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【辺境伯領エンディング】
最終話 最果ての楽園
しおりを挟むゲオルグが王都に来て3年が経とうとしていた。
その間、ゲオルグは数十年ぶり、前辺境伯夫人以来の雷の上級魔法が発現して王都では有名になった。
さらに何度か成績優良生に選ばれて表彰も受けていた。
そんなゲオルグは、きっと多くの女子生徒から誘いを受けているはずなのに休みが合うと私を誘ってくれる。
私もいつの間にか休みはゲオルグと過ごすのが当たり前のようになっていた。
「ライラ! 見えたぞ!!」
そして今日も、ゲオルグと二人で王都を見下ろせる丘に遠乗りに来ていた。
ゲオルグもそろそろ学院を卒業する。もうすでに彼のいない日常を想像できないくらいの存在になっていた。
「ええ」
そして私たちは馬を木に繋ぐと、二人で丘の上に立って王都を眺めた。
ここは眺めもいいし、風も涼しい。
心地よさに目を閉じていると、ゲオルグが口を開いた。
「ライラ、いいかな?」
「ん?」
目を開けて、ゲオルグを見るとゲオルグが真剣な顔で言った。
「卒業式の後のダンス。俺と一緒に出てくれないか?」
「え?」
私は驚いてゲオルグを見た。
「本当は指輪とか渡したいんだけど、今は完全にギルベルトさんに世話になっている。だから俺が辺境伯になったら二人でお揃いの指輪を買おう。ライラが好きな指輪を選んでほしい。だから、そのつまり……プレダンスの時は断られたけど、俺、やっぱりライラが好きだ。俺と結婚して辺境伯領に来てくれませんか?」
3年前、私はゲオルグの手を取れなかった。
でも……
私はゲオルグの手を取って笑った。
「はい。よろしくお願いします」
するとゲオルグが泣きそうな顔で言った。
「本当か? 俺を選んでくれるのか?」
「うん。私もね、ゲオルグが好き」
その瞬間、ゲオルグに抱きしめられた。
「嬉しい。本当に嬉しい!! 好きだ、ライラ!!」
そして目が合うと、どちらともなく唇を合わせた。
人生で3度目のキスは……好きという想いのこもった甘い甘い口づけだった。
◇
「ゲオルグ・フィルネを第57代辺境伯に命ず」
「拝命仕ります」
卒業式もダンスも終わってすぐに、ゲオルグは辺境伯に就任した。
そして私は、ゲオルグの正式な婚約者として一緒に辺境伯領に行くことになった。
辺境伯に就任した日、ゲオルグが私を見ながら言った。
「ライラ、絶対幸せにするから」
だから私はゲオルグの頬にキスをした。
「え!?」
真っ赤な顔で驚いたゲオルグに笑いながら言った。
「私も幸せにするね」
するとゲオルグが破顔しながら言った。
「はは、ライラには一生敵わないな、俺。……愛してる」
そして今度はゲオルグから唇にキスをした。
空には満天の星。
私は、ずっとこの先もこの愛おしい人と共に生きていく。
【完】
――――――
最後まで読んで下さって、本当にありがとうございました!!
本当に、この物語を最後までお届けて出来てよかったです。
読みたいと言って下さった皆様のおかげです。
感謝しかありません。
本当に、本当にありがとうございました。
またどこかで皆様にお会いできるのを楽しみにしております。
たぬきち25番
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本当に有難いです!!
お約束はできないのですがご意見は受け止めました!!
今後ともよろしくお願いいたします!!
完結おめでとうございます!素敵なお話に2つのエンディング、感動しました。これからも応援しています
ありがとうございます!
ありがとうございます!!
•͙‧⁺o(⁎˃ᴗ˂⁎)o⁺‧•͙‧⁺
そのお言葉でどこまでも頑張れます!!
本当にありがとうございました!!