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第2章 東京編
鈍な和巴
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「―― でもさー、あんた ”夕食でも一緒に”の
ホントの意味、わかってるんだよね?」
食べ終わったコンビニ弁当をゴミ箱に捨て
自分の席に戻った麻紀に言われた。
「ホントの意味?」
「秒刻みのスケジュールこなしてるような
お偉いさんが何の下心もなく、あんたみたいな
小物に時間作ると思うー?」
「!!……」
昼休み終了の本鈴が鳴り渡る ――
「おそらくあのスケベ親父、ホテルのレストランで
食事したあと、速攻であんたを連れ込む気ぃだろね」
「まさか ――!」
「それくらいの覚悟がなきゃ、あの社長は落とせない
って事! それにあの社長を落とせれば、もれなく
衣装とかの無償援助も望めちゃったりするんやろー。
これぞまさに一石二鳥やん」
===============
エントランスロビーの総合受付からの案内で
降りた地下パーキング。
流石上場企業だけあって、一流処の高級車が
ずらりと並んでいる。
その中のベンツの助手席ドアが開いて、
仕立ての良さそうなビジネススーツ姿の男の人が
降り立って、私に向かい会釈してきた。
私もお辞儀を返して車に近付く。
「―― 先日はお電話で失礼しました。
佐渡の秘書で石島と申します」
「初めまして、覇王映画社の小鳥遊と申します」
石島さんは私の為に後部席のドアを開け
”中へどうぞ”と言った。
後部席には先客がいた。
それが、言わずもがなの佐渡宗一郎。
この業界に”佐渡あり”と知らぬ者のいない
大物投資家。
株式会社・和凰堂代表取締役社長。
「あ、おはうございます。この度は ――」
「固い挨拶は抜きだ。さぁ、こっちへおいで」
私は車内へ誘われるやいなや、
佐渡さんに抱き寄せられた。
やっぱり、麻紀の言っていた事は当たっている
かも……。
助手席へ石島さんが戻ると、車は滑らかに
走り出した。
***** ***** *****
新東名高速道路経由で快走すること
約4時間半少々で到着した場所は神奈川県の
箱根湯本。
ここには『和凰堂』の保養施設があるの
だそう。
さすが関連会社だけでも数十社ある大手さんは
規模も違う。
枯れ葉が陽射しに照らされてキラキラ輝く
高原の道を走り抜け、
その奥まった所に見えてきた保養施設の建物は、
ホテルと言っても遜色ない豪華さだった。
ここのメインロビーで小休憩した後、
石島さんは別口の仕事があるとかで、ベンツの
運転手さんと共に東京へ戻って行った。
そこで、いよいよ私はファイナルアンサーかと、
意気込んだけど、佐渡さんはそんな私の焦りを
見透かしたよう、ニヤリとほほ笑み私を出入り口
へと促した。
……へ? どこ、行くの?
「こんなにいいお天気なのに、早々と部屋へ
閉じこもってしまうのはもったいない」
それから私らは、大涌谷へ行って名物の
”黒温泉たまご”を食べ。
芦ノ湖へ下りて、遊覧船でちょっとした
クルージング。
湯元の町をそぞろ歩く頃にはちょうど良く
陽も暮れてきた ――。
ホントの意味、わかってるんだよね?」
食べ終わったコンビニ弁当をゴミ箱に捨て
自分の席に戻った麻紀に言われた。
「ホントの意味?」
「秒刻みのスケジュールこなしてるような
お偉いさんが何の下心もなく、あんたみたいな
小物に時間作ると思うー?」
「!!……」
昼休み終了の本鈴が鳴り渡る ――
「おそらくあのスケベ親父、ホテルのレストランで
食事したあと、速攻であんたを連れ込む気ぃだろね」
「まさか ――!」
「それくらいの覚悟がなきゃ、あの社長は落とせない
って事! それにあの社長を落とせれば、もれなく
衣装とかの無償援助も望めちゃったりするんやろー。
これぞまさに一石二鳥やん」
===============
エントランスロビーの総合受付からの案内で
降りた地下パーキング。
流石上場企業だけあって、一流処の高級車が
ずらりと並んでいる。
その中のベンツの助手席ドアが開いて、
仕立ての良さそうなビジネススーツ姿の男の人が
降り立って、私に向かい会釈してきた。
私もお辞儀を返して車に近付く。
「―― 先日はお電話で失礼しました。
佐渡の秘書で石島と申します」
「初めまして、覇王映画社の小鳥遊と申します」
石島さんは私の為に後部席のドアを開け
”中へどうぞ”と言った。
後部席には先客がいた。
それが、言わずもがなの佐渡宗一郎。
この業界に”佐渡あり”と知らぬ者のいない
大物投資家。
株式会社・和凰堂代表取締役社長。
「あ、おはうございます。この度は ――」
「固い挨拶は抜きだ。さぁ、こっちへおいで」
私は車内へ誘われるやいなや、
佐渡さんに抱き寄せられた。
やっぱり、麻紀の言っていた事は当たっている
かも……。
助手席へ石島さんが戻ると、車は滑らかに
走り出した。
***** ***** *****
新東名高速道路経由で快走すること
約4時間半少々で到着した場所は神奈川県の
箱根湯本。
ここには『和凰堂』の保養施設があるの
だそう。
さすが関連会社だけでも数十社ある大手さんは
規模も違う。
枯れ葉が陽射しに照らされてキラキラ輝く
高原の道を走り抜け、
その奥まった所に見えてきた保養施設の建物は、
ホテルと言っても遜色ない豪華さだった。
ここのメインロビーで小休憩した後、
石島さんは別口の仕事があるとかで、ベンツの
運転手さんと共に東京へ戻って行った。
そこで、いよいよ私はファイナルアンサーかと、
意気込んだけど、佐渡さんはそんな私の焦りを
見透かしたよう、ニヤリとほほ笑み私を出入り口
へと促した。
……へ? どこ、行くの?
「こんなにいいお天気なのに、早々と部屋へ
閉じこもってしまうのはもったいない」
それから私らは、大涌谷へ行って名物の
”黒温泉たまご”を食べ。
芦ノ湖へ下りて、遊覧船でちょっとした
クルージング。
湯元の町をそぞろ歩く頃にはちょうど良く
陽も暮れてきた ――。
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