推しの幼馴染み&モブでした。あぁ……もう遅いよ……ね?うぇ?どうしてこうなった!?

白銀

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そこから俺の行動は速かった。
まず、家に帰るなり金髪のちょっと長めのショートのカツラを被り(昔ちょっとした罰ゲームで知り合いにもらった)、軽くセットした後、派手なピアスを左3右2の合わせて5個つける。これは昔からの縁起担ぎだ。中学の頃、時雨にピアッサーで開けてもらった。強い時雨に開けてもらうと強くなりそうだからと言って……。なぜか時雨も俺と同様同じ場所、同じ数を開けてある。お揃いにしたいからと……。
それはさておき、久しぶりに赤色のカラコンを入れた後、電源を落としたスマホと数千円をポケットに突っ込む。喧嘩に使えそうな道具をリュックに入れ、靴を履いて外に出た。合計10分の早業である。
俺は、はやばやと目的地の倉庫へ向かった。





家から電車で1駅。住宅街を抜けた海沿いの近くにある廃倉庫にきた。ここが『サクマ』の拠点である。

「3人か……」

入り口には3人見張りが立っている。
見つからないようにそっと倉庫の横、側面に移動し、窓から覗くと、入ってすぐの古びたドラム缶の上に3人座っている。外にいるやつを合わせて6人だ。
さらに奥の部屋を窓から覗いてみると2人、『サクマ』の総長と副総長だろう。

「思ったより人が少ない……ラッキーだけど……」

確か、他の奴らは『サクマ』の総長命令で『クレナイ』達を襲ってるはずだ。襲われているヤツには申し訳ないが感謝。
さて、どうすっかなぁー。
どうやって攻めていくかと悩んでいると、『サクマ』の総長がスマホを片手にニヤニヤしながら外に出てきた。そして、電話が終わるとバイクに乗ってどこかに行ってしまった。
よし、チャンス!
倉庫の中は大音量で曲が流れているので、外の音に気付かないだろう。
さて、まずは外の3人からやるか。
暗闇を利用し一人ずつ確実に倒していくことにした。正面から間合いを詰め、軽く指を曲げた手のひらで顎の下を目掛けて押し上げるように殴ると、あら不思議1人気絶。同じように続けて2人倒した。
目覚めた時に暴れないよう、ガムテープで口を塞ぎ、腕を拘束する。
……あれ、俺犯罪者みたいじゃねぇ?まぁ、時雨の為だ。よしとしよう、うん。


さて、次は中の奴らだ。
再び、倉庫の側面の窓から覗く。ドラム缶に座っている3人には気付かれていないみたいだ。
そして、部屋の奥の方を覗くと、がたいのいいクマみたいのがいた。
あいつが『サクマ』の副長、ツキグマだな。さっきは気にも止めなかったが……やべぇ、強そう。
確かツキグマはいつもナイフを常時持ち歩いているとゲームに書いてあった。そして、時雨は、『サクマ』の副総長に刺された。……ということは今ツキグマを倒せば時雨は大怪我をしないですむんじゃ……よし。
そっとリュックから昔やんちゃしていたときに使っていたトンファーを出し、気合いを入れる。
……手、めっさ震えてる。俺、大丈夫かな。でもここでやらなきゃ、時雨に大怪我をさせてしまう。
気合いと共にグッとトンファーを握りしめ、フードを深く被ると倉庫に入った。



スマホを手にしていたモブ一人とチラリと目が合った瞬間、操作していたのだろう、スマホから流れていた曲が止まる。怪訝そうに睨み付けるモブ3プラス1。

「あ"ー、テメー誰だ!」

モブ達が騒ぐがそんなものシカトである。それにイラついてか、モブ1が素手で襲いかかってきたので、それを右トンファーで横腕を滑らすように受け流し、右膝で腹を蹴り上げ気絶。よし、1人目完了。
続けてやってきたモブ2を、左足を軸にして右足で顎に向かって回し蹴り。2人目完了。
モブ3が何か大声で言っているがイミフ。日本語喋れや。
うるさく突進してきたので、鳩尾を殴った後、左顎へトンファーで殴る。3人目完了。
残りは奥の部屋でじっと静観しているツキグマだけだ。気合いを入れ睨むと、気持ち悪いことにニヤニヤと笑い出した。怖!気持ち悪い!

「お前の、その目、いいなぁ」

ゾゾッと鳥肌が立った。キモイ!

「名前、何て言うんだ?」

「……名乗る名はない」

「ふーん、声も、いいなぁ」

若干顔が赤い。恍惚してる。変態だ……どうしようコレ。マジ気持ち悪いんだけど!

「ハハ。そうだ。俺が勝ったら、お前、俺の物だから」

「はぁ?……俺が勝ったら?」

「お前が勝ったら、俺は、お前の物だ」

「いらんわ!」

「フハ、じゃぁ、殺ろうか?」

ペロリと唇を舐めながら、ポケットからナイフを取り出すツキグマに警戒し、神経を最大に尖らせる。
ナイフを振りかざしてきたのを右トンファーで受け止め、素早く左トンファーで下顎を狙うが、それを素手で受け止められた。
マジか!
瞬時に右足でツキグマの腹を蹴り、後へ回避する。互いに目を見つめ数秒後、「こいよ」と挑発するツキグマを無視し、脳裏で次の手を考える。

「こねぇなら、こちらから、いく」

ナイフをくるりと回し逆手に持つと、ツキグマの拳と同時にナイフが俺の右顔目掛けてやってくる。
がたいがいいのに動きが速い!
スレスレで何とかかわすと、右トンファーで勢いをつけ、持ち手を滑らすように回して止める。
ゴッとツキグマの腕に当たるが痛がる様子もない。
ちっ、化け物かよ!
今度は蹴りが跳んできたので、衝撃に備え両腕を前に出す。

「くっ!」

重たい衝撃に耐えきれず、壁に体を叩きつけられた。
いてぇー。
体は痛いが動かなければヤバイことになると、危機感を感じ、立ち上がって横に移動したと同時にガツンっと何かを投げた音が響く。
恐る恐る見てみるとナイフだった。

「あーあー、ほしい。刺さると、思ってたのに」

ニヤニヤ笑いながら、ポケットから新しいナイフを取り出す。

「さぁ、次はどうやって、楽しませて、くれる?」

「……」

コレ、やばくね。










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