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第1章 邂逅編
ブランニューデイ Ⅱ
しおりを挟むザワつく教室に担任と新顔が1人。
「……で、なんであいつが」
(よりにもよって俺と同じクラスにくんだよっ。
あいつそんなにバカなのか?)
ここは学年末試験でどん尻レベルの生徒が集まる
吹き溜まりみたいなクラス。
勇人はとっさに両手で顔を隠した。
「今日からこのクラスに入った手嶌あずさでぇす。
あーっ! 勇人、お前も同じ組か」
勇人に向ってあずさが大きく手を振る。
(のあっ バカ、やめろ。手ぇふるな)
クラス全員が振り返り勇人の方を見た。
(さ、最悪だ……)
「あぁ、キミは宇佐見 ―― いや、手嶌勇人と兄弟に
なったんだなぁ。ちょうどいい。勇人の隣、
替わってやれ。勇人、色々面倒みてやれよ」
どよっとクラスが沸き立つ。
「ごめんね。席替わってもらっちゃって」
「ううん、気にしないで」
早速あずさは空けてもらったその席に座った。
そんなあずさを顔を覆った指の間から見る。
「よろしくぅ、お兄様」
にこッと微笑むあずさ。
(西脇……いつかぜってーシメてやる)
「はーい、じゃあ教科書3*ページ開けー」
担任・西脇の担当教科”数学”の授業が始まった。
***** ***** *****
放課後、ホームルームで居眠りをしていた勇人は
空っぽ鞄を小脇に抱え、隣のあずさに声をかけた。
「あずさ、帰るぞ」
「あ、先に帰っていいよ」
「なに拗ねてんだよ」
「拗ねてなんかないよ。今から生徒会室に行かなきゃ
なんないんだ。あ、そうそう、生徒会室ってどこ?」
そう言いながら、あずさは帰り支度を始めてる。
「どうしてそんなとこに ――」
「どうしてって、自分だろ。僕を副会長に推薦したの」
あずさはデイバッグを持って立ち上がった。
「で、どこよ? 生徒会室」
「誰が教えっか」
「あ、そう! じゃいいよ。他の誰かに聞くから」
「ちょっ、ちょっと待て。チビ」
バッグを抱えて教室を出て行くあずさを
勇人は追かけ手首をグッと掴んだ。
「ちょっ ―― なに?
僕、急いでるんだけどー」
「じゃなくて、用が済んだらさっさと帰って来いよ」
「う、ん。もちろんそうするよ。晩ごはん作らなきゃ
いけんし」
「ほんとにさっさと帰って来いよ? ゆう―― 優光に
お茶とか誘われてもノルんじゃねぇーぞ」
「分かったからもう……手ぇ離せってば」
そこへ『お邪魔しまぁ~す』と優光が入ってきた。
「ゆ、ゆう……」
「西園寺くん」
「あー、ほんとキミ達って仲良しさんなんだね。
何となく妬けてきちゃうなぁ」
と、勇人が握っているあずさの腕を強引に離す。
「あ、西園寺くん、こ、これはそうゆう意味じゃ
ないんだ。これは……」
「ふふふ……分かってるよ。なんせ勇人は美尻と
美巨乳にしか目がない筋金入りの女好きだからね」
「そーゆうてめぇは節操なしの雑食だろが」
「ハハ ―― 下品な男は放っておいて、さ、仕事
仕事。行こうか、あずちゃん」
「はい……(ふふ ―― あずちゃん、だって)」
恥ずかしそうにうつむき加減で優光へ付いていくあずさの姿を
見送って、そのあずさのうなじはポッと赤らんでるし。
優光は出てゆく間際自分に何とも妖艶な視線を投げつけていく
しで。
勇人は気が気でなく、大急ぎで向かいの校舎・Bへ飛んで行き、
屋上から生徒会室の様子を伺う。
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