Day's

しまちぃ

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デュエルゲーム

第1話 プレイヤー

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「あなたは村上奏さん?」
「…そうだけど、、、」
「やっぱり!」
「…てか、君誰よ?私、君みたいな女の子知らないんだけど」
「おんなのこ?私女の子?女の子見える?」
「どっからどうみても女にしか見えないわよ!てかもう一回言うけど君誰よ!!」
「え?私?私は、、


天使の使徒

だよ」

「天使の、、使徒?」
「ええ、そうよ」
天使の使徒とか言う少女は意味深な笑みを浮かべる。
「(あ、この子、多分あれだ。中二病ってやつだ。きっと)」
私は、そんなくだらないこと思いながら、適当にその子に話を合わせようとした
「えーと、その天使の使徒さん?が私に何の用なの?」
「あなた素質があるんじゃない?」
「は?素質?何の?(何かの勧誘かしら?)」
「プレイヤーの素質だよ?」
「え?私別にゲームとか興味ないんだけど?」
さすがに突然現れた意味不明な少女に合わせることが面倒になってきた私は、正直に答えてしまった
「そんなこと言わずにさぁ、このゲームは楽しいかもよ?」
「はぁー?でも興味がないものは仕方ないでしょう」
「そんなことないよ。だって今から言う私の一言で村上奏は興味を持ってしまうから」
「は…」
「あなたの欲しいものが手に入る」
「え、、、」
「あなたの欲しいもの、、」
少女は意味深な笑みを続けている
私は何故か恐ろしく感じた
「な、何よあんた、!!!」
「私は知ってるあなたの欲しいもの」
「…っ」
「それは"お金"」
「え、、、、」
「そして私はもうひとつあなたの秘密を知っているよ」
「な、なに、よ」
「あなたのその力」
「…?!何でそれを、、、?」
「それが"素質"だからだよ?プレイヤーの」
「何なのあなた…」
「手に入るよ?あなたの欲しいものが。デュエルゲームなら手に入る」
「デュエル、、ゲーム?」
「スカウトおしまい。それじゃあね」
そう言うと少女は私の目の前から居なくなった。
いや、居なくなったというより、消えた。
一瞬で何事もなかったかのように消えてしまった。
「何だったの、、あの子」
ピロリーン♪
「!」
突然携帯が鳴り出した。
「何?メール?」
そう言うと、私は携帯をチェックした
「…!何、、、」
『村上奏様
おめでとうございます!!あなたは見事、デュエルゲームプレイヤーに選ばれました!!

奏様はデュエルゲーム初心者ということで簡単にルールを説明させてもらいます。



「何よ、、、これ!!」

『デュエルゲームとはプレイヤー同士が闘って勝敗を決める決闘式ゲームです。
ゲーム中は実際の建物などに影響が出ないように"ゲート"と呼ばれる空間の中で闘ってもらいます。ゲートは運営側が自動的に創り出すので心配は不要でございます。
勝者には相手プレイヤーのレベルに応じて賞金を与えます。』

「…」

『そして、敗者には死を与えます』

「…え?、、死、、?」
私は背すじが凍りつくように固まり、冷や汗をかいた。
「何よ、、死を与えるって、、何で、、、命を賭けてまでお金をもらわないといけないのよ、、、。だけど、、これって、、私はもう参加の拒否権ないじゃない、、、」

『新プレイヤー誕生祝い特別イベント開催中!!新プレイヤー、村上奏様の誕生を祝い
特別イベントを開催中です☆
村上奏様に勝利したプレイヤーには賞金1000万円プレゼント!!奏様勝利の場合、奏様にプレイヤーのレベル賞金+1000万円プレゼント♪特別イベント参加者は奏様と他プレイヤー1名のみとなりますので、早めの参加をお勧めします☆』

「何よこれ、、、」
私は参加するとか一言も言ってないのに、参加していることになっていた。
こんなイベントをおこすとは、私は今他のプレイヤーに狙われているってことだ。

「…お前が村上奏?」
「…!!(…まさかプレイヤー?!)」
私は警戒しながら声がしたほうに目線を向けた。
そこに居たのは、右目と額に包帯を巻いているジャージ姿の男だった
「あなたは、、?」
「…デュエルゲームのプレイヤー」
「…?!」
私の鼓動が突然速くなった。そして、今日命が終わるんだと思うと涙が出そうになった。
「…そんなに警戒しなくてもいい。俺は別にお前に挑もうとか考えてない。」
「そんな言葉、信用できない」
私は警戒心旺盛に男に言った
「お前に信用されなくても俺はお前に挑まないから。」
「だったら、私に用無しじゃない、、。何故私に声をかけたの?」
「…それは、、このままじゃ多分お前、ゲームに負けて殺されるから、心配になった」
「…え、、」
私は一瞬何故か顔が赤くなった。
だけど、私の旺盛な警戒心がまだ治らなかった
「見知らぬ人の心配なんか信用できない!それにあなたには私が死のうと関係のない話じゃない!!」
「…関係ある。だってお前は、、、」
「え」
「…っ!!な、何でもない!!とにかく俺はお前が心配だから、お前は大人しく俺に守られとけばいいんだよ!!」

「え、守る、、?」
「そ、そうだよ、、っ!!」
彼の顔は真っ赤になっていた。
「な、何で、知らないやつに、守るとか言われなくちゃいけないのよ!!!あなたアレでしょ?!私のストーカーでしょ?!!」
「うるせー!!ベーペーな新人後輩を心配してるだけだよ!!!何たって俺はデュエルゲームの先輩だからな!!お前の!!」
「じゃあ先輩なら名乗るくらいしなさいよ!!」
「…ち、、」
何で舌打ちしたんだとツッコミたくなったがやめておいた。
「本城真」
「…ふーん」
「な、何だよ、、」
「じゃあ、よろしくお願いしますね。先輩。」
「…っ、、、笑顔とかずるいだろ、、何も言い返せねー」
「え、、?」
「な、何でもねぇよ、、」
私は知らないうちに彼に対する警戒心が消えていた。だけどそのかわり何故か当分心臓の音が小さくなってくれなかった。

「…先輩、、デュエルゲームって、、」
「…お前メール見ただろ。あれに記載してあったとうりの最悪なやつだよ、、、負けたら殺される、、、」
「…何でこんな物騒な話を公園してるんだろ、、、」
「仕方がないだろ、、、」
「先輩の家でしましょう。」
「はっ?!何で俺の家で?!!」
「…何か私、先輩のこと好きになってるみたいで」
「…え」
「だから、積極的になろうと思ってー?」
「…いやいや」
「ん?何ですか先輩」
「いやいやいやいや、展開早えよ!!!」
「何言ってるんですかー先輩?恋に落ちる瞬間なんて一瞬ですよ」
「いや違うだろ!!さっきまでバリバリ警戒してたじゃん!!」
「でも好きになってしまったものはしかたないんですぅー?」
「お前そんなキャラだったの、、?」
「さっき、いったじゃないですかー!!積極的になるってぇー?」
「わー!!くっつく、、、」
「…先輩?」
「い、言えない。奏にくっつかれて素直に嬉しいから拒めないなんて絶対言えないっ!!」
「…言っちゃってますよー?先輩ー」
「え、、あ、、」
「先輩かーわいっ」
「ち、違うから!!違うからな!!!」
彼は真っ赤な顔でそう言った。
そんな会話を続けながら、私たちは彼の家に向かった

「ここが先輩の部屋…」
彼の家は少し古いアパートだった
部屋には物がとても少なくすごくシンプルな部屋だった、、、
「で、何から話そう?」
「…え、、と」
私は聞きたいことだらけで言葉がまとめららなかった。
「デュエルゲームはな、、、」
彼はそんな私に気をつかったのか、自分から話を進めた。
「デュエルゲームは、デュエルゲーム社という会社がはじめたものなんだ」
「…」
「勝敗は基本会社が判断する。まあゲームは、完全な会社管理だ。あとはメール通りだな」
「天使の使徒…、天使の使徒って何者ですか?」
「…やっぱり天使の使徒と接触してたか、、
天使の使徒はな、青い天使のなりそこないだ」
「青い天使、、?」
「お前も知る時が来るかもしれないな」
「…今教えてください、、」
「知らなくていいよ別に、、知らなくてもいいことなんだ」
そう言った彼の顔は一瞬悲しそうな顔になった。私は何も言い返すことができなかった。
「俺もお前に聞きたいことがある」
「何ですか?」
「…プレイヤーにはある共通点がある」
「共通点?」
「ああ。プレイヤー全員が本来なら人としてありえない力を宿しているという共通点がな。」
「人としてありえない力、、?」
「お前にもあるはずなんだ!!」
「…心あたりはあります、、」
「…話してくれ」
「…あれは幼い時でした」

『何だかケーキ食べたくなっちゃった』
『ケーキならあるよ、かなでちゃん!』
『え?どこどこケーキ!!』
『どこどこって目の前にあるじゃない。チョコレートケーキが』
『え?目の前、、。何もないじゃん、、』

「…それからそういうことが何回かありました。何だか私にはみんなには見えてるのに私には見えないものがあるみたいで、、」
「…」
「まぁ、それを力って言うのはなんか違うような気がしますけど、、」
「…なるほどな、、」
「…え」
彼は立ち上がり押入れの方を漁り出した
「何を探してるんですか?」
「…あった!」
「先輩?」
「これをお前にやる」
そう言って彼は突然何かをつきだした
「先輩これって、、、かた、刀っ?」
「ああ、ちなみに偽物じゃないからな」
私は本物の刀を見て少し混乱した
「お前、一回デュエルゲームをしてみろ」
「え?え?でも、負けたら死んで、、、」
「大丈夫だ。お前に挑んでくるプレイヤーは、はっきり言ってザコプレイヤーだ。強いプレイヤーは新人プレイヤーなんか興味ないからな。」
「でも、一回も闘ってないのに勝てるわけ」
「勝てる!お前が俺を信じてくれたらな」
「え?」
「お前はこの刀を使いながら、心から強く思え、、《たくさんの刀、多種多様な刀》とな、、」
「そんなんで、、勝てるわけが、、」
「初戦の特別イベントはお前が闘わない限り、終了することはない。だから俺を信じてくれ」

「、、っでも」
「奏…」
ギュッ、、、突然彼は私を抱きしめてきた。
「…先輩、、私は、、っ!!」
私はそんな彼を跳ね除け彼の家から飛び出た。

「奏、、っ!!」

「(負けたら死んじゃうのに闘えないよ。怖くて闘えないよ、、っ
だけど、なんでこれ持って来ちゃったんだろ、、、)」

私の手には彼に渡された刀がしっかりと握られていた。

「なんで、、、」

「新人さんみーつけたっ♪」

「…!!」

そこには髪の長い女性がいた

「じゃあ始めましょう♪」

「まさ、か、、」

ピロリーン♪
「…!?」
突然携帯が鳴りだす。
『デュエルゲーム開始!!
幹直美VS村上奏』

「…あ、、」

「始めましょうよ♪デュエルゲームを♪」



「…何であいつを巻き込む、、よりにもよってどうして奏をっ!!!」    


「ほーんとに弱い。ま、新人だから仕方ないよね。新人イベントって良い金稼ぎになるわああ」

「あ、が、、あ」
私は彼女に首を絞めらている。死にそうなほど苦しく私は涙が出てきた

「あら、泣いてるの。かわいそう、まだ若いのに、、。でも安心してあなたの命には1000万円の価値があるのよ?光栄じゃない、?」

「いやだ、、死にたくな、、」
「無理よ。あなたは勝てない。私の能力は部分的高速移動。私の蹴りをを交わすことなど不可能」

「いや、死に、たく、、」

『俺を信じてくれ』

「…!」
急に私は先輩の言葉を思い出した。

「先輩、私、信じてみます。」
「何言ってるの?何かムカつくからもう死、、、?!!!」

突然彼女は私を振りはなした。

「…?」

「…何よ何よこの刀。いつのまにこんな大量の刀で私を囲んで」
「え?大量の、」
私には見えなかった。だけど彼女には見えているみたいだ。

「こんなの勝てっこないじゃない。」
「…私は負けたくない。」
「そんなの私だって、、同じ、、」
彼女は突然泣き出した
「うん。みんな死にたくないから負けたくない。だから私はこの刀であなたを斬る。」
「ちくしょう、チクショーーーー!!!!、!」
ザクリッーー
私は彼女の体を思い切り切りつけた。

バタンッ

私はその場に倒れこんでしまった。
ピロリーン♪
「また、、メール、、」
『勝者 村上奏!!
勝者の村上奏には賞金1100万円を与えます☆』

「笑っちゃうでしょ、、、。私の命100万円なこと、、」

「幹さん、、、」
「怖かったでしょ、、初めてのゲーム、、、
私も怖かったなぁ、、対戦相手の人もそんな強くない人だったんだけどね。必死で闘ったなぁ」
「幹さんっ、、私っ、、」
「私頑張ったよね?だからもう休んでも良いよね、、?」
「…っ!!」
「負けないで、奏ちゃん、、私の分も勝って生きて、、」
「…私っ絶対負けませんっ!!」
「奏ちゃんありがと、、う、、、ああ、お迎えが来たみたい、、」
「…!!」
「敗北おめでとう幹さん。君を貰いに来ました」
いつのまにか先輩と同い年くらいの男が倒れこんでいる彼女の上にまたがって立っている。

「整理屋、、」
「…珍しいこともあるんだね。だいたい僕が来たらみんな抵抗して発狂したり暴れたりするのだけれど。」
「…もう疲れちゃったのよ。私プレイヤーするの、、。だから終わってもいいかなって思って、、」
「ふーん。」
チュッ、、彼は突然彼女にキスをしだした。
「な、何を。」
「う、う、」
「…?!」
彼はキスをしながら彼女の体をえぐっている。

「くふっ」
「…ありがとう、これで君は僕の物だ。」
彼の口元は彼女の吐いた血で汚れている。

「な、なんで、、殺したの、、?」
「…何で、?って君は知らないの?デュエルゲームのルールを。」
「…は、、?」
「敗者には死を与える。」
「…?!だからって殺さなくても!!」
「君は変な子だね。敗者を殺すことがデュエルゲームの1番の目的だろう?、、いや、、正しくは、敗者と僕がキスをすること、かな、、殺すのは証拠隠滅するためかな」
「…は?意味わからない、、」
「もう、僕は帰るよ、、それじゃあ、、」
「まっ待て、、、」
私は動かない体を動かそうとした
しかし動くことはできなかった。
「っで、、、かな、で!!」

「あ、れ、、先輩の声、、?」
「奏!!」
「…先輩、、?」
「よかった、奏、、」
「…?!ここは?!!」
「俺の家だよ、、、」
「…」
相変わらず殺風景な何もないシンプルな部屋だなと私は思った。

「よかった。お前勝てたんだな、、」
「、、勝ったのか、、私、、?!先輩っ!!」
「…どうした?」
「幹さんは、幹さんは!!」
「幹、、?対戦相手のプレイヤーか、?」
「…はい!!幹さんはどうなったんですか?!」
「俺が来た時には気絶していたお前しかいなかった。おそらく整理屋が死体を回収したんだろう。」
「整理屋、、」
「ああ。敗者を殺し、回収し、証拠隠滅をする存在。」
「…先輩、教えてください。私の力って、、」
「おそらくお前の力は幻覚創造だ、、」
「幻覚創造、、?」
「お前は他者にそこに存在してないものを存在してるかのように、錯覚させれる能力を持つ。お前が見えないんじゃなくてお前が見せているんだ。今回で確信したよ。」
「先輩、、」
「……ひどい、、」
「え、、?!」
「こんなボロボロの少女が目の前にいるのにハグのひとつもしないとか、、」
「は、ハグ、、?!そ、そんなの必要ないだろう!!」
「…わたし傷ついたんですけど。とても傷ついたんですけど」
「…こ、今回だけだからな!!」
「はーい?」
そう言って彼はわたしを抱きしめてくれた。

「先輩、、」
「…何だ、、」
「わたし闘うよ。先輩と一緒に。」
「…ああ。」
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