我儘令嬢なんて無理だったので小心者令嬢になったらみんなに甘やかされました。

たぬきち25番

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【クリストフ】(王妃ルート)

18 幸せの形【クリス ルート最終話】

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ルーカス様と別れた後。
私はクリス様に連れられて、クリス様の部屋に来ていた。

私の部屋に送ろうとしたクリス様が、私の耳元で「もう少し一緒にいたい」囁かれたためだった。

2人でソファーに座ると、クリス様自ら、グラスに果実水を注いでくれた。

もう遅い時間なので、侍女は全て席を外しており、クリス様の部屋には私とクリス様の2人だけだったのだ。

(クリス様と2人っきりって初めてかも?)

いつも部屋のは誰か控えていたので、2人というのは始めてだった。

「改めて、お疲れ様!!」
「クリス様もお疲れ様でした!!」

私たちはもう一度2人でグラスを合わせた。

(ああ、美味しい・・・・)

果実水を飲みグラスを口から離した途端、その手をクリス様に取られた。

「本当に君は美しい。
特に君が愛し気にヴァイオリンを奏でる姿は流麗で本心では誰にも見せてたくはないと思ってしまう」

クリス様は、ゆっくりと私の持ってグラスを私の手から取ると、テーブルに置いた。

そして、急性に私の唇を奪った。

(え??)

いつも余裕があるクリス様とは別人のようで。
まるで奪いつくすかというように私の唇を求めるクリス様に私も答えるようにクリス様の頭を抱きしめた。

しばらくして水音が止まり、唇が離れたと思ったらクリス様に扇情的な瞳で見つめられた。

「君がほしい。ベルナデット」

その瞬間、頭の中にエミリと交わした会話が思い出された。
『ベルナデット様は、殿下の愛を受け入れる準備をするべきかと・・あの、精神的にも・・肉体的にも・・・』

そうだ。
覚悟はしていたはずだ。

・・・・。
・・・・・・・。
・・・・・・・・///。

私はコクリと頷いた。





その後の詳細はあの・・なんとい言えばいいのか・・・。

クリス様の綺麗なお身体を見れたということだけ、お伝えしておきます。
あまり見る余裕はなかったのですが・・・。







次の日、真っ赤な顔のエミリが私首元に、大き目の襞襟を巻いてくれた。

(これ!肖像画でよく見るけど・・どうして?)

疑問に思っている私に彼女が小声で囁いた。

「ベルナデット様に首元にその・・・愛された後が・・・」
「!!!!//////・・・ありがとう」

そういって居たたまれない思いをしたのもいい思い出なのかも?しれない。



その日から私の部屋はクリス様と同室になった。
『結婚までは別の部屋で』と言っていたクリス様だったが、今後の公務への影響や、ご自身の精神衛生上、これ以上の我慢は無理だということになったらしい。

国王陛下や王妃様からは止められることもなった。
むしろ、「あれほど愛していて、よく我慢したな~」と呆れられたらしい。





そして、いよいよ今日は、私たちの結婚式だった。


クリス様は昨夜。

「結婚式の前夜っていうの・・かなりいいかも・・・」

と呟かれ、いつ以上にされようとするので、私は必死で「明日は結婚式なのでこのくらいで!!
明日は好きなだけどうぞ~~。今日はもうこの辺にして下さい~~」とお願いした。
その後、クリス様がニヤリと笑い「明日・・好きなだけ・・ね?わかった」と言ったセリフに少しだけ後悔したのだった。






結婚式の朝、私は少しだけ早く起きてベランダに出た。

王宮の朝は早い。
もうすでに多くの人が仕事を始めていた。


私はヴァイオリンを構えると、『我が最愛を想う』を奏でた。

耳からあの楽譜にある美しい曲が聞こえると幸福感に満たされた。

(『我が最愛を想う』・・私の最愛はクリス様だわ・・
彼と共にこれからも生きていく)

曲を弾き終わると、パチパチと拍手が聞こえた。
振り向くと顔を赤くしたクリス様が立っていた。

「今のって、もしかして・・・私を想って弾いてくれた?」

私はクリス様に向かって最高の笑顔を見せた。

「はい。私の『最愛』はクリス様、あなただけですので」

するとクリス様に抱きしめれた。

「私の『最愛』も君だけだ。愛している」
「私もです」

そう言って、唇を合わせた。
遠い異世界で、私は大切な物を見つけた。

これが『幸せ』というのかもしれないと思った。



【クリス ルート エピソードエンド!!!】




ーーーーーーー


クリスルート完結しました。
長い間、ご多忙にも関わらず、ご覧頂き本当にありがとうございました。

サミュエルルートもいよいよエピソードの中盤。
エリックルートもそろそろ本格始動の予感です。

ですので、もうしばらくお付き合い頂けますと有難いです。


※ルーカスや王妃様のエピソードはエリックの真相ルートのエピソードエンドの後に公開します。





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