7年目の本気

NADIA 川上

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同窓会

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 キ~ンコ~ンカ~ンコ~ン ――――
 
 講義終了のベルが鳴り渡り。
 
 
「じゃ、今日はここまで。各自予習はしっかり
 やっておくように」
 
 
 講師が教室を後にすると、 
 学生達もざわざわと三々五々、帰り支度を始める。

 『おつかれー』と和巴の席までやって来たのは
 小学校の時からクラスが一緒だった寺嶌幸作。
 
 
「行くんだろ? 同窓会」

「えー、行くの??」

「って、行かん気ぃだったんか?」

「だって、**学のレポート今週中に仕上げなきゃ
 だし、明日は第2外国語の小テストだし」

「お前は幹事だろ」

「あ、そうでした……」

「しっかりしろよ。会場の準備、俺も手伝ってやる
 からさ」

「ふふ、手伝うって言っても、席順決めるスピードくじ
 作るくらいだよ」
 
 
 って事で、隣の教室で経済史の講義を受けていた
 利沙も合流し、3人で同窓会の会場になってる
 居酒屋へ向かう。



「―― あの先に見える店だよな?」

「うん ――」


 なんだ……駅から案外近いじゃない

 そう思った時

 ブブブ……メールの着信
 【 世良 忍 】


 受信メールを開くと ――、


 ”和ちゃん達はまだですか? 
  席……なくなりそうなんやけど ”


 ……え
 だって、まだ30分も前


「―― 早くしないと席なくなっちゃうって、
 世良くんが」

「あいつは何にしてもせっかちだからな」


 こんなに皆……張り切って来るなんて
 思わなかった




 ガラ――ッ


「遅くなり……」

「わあっ!! 和巴! 利沙! 幸作!」

「待ってたんだよっ――!!」


 何だろう?
 この異様な盛り上がり……気後れしそう。


「さぁさぁ、3人さんはこちらへどうぞぉ~」


 やっぱりこういう賑やかな席を仕切っていたのは、
 昔から宴会命・飲み会大好き人間のもう1人の
 でも、同窓会幹事・渋谷だった。

 このやたら盛り上がった状態に流されて
 3人、促されるまま席に座らせられた。


 前回から4年ぶりの集まりだ。

 全員、22才から23才。
 
 結構責任のあるポストへ就いている人もいる。

 と、言っても、大半が店長・マネージャー・主任、
 クラスの役職だが。

 お酒など入らぬうちから、懐かしい話に華が咲き。

 気分はすっかり高校生に戻ったみたい。


 もうすぐ7時になろうとするギリギリの時間――。

 当時、ほとんどの女子(偏屈な私を除く)が
 憧れていた、”理系クラスの王子様=櫻井たつき”が
 来た。

 彼が現れた途端、ソコだけ時の流れが止まり、
 一面ピンク色に染まったように見えた。

 来年はいよいよ社会人になると言うのに、
 学生時代と全く変わらない凛々しい佇まいと
 端正な顔立ち。

 今日集まった女子の誰もがそう思ったに違いない。
 みんな一瞬言葉を失ったように、ただ ただ
 彼を見ていた。

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