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しおりを挟む「はぁ……ジン……お前、ヤバイな……」
間をたっぷり開け、眉間にシワを寄せそう呟くアークを、仰向けのまま息を切らし、見上げる俺。
「はぁっ……はぁっ……んっ……やば……い、です、かっ……」
「あぁ、体が固すぎだ……」
「はぁっ……はぁ……、もうっ、一回っ、はぁ……お願い……します……はぁ……はぁ……」
「でもな、まさかここまでだとは……」
「お願いっ……アーク、さん……はぁ……後、一回で……いい、からっ……はぁ……んっ」
アークは困ったように深いため息をつくと、ぐしゃりと俺の頭を撫でた。
「……はぁ、わかった。後悔するなよ」
「はい……でもっ、少しだけでっ……いいのでっ……はぁっ、んっ、休憩、させて……ください」
「……わかった。今度は身体強化使っていいからな」
「了解っ……ですっ……はぁ……」
そう、もうわかっていると思うが、俺らは別にエロイことをしているわけではない。
あの後、地下の練習場に連れていかれ、アーク自ら実技試験をしてくれちゃったりした結果がコレである。
魔法不可の槍オンリーでは、こんなものだろう。いままで、運動をしてこなかった体だ。めちゃ固いし、筋肉なんてない。
戦うイメージは出来ている。ただ、何度やっても体が追い付かないだけ。思うように体が動かず何度も転けた。おかげで、傷だらけのボロボロだ。対戦中、あまりにも酷かったのでアークの顔がひきつっていた。魔法さえ使えれば少しは相手にはなるのに!……たぶん。
数分後、息も落ち着いてきたので、魔法で一口サイズの球体の水を出し、それを口に入れ、喉を潤わせた後、立ち上がった。
「よし、復活!アークさん、お待たせしました!」
身体強化し、アークの方向を見ると、目を大きく見開いていた。
「アークさん?」
「あっ、いや、昔同じ飲み方の奴がいたが……珍しくてな……」
「コレですか?」
人差し指の上に一口サイズの球体を浮かべさせた後、魚の形に変化させ、ぐるぐると回す。
「凄いな……ここまでの細かい制御魔法は難しいはずだ。通常は手の平に出して飲むか、コップに入れて飲むかなんだが……」
あぁ、そう言えば大抵の人は、細かい制御魔法は訓練しても難しいて言ってたな。前世じゃ目立つからと、水魚はアークに見せてなかったことを思い出す。
「まぁ、死ぬ気で頑張ったので……」
あの時は生きるか死ぬかの日々を送ってたから、何度も血反吐吐いて死にかけた結果、制御ができるようになった。
いやー、今も思い出すと口の中が鉄の味がするわ。
くるくると空中に泳がしてあった水魚を自分の口の中へと思ったが、アークがじっと水魚を見ていたのでピンとイタズラを思いついた。
「アークさん、水魚見てて」
「ん?あぁ」
くるくるとアークの周りを回り一回転した後、口許へ軽くキス、キス、キス。ぶはっと思わず笑ったアークの口の中へ水魚を素早く入れ、パチンと指を鳴らすと、水魚は水に変わる。
慌てて口を閉じ、水を飲み込んだアークは俺を見るなりバシッと軽く頭を叩く。
「ビックリしただろうが。でも、まぁ、ご馳走さん」
愉快そうに笑うアーク。何だかイタズラが成功したのにスッキリしない感が……。色々消化不良。
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