲しがっているので、ちょっぴりの量をコニーの手のひらに乗せてもらった。それをポチの口元に持っていくと、ぺロリとなめた。
「冷たいのである!」
美味しかったらしく、尻尾をブンブン振っている。
「そうでしょう? 味付けだっていろいろあるわよ」
店員さんはそう言って、ガラスケースの中を一つ一つ説明してくれた。
「どれにしようかなー」
「我はイチゴがいいのである」
コニーとポチはべったりとガラスケースに貼りついた。
「そうだ、おじさんにもお土産に持っていってあげようっと」
そうすれば部屋に入れてくれるかもしれない。
そんなことを考えるコニーは意外としたたかだった。
Sideポチ
コニーがあいすくりーむを魔術師であるおじさんの元に持っていくというので、ポチも母にお土産に持っていってみることにした。
冷たいあいすくりーむが溶けないように、専用の箱に詰めてもらう。念のためにコニーが冷却の魔術をかけてくれた。その箱は今ポチの背に背負われている。
竜の口に入ることを考えれば少量であるが、この量を人間が一人で食べれば確実に腹を壊すであろう。
まずは魔術師の部屋へ行く。
「こんにちわー」
「……コニーか」
休憩時間だったらしく、魔術師は部屋へ入れてくれた。
がしかし。
ガシャン! ボフッ!
コニーが道具を壊したため、早々に叩き出された。
それでも懲りないコニーは。
「また来るね~」
そう言って部屋を出て行った。
コニーは怪力なだけでなく、神経も図太いのだ。
次に母のところへ行く。
が、ポチ的に作戦失敗。
「まあまあまあまあどうしたのかしら坊やちゃん」
ドスドス、と地響きをあげてこちらに近寄ってくる母はいいとする。
「我が子よ、城に行くなら一声かけてくれればよいものを」
なんとその後ろに、いなくてもいいのに父がいた。
「あれ、ポチのとーちゃんだ。なんでいるんだろうね?」
そう呟くコニーに、父が気落ちさせて影を背負った。
「……いてはダメなのかい?」
その場のジメジメ感が増したことに、ポチがイラッとした。
「何故来た父」
冷たいポチの態度に、今度は丸まっていじける父。その姿は小山のようであり、コニーが登りたそうにしている。
いじけて静かになった父を無視して、ポチは母へお土産を渡す。
「母、これは今日コニーと食してきた、あいすくりーむという人間の食べ物である」
ポチは背負っていた箱を卸して、母の元へ押しやる。
「あらあ、坊やちゃんって人間の文化に興味があるのね、文化交流は食からですものね、とってもかしこいわぁ坊やちゃん」
相変わらずのマシンガントークぶりだが、母はその間にもポチが持ってきた箱の中身に興味深々である。
コニーに箱を開けてもらうと、冷却魔術のおかげでいい具合に冷えているあいすくりーむがあった。ちなみにポチの気に入りのイチゴ味である。
「口を開けてー」
コニーが箱を持つと、母にそう告げた。母が身を伏せて
「あーん」
と口を開けたので、箱の中身が丸ごと口の中に放り込まれた。
「まあ冷たい! 不思議な食べ物だわぁ」
母が目を丸くして、あいすくりーむをごっくんと一口で飲み込んだ。
「人間の食べ物もいいものね、こんど他のものも食べてみたいわぁ」
母が喜んでくれたので、ポチも満足である。
「また何か買ってくるのである」
いつかぜひとも、コニーの母の手作りりんごパイを食べてもらいたいものだ。あれこそが人間の食べ物の中でも、ポチのイチオシなのだから。
「まああ! 母親思いの坊やちゃんだわ、うれしいわぁ!」
母は感激していた。持ってきた甲斐があったというものだ。
一方で。
「我が子よ、父のぶんはないのか……?」
父はあいかわらず小山でいじけていた。
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