女豹の恩讐『死闘!兄と妹。禁断のシュートマッチ』

コバひろ

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女豹の恩讐『死闘!兄と妹。禁断のシュートマッチ』その(38)麻美の自己嫌悪

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家に戻った清美ちゃんの母は、和室の方が騒がしいのでその襖をススーッと開けた。(ん、、何をしているの?)

見ると、畳の上で仰臥している夫の上に女の子が乗っかっている。
その女の子が娘の同級生で麻美ちゃんであることはすぐに分かった。
清美母は困ったもんだと思った。
夫はロリコン気味のところがあり娘の友達麻美ちゃんに悪戯して、 無邪気?な麻美ちゃんもそれに戯れ合っているのだと思った。そう見えた。

「お母さぁ~~ん!  お父さんと麻美ちゃんが、、ケ、ケンカしてるの!」

娘の清美が(母に)抱きついてきて震えながら泣いている。
彼女は娘の泣き方に異常なものを感じ目の前の光景を目を凝らして見た。

(こ、これは戯れ合いではないわ...)

仰向けの夫に馬乗りになっている麻美ちゃんの表情が怒りに満ちている。それに、彼女の右拳が夫の左頬に強く当てられ夫の顔を畳にグリグリ押し付けている。夫はといえば、苦痛の表情で泣いている?? 口の中を切ったのか?口元には血が滲んでいる。

清美ちゃんの母は頭が混乱した。
目の前の光景が信じられない。

清美母は娘と仲の良い麻美の顔は知っていた。麻美がレスリングや空手を習っていることも知っている。

でも、まさか!

いくら麻美ちゃんがレスリングや空手を習っているからといって、37才の大の男である夫を打ち負かすなんてことが可能なのだろうか?麻美ちゃんは娘の同級生であり、まだ小学6年生の女の子に過ぎないのだから。
夫はそんな女の子に組み伏せられ泣かされた形跡もある。しかも口の中を切ってケガをしているようだ。

清美母はワンピースを着た小学生女子と本気のケンカで負け、組み伏せられたうえ泣かされている夫を情けない気持ちで見ていた。

(私はなんでこんな男と一緒に?...)


「アナタたち!な、な、何をしているの? 清美が泣いているじゃない!」

清美母が絶叫のように怒鳴ると、麻美はビクッとしたように飛び退いた。
清美継父は小学生少女に辱められた姿を妻や娘に見られ、その視線に耐えられないのか? 他の部屋に逃げ込んでしまった。こんな恥辱はない。


その後は?

清美ちゃんの継父は悪知恵の働く狡猾な男である。普段の彼ならば、このようにケガをさせられればそれを理由にゆすりたかりをするだろう。
彼は当たり屋をしていた過去がある。
それに、麻美が男を暴行している場面は男の妻と娘に見られていた。訴えられ傷害罪になってもおかしくない。
なんと、男は麻美に馬乗りから殴打され奥歯が折れていたのだから...。


ところが。

「麻美ちゃん、俺が悪かった。もう清美も虐めないから、今日のことは誰にも言わないで下さい。お願いです」

男は麻美に受けた暴行の恐怖で骨抜きにされてしまったようだ。それを清美母は冷めた軽蔑の視線で見ていた。

当然である! 
受けた暴行で訴えたりゆすろうとすれば男が不利になるに決まっている。
娘の友達にセクハラまがいのことをして、取っ組み合いになった末に返り討ちにされたのだから。
37才の大の男が、娘の同級生である小学6年生の少女に肩に担がれ、馬乗りになられ殴られたのだ。最後は歯を折られ口から血を流していた。

こんな恥ずかしいことはない。

日頃の彼は、仲間内では悪ぶって武勇伝を自慢するような見栄っ張りな男なのだ。そんな彼が小学生の女の子と取っ組み合いのケンカで負け、しかも泣かされたなんて、、世間の公になれば恥ずかしくて外を歩けない。小心者の彼には耐え難いことなのだ。


とは言っても、麻美が清美ちゃんの父にケガを負わせたのは事実。
清美ちゃん母から麻美母佐知子の耳にはそっと入れたようである。お互い都合が悪いので内密と言うことで...。



「麻美! あんた、清美ちゃんのお父さんを殴ったんだって? 女の子なのになんてことを...。お前にレスリングや空手を習わせたのはそんなことの為なんかじゃないのよ」

麻美は母に激しく叱責された。

「だって、悪いのは向こうの方なんだから! 清美ちゃんを殴ったから...」

「それでもやり過ぎでしょ? 奥歯が折れてたそうよ。女の子なのに大人の男の人を泣かしちゃうなんて...」

母の後ろには今井宗平が腕組みをしながら深刻な顔をしていた。おまけに兄の龍太まで母に加勢している。
麻美は疎外感で悲しくなった。

それからは売り言葉に買い言葉、母娘の激しい口喧嘩になった。
そこで麻美は心にもない?絶対母に対して口にしてはいけない言葉を口走ってしまった。

今井とのことでだ。

母は泣き出し今井が困ったような悲しい表情になった。

「麻美! お母さんに対して何てこと言うんだ。あやまれよ!」

兄の龍太が顔を真っ赤にして怒っている。麻美は悲しくなって目に涙をいっぱいため家を飛び出していった。
(自分でも自分がよく分からない、、お母さんにあんなことを言ってしまうなんて、自己嫌悪、私はバカだ...)


「佐知子さん、麻美ちゃんは私のことが嫌いらしいね。一緒に住むのは嫌だと言ってるし、もう少し考えようか?
それより、最近の麻美ちゃんが少し派手になってきたのが心配なんだ...」

今井は寂しそうに言った。


佐知子もそれは感じていた。
麻美は近頃色気づいてきたのか? 派手な肌の露出が多い服を好むようになってきた。それはNOZOMIの影響もあるのだろう。彼女はカリスマモデルでもあるのだから。
それでも、麻美はまだ小学生なのだ。
あんな短いスカートを穿いて、うっすらメイクもしているようだ。

(麻美は小学生ながら発育もよく、外見からは大人と変わらない。それを卑猥な目で見る男の人もいる)


佐知子と龍太、それに今井との間で何度か話し合いがなされた。

麻美の荒ぶる魂を鎮めるのはこれしかない。このままでは、麻美はどんな女の子になってしまうか分からない。

そういう結論になった。


佐知子は麻美を呼んだ。

「アナタ、まだNOZOMIさんのところに行きたいの?」

「え!? う、うん...」

「しようがないわね。賛成は出來ないけれど、卒業前に一度入校テストを受けに行ってみなさい」

佐知子は落とされるのを期待する。

麻美の目は輝いた。


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