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4 城東大学附属病院にて
しおりを挟む翌日、病院へは1人で行ったけど、診察室に入る順番待ちの時、休憩を早めにもらったと利沙が来てくれた。
この城東大学は円谷医院の若先生・真吾先生の出身大学。
偶然今日、その真吾先生が産科の外来診察を担当してるそう。
しばらくして、スピーカーから ――
『和泉さん、和泉絢音さん。△番診察室へどうぞ』
真吾先生の声が聞こえてきた。
△番診察室へ入った後、看護師さんの指示で尿検査の為、トイレへ行き尿を取った。
診察室へ戻り内診。
「―― 和泉さん、こちらへどうぞ」
私は診察室で検査着に着替え、分娩台と兼用になっているという内診台の上に乗った。
腰から下はカーテンで仕切られていて見えない。
台が少しずつ上昇し、後方へ倒れていく。
「じゃ、ここに両足を置いて足を開いてくれる?」
カーテンの向こうから真吾先生の声が聞こえた。
私は先生の指示通り、台の両脇にある足台へ左右の足を置いた。
触診。
膣の中に先生が手の指を入れ、もう片方の手でおなかの上から少し圧迫する。
診察とは分かっているものの、恥ずかしくてたまらなかった。
そのあとは、膣鏡と呼ばれる膣の中を観察するための器具を入れられた。
次に、超音波検査。
経膣プローブという棒状の超音波器具を膣の中に入れて、子宮の内部を見る。
器具を入れられ、少し痛みを感じ、目を少し閉じかけたとき、内診台の横モニターにエコー画像が映った。
「あやちゃん? ホラ、見てごらん」
私は目を開けて、エコー画像を見た。
初めて見る自分のお腹の中の画像。
そこには、紛れも無く小さな命が宿っていた。
しかも赤ちゃんは双子。
検査の後、私は真吾先生から現在妊娠6週目だという事を告げられた。
今のところ妊娠経過は母子共に順調。
このままの調子で行けば出産予定は来年1月頃になるだろう、との事。
その後私は真吾先生から、出産・中絶両面に於いてメリットとデメリットの説明を受け自宅マンションへ帰った。
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