【番外編中】巻き込まれ召喚でまさかの前世の世界だったので好きだった人に逢いに行こうと思います

白銀

文字の大きさ
18 / 121

17 

しおりを挟む


「はぁ……ジン……お前、ヤバイな……」

間をたっぷり開け、眉間にシワを寄せそう呟くアークを、仰向けのまま息を切らし、見上げる俺。

「はぁっ……はぁっ……んっ……やば……い、です、かっ……」

「あぁ、体が固すぎだ……」

「はぁっ……はぁ……、もうっ、一回っ、はぁ……お願い……します……はぁ……はぁ……」

「でもな、まさかここまでだとは……」

「お願いっ……アーク、さん……はぁ……後、一回で……いい、からっ……はぁ……んっ」

アークは困ったように深いため息をつくと、ぐしゃりと俺の頭を撫でた。

「……はぁ、わかった。後悔するなよ」

「はい……でもっ、少しだけでっ……いいのでっ……はぁっ、んっ、休憩、させて……ください」

「……わかった。今度は身体強化使っていいからな」

「了解っ……ですっ……はぁ……」




そう、もうわかっていると思うが、俺らは別にエロイことをしているわけではない。
あの後、地下の練習場に連れていかれ、アーク自ら実技試験をしてくれちゃったりした結果がコレである。
魔法不可の槍オンリーでは、こんなものだろう。いままで、運動をしてこなかった体だ。めちゃ固いし、筋肉なんてない。
戦うイメージは出来ている。ただ、何度やっても体が追い付かないだけ。思うように体が動かず何度も転けた。おかげで、傷だらけのボロボロだ。対戦中、あまりにも酷かったのでアークの顔がひきつっていた。魔法さえ使えれば少しは相手にはなるのに!……たぶん。



数分後、息も落ち着いてきたので、魔法で一口サイズの球体の水を出し、それを口に入れ、喉を潤わせた後、立ち上がった。

「よし、復活!アークさん、お待たせしました!」

身体強化し、アークの方向を見ると、目を大きく見開いていた。

「アークさん?」

「あっ、いや、昔同じ飲み方の奴がいたが……珍しくてな……」

「コレですか?」

人差し指の上に一口サイズの球体を浮かべさせた後、魚の形に変化させ、ぐるぐると回す。

「凄いな……ここまでの細かい制御魔法は難しいはずだ。通常は手の平に出して飲むか、コップに入れて飲むかなんだが……」

あぁ、そう言えば大抵の人は、細かい制御魔法は訓練しても難しいて言ってたな。前世じゃ目立つからと、水魚はアークに見せてなかったことを思い出す。

「まぁ、死ぬ気で頑張ったので……」

あの時は生きるか死ぬかの日々を送ってたから、何度も血反吐吐いて死にかけた結果、制御ができるようになった。
いやー、今も思い出すと口の中が鉄の味がするわ。
くるくると空中に泳がしてあった水魚を自分の口の中へと思ったが、アークがじっと水魚を見ていたのでピンとイタズラを思いついた。

「アークさん、水魚見てて」

「ん?あぁ」

くるくるとアークの周りを回り一回転した後、口許へ軽くキス、キス、キス。ぶはっと思わず笑ったアークの口の中へ水魚を素早く入れ、パチンと指を鳴らすと、水魚は水に変わる。
慌てて口を閉じ、水を飲み込んだアークは俺を見るなりバシッと軽く頭を叩く。

「ビックリしただろうが。でも、まぁ、ご馳走さん」

愉快そうに笑うアーク。何だかイタズラが成功したのにスッキリしない感が……。色々消化不良。















しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

公爵家の次男は北の辺境に帰りたい

あおい林檎
BL
北の辺境騎士団で田舎暮らしをしていた公爵家次男のジェイデン・ロンデナートは15歳になったある日、王都にいる父親から帰還命令を受ける。 8歳で王都から追い出された薄幸の美少年が、ハイスペイケメンになって出戻って来る話です。 序盤はBL要素薄め。

記憶を無くしたら家族に愛されました

レン
BL
リオンは第三王子で横暴で傲慢で侍女や執事が少しでも気に入らなかったら物を投げたり怒鳴ったりする。家族の前でも態度はあまり変わらない… 家族からも煩わしく思われたていて嫌われていた… そんなある日階段から落ちて意識をなくした…数日後目を覚ましたらリオンの様子がいつもと違くて…

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ユィリと皆の動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新 Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新 プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー! ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!

魔法学園の悪役令息ー替え玉を務めさせていただきます

オカメ颯記
BL
田舎の王国出身のランドルフ・コンラートは、小さいころに自分を養子に出した実家に呼び戻される。行方不明になった兄弟の身代わりとなって、魔道学園に通ってほしいというのだ。 魔法なんて全く使えない抗議したものの、丸め込まれたランドルフはデリン大公家の公子ローレンスとして学園に復学することになる。無口でおとなしいという触れ込みの兄弟は、学園では悪役令息としてわがままにふるまっていた。顔も名前も知らない知人たちに囲まれて、因縁をつけられたり、王族を殴り倒したり。同室の相棒には偽物であることをすぐに看破されてしまうし、どうやって学園生活をおくればいいのか。混乱の中で、何の情報もないまま、王子たちの勢力争いに巻き込まれていく。

田舎育ちの天然令息、姉様の嫌がった婚約を押し付けられるも同性との婚約に困惑。その上性別は絶対バレちゃいけないのに、即行でバレた!?

下菊みこと
BL
髪色が呪われた黒であったことから両親から疎まれ、隠居した父方の祖父母のいる田舎で育ったアリスティア・ベレニス・カサンドル。カサンドル侯爵家のご令息として恥ずかしくない教養を祖父母の教えの元身につけた…のだが、農作業の手伝いの方が貴族として過ごすより好き。 そんなアリスティア十八歳に急な婚約が持ち上がった。アリスティアの双子の姉、アナイス・セレスト・カサンドル。アリスティアとは違い金の御髪の彼女は侯爵家で大変かわいがられていた。そんなアナイスに、とある同盟国の公爵家の当主との婚約が持ちかけられたのだが、アナイスは婿を取ってカサンドル家を継ぎたいからと男であるアリスティアに婚約を押し付けてしまう。アリスティアとアナイスは髪色以外は見た目がそっくりで、アリスティアは田舎に引っ込んでいたためいけてしまった。 アリスは自分の性別がバレたらどうなるか、また自分の呪われた黒を見て相手はどう思うかと心配になった。そして顔合わせすることになったが、なんと公爵家の執事長に性別が即行でバレた。 公爵家には公爵と歳の離れた腹違いの弟がいる。前公爵の正妻との唯一の子である。公爵は、正当な継承権を持つ正妻の息子があまりにも幼く家を継げないため、妾腹でありながら爵位を継承したのだ。なので公爵の後を継ぐのはこの弟と決まっている。そのため公爵に必要なのは同盟国の有力貴族との縁のみ。嫁が子供を産む必要はない。 アリスティアが男であることがバレたら捨てられると思いきや、公爵の弟に懐かれたアリスティアは公爵に「家同士の婚姻という事実だけがあれば良い」と言われてそのまま公爵家で暮らすことになる。 一方婚約者、二十五歳のクロヴィス・シリル・ドナシアンは嫁に来たのが男で困惑。しかし可愛い弟と仲良くなるのが早かったのと弟について黙って結婚しようとしていた負い目でアリスティアを追い出す気になれず婚約を結ぶことに。 これはそんなクロヴィスとアリスティアが少しずつ近づいていき、本物の夫婦になるまでの記録である。 小説家になろう様でも2023年 03月07日 15時11分から投稿しています。

祝福という名の厄介なモノがあるんですけど

野犬 猫兄
BL
魔導研究員のディルカには悩みがあった。 愛し愛される二人の証しとして、同じ場所に同じアザが発現するという『花祝紋』が独り身のディルカの身体にいつの間にか現れていたのだ。 それは女神の祝福とまでいわれるアザで、そんな大層なもの誰にも見せられるわけがない。  ディルカは、そんなアザがあるものだから、誰とも恋愛できずにいた。 イチャイチャ……イチャイチャしたいんですけど?! □■ 少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです! 完結しました。 応援していただきありがとうございます! □■ 第11回BL大賞では、ポイントを入れてくださった皆様、またお読みくださった皆様、どうもありがとうございましたm(__)m

BL世界に転生したけど主人公の弟で悪役だったのでほっといてください

わさび
BL
前世、妹から聞いていたBL世界に転生してしまった主人公。 まだ転生したのはいいとして、何故よりにもよって悪役である弟に転生してしまったのか…!? 悪役の弟が抱えていたであろう嫉妬に抗いつつ転生生活を過ごす物語。

処理中です...