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本編
16 舞台裏の立役者
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「全くもって、うちの倅ときたら酷いもんだ。今まで全然親を頼ってこなかったっていうのに、いきなり手紙を寄こしてきて、『ランドハルス侯爵令嬢を別荘で匿うことにした』だと。十数年ぶりの倅からの手紙がその一言。いやあ、なんと味気ないことか」
「子どもとはそのようなもの。ジルクス君は、父の背中を見て立派に次期公爵の務めを果たしているではないか。この前も討伐隊を率いて大型魔物を倒したとか。立派なものだ」
「君は俺の倅の冷血ぶりを知らないんだよ」
体の衰えを知らない、齢50を過ぎた偉丈夫──
ジルクアド・ル・ルヴォンヒルテは、そう言って眉根をひそめた。歴戦の戦士を思わせる雰囲気を持ち、未だに現役で魔物討伐に参加する彼は、無感情に魔物を狩りつくすところから悪鬼と別名で呼ばれているが、それは戦場だけの話。
ルヴォンヒルテ公爵は、すっかり白髪になった髪を手で撫でながら、目の前にいる貴族学校以来の旧友を見つめた。
「いいか。うちの倅はな、実の父親と食事をしないのだ。俺が誘っても向こうは『キモい』と言う。恐ろしく冷えた目で。──おぉおぉ、なんと悲しい事か」
「息子とはそういうものだろう。自立できている証拠ではないか」
「エルヴィンが羨ましいぞ。あんなに美しい娘がいて。俺も出来る事なら、娘も欲しかった」
「当たり前だろう。ロザリアの子だぞ」
エルヴィン・ランドハルス侯爵。
ルヴォンヒルテ公爵の隣で茶を啜る彼の脳裏には、銀色の長い髪をなびかせる妻・ロザリアの姿があった。妻はランドハルス侯爵にとってかけがえのない存在で、深く愛していた。妻が亡くなっても変わらず、毎日亡き妻を想っている。その妻と同じ銀色の髪を持つ娘のレティシアも、同じように深く愛していた。
ゆえにこそ、婚約者に裏切られた娘を家の外に出すのは断腸の思いだった。いくらルヴォンヒルテ公爵と親交があったとはいえ、娘の行く先は魔物の棲まうルヴォンヒルテ公爵家の別邸。出来る事なら、娘を外に出すことなく済ませたかった。裏切った婚約者を殺してしまいたかった。
それが出来なかったのは、家族がいたからだ。ランドハルス侯爵には、ロザリアとの間にもうけられた息子エスロートがいる。貴族学校に通っている12歳のエスロートには、侯爵の地位を譲るつもりだ。息子の将来と娘の幸せを考えて、ランドハルス侯爵はなくなくレティシアを勘当し、ルヴォンヒルテ公爵の息子ジルクスに預けた。
「あの男とレイツェット家が共倒れするのに、あまり時間はかからなかったな」
ルヴォンヒルテ公爵は、四つ折りにされた新聞に視線を落とした。
新聞にはレイツェット子爵家の爵位褫奪、一家全員の国家騒乱罪での逮捕、ジャークス・ハルクフルグの爵位継承権の剥奪、さらに本家から追放され、公爵の親戚が住む辺境の地へ追いやられた旨が書かれている。
レイツェット子爵家は言わずもがな、誉れあるハルクフルグ家の嫡男に近づき、婚約者がいることを知ったうえで言い寄った。さらにハルクフルグ家の侍女を金で買収し、娘のイースチナを使ってレティシアが魔女であるとジャークスに信じ込ませた。
金と権力に目を眩んだレイツェット夫妻とイースチナは、余罪を徹底的に調べられたうえで、暗く厳しい環境で労働を強いられるだろう。金で買収された侍女レベッカも同じような運命を辿るだろう。
ハルクフルグ公爵夫妻は、息子がやらかした不祥事の後始末で多忙を極めるだろう。
「君の仕業かエルヴィン」
「私は少し、レティシアが魔女でなく冤罪だという噂を広める手伝いをしただけだ。もとは私が一人でなんとかしようと思ったのだがな、思った以上にジルクス君が娘に憐憫をかけてくれたらしい。……ありがたい話だ」
「倅が?」
「その様子だと、まったく話を聞いていないのだな。まぁ、ジルクス君なら父親に相談するまでもないか。ジルクス君はあの裏切り者たちを地獄に堕とすために動いてくれたのだ。ロー商会を使ってな」
目には目を。歯には歯を。噂には噂を。
レティシアが冤罪である噂をロー商会の人脈を使って流し、世論を味方につけたうえで、ハルクフルグ家の侍女であるレベッカを、レベッカが実家に帰省する日を狙って捕まえ、犯行を自白させた。
ジャークスとイースチナが魔物に襲われて大怪我を負ったのは、ジルクスもランドハルス侯爵も計算外だったが、おかげで予定よりも早く証拠が集められた。
「オルバートさんにも世話になったが、ジルクス君にはもっと世話になった。なにせ娘の安全を確保してもらったのだからな。あとで正式に礼を言わねばな……」
感心したように頷くランドハルス侯爵に、ルヴォンヒルテ公爵は意外そうに目を開いた。
なにせジルクスは、疑り深く、己が許した人間以外はひどくぶっきらぼうなのだ。ジルクスはジルクスなりの優しさがあるのだが、冷たい雰囲気のせいで勘違いされやすい。ジルクスがオルバートを動かし、レティシアのためにそこまでするということは、それだけ彼が気を許したということになる。
「ほほぉ。──あの色男、さてはエルヴィンの娘に惚れたな?」
「待て、どういうことだ。信じた男に裏切られて身も心を傷ついているはずだ、そんな娘につけこむなんて、なんて卑劣な男だ! こうしちゃいられん、すぐにレティシアを助けに行かねば」
「おいおい落ち着け落ち着け、愛する娘が他の男のもとへ行く寂しさは分からんでもないが、うちの倅に限って、大事な君の娘を傷つけるようなことはしない」
今にも息子を殴りに行きそうな旧友に、笑みをまじえて公爵が止める。
「まぁ……俺に似ていれば、酔った勢いで唇くらいは奪ったかもしれないがな」
その爆弾発言は、はたしてレティシア大好きの父親に届いていたのやら──
ルヴォンヒルテ公爵は、これからのことを想像して、ますます笑みを深めるのであった。
「子どもとはそのようなもの。ジルクス君は、父の背中を見て立派に次期公爵の務めを果たしているではないか。この前も討伐隊を率いて大型魔物を倒したとか。立派なものだ」
「君は俺の倅の冷血ぶりを知らないんだよ」
体の衰えを知らない、齢50を過ぎた偉丈夫──
ジルクアド・ル・ルヴォンヒルテは、そう言って眉根をひそめた。歴戦の戦士を思わせる雰囲気を持ち、未だに現役で魔物討伐に参加する彼は、無感情に魔物を狩りつくすところから悪鬼と別名で呼ばれているが、それは戦場だけの話。
ルヴォンヒルテ公爵は、すっかり白髪になった髪を手で撫でながら、目の前にいる貴族学校以来の旧友を見つめた。
「いいか。うちの倅はな、実の父親と食事をしないのだ。俺が誘っても向こうは『キモい』と言う。恐ろしく冷えた目で。──おぉおぉ、なんと悲しい事か」
「息子とはそういうものだろう。自立できている証拠ではないか」
「エルヴィンが羨ましいぞ。あんなに美しい娘がいて。俺も出来る事なら、娘も欲しかった」
「当たり前だろう。ロザリアの子だぞ」
エルヴィン・ランドハルス侯爵。
ルヴォンヒルテ公爵の隣で茶を啜る彼の脳裏には、銀色の長い髪をなびかせる妻・ロザリアの姿があった。妻はランドハルス侯爵にとってかけがえのない存在で、深く愛していた。妻が亡くなっても変わらず、毎日亡き妻を想っている。その妻と同じ銀色の髪を持つ娘のレティシアも、同じように深く愛していた。
ゆえにこそ、婚約者に裏切られた娘を家の外に出すのは断腸の思いだった。いくらルヴォンヒルテ公爵と親交があったとはいえ、娘の行く先は魔物の棲まうルヴォンヒルテ公爵家の別邸。出来る事なら、娘を外に出すことなく済ませたかった。裏切った婚約者を殺してしまいたかった。
それが出来なかったのは、家族がいたからだ。ランドハルス侯爵には、ロザリアとの間にもうけられた息子エスロートがいる。貴族学校に通っている12歳のエスロートには、侯爵の地位を譲るつもりだ。息子の将来と娘の幸せを考えて、ランドハルス侯爵はなくなくレティシアを勘当し、ルヴォンヒルテ公爵の息子ジルクスに預けた。
「あの男とレイツェット家が共倒れするのに、あまり時間はかからなかったな」
ルヴォンヒルテ公爵は、四つ折りにされた新聞に視線を落とした。
新聞にはレイツェット子爵家の爵位褫奪、一家全員の国家騒乱罪での逮捕、ジャークス・ハルクフルグの爵位継承権の剥奪、さらに本家から追放され、公爵の親戚が住む辺境の地へ追いやられた旨が書かれている。
レイツェット子爵家は言わずもがな、誉れあるハルクフルグ家の嫡男に近づき、婚約者がいることを知ったうえで言い寄った。さらにハルクフルグ家の侍女を金で買収し、娘のイースチナを使ってレティシアが魔女であるとジャークスに信じ込ませた。
金と権力に目を眩んだレイツェット夫妻とイースチナは、余罪を徹底的に調べられたうえで、暗く厳しい環境で労働を強いられるだろう。金で買収された侍女レベッカも同じような運命を辿るだろう。
ハルクフルグ公爵夫妻は、息子がやらかした不祥事の後始末で多忙を極めるだろう。
「君の仕業かエルヴィン」
「私は少し、レティシアが魔女でなく冤罪だという噂を広める手伝いをしただけだ。もとは私が一人でなんとかしようと思ったのだがな、思った以上にジルクス君が娘に憐憫をかけてくれたらしい。……ありがたい話だ」
「倅が?」
「その様子だと、まったく話を聞いていないのだな。まぁ、ジルクス君なら父親に相談するまでもないか。ジルクス君はあの裏切り者たちを地獄に堕とすために動いてくれたのだ。ロー商会を使ってな」
目には目を。歯には歯を。噂には噂を。
レティシアが冤罪である噂をロー商会の人脈を使って流し、世論を味方につけたうえで、ハルクフルグ家の侍女であるレベッカを、レベッカが実家に帰省する日を狙って捕まえ、犯行を自白させた。
ジャークスとイースチナが魔物に襲われて大怪我を負ったのは、ジルクスもランドハルス侯爵も計算外だったが、おかげで予定よりも早く証拠が集められた。
「オルバートさんにも世話になったが、ジルクス君にはもっと世話になった。なにせ娘の安全を確保してもらったのだからな。あとで正式に礼を言わねばな……」
感心したように頷くランドハルス侯爵に、ルヴォンヒルテ公爵は意外そうに目を開いた。
なにせジルクスは、疑り深く、己が許した人間以外はひどくぶっきらぼうなのだ。ジルクスはジルクスなりの優しさがあるのだが、冷たい雰囲気のせいで勘違いされやすい。ジルクスがオルバートを動かし、レティシアのためにそこまでするということは、それだけ彼が気を許したということになる。
「ほほぉ。──あの色男、さてはエルヴィンの娘に惚れたな?」
「待て、どういうことだ。信じた男に裏切られて身も心を傷ついているはずだ、そんな娘につけこむなんて、なんて卑劣な男だ! こうしちゃいられん、すぐにレティシアを助けに行かねば」
「おいおい落ち着け落ち着け、愛する娘が他の男のもとへ行く寂しさは分からんでもないが、うちの倅に限って、大事な君の娘を傷つけるようなことはしない」
今にも息子を殴りに行きそうな旧友に、笑みをまじえて公爵が止める。
「まぁ……俺に似ていれば、酔った勢いで唇くらいは奪ったかもしれないがな」
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