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7 浮気の発覚、でも虎河は……
しおりを挟む「ねぇ。これ何?」
帰宅早々の虎河さんに突きつけた。
それを見て一瞬驚く虎河さんだが
「あぁ、それね」
と、謝るわけでもなく軽く言ってきたのだ。
「誰かとラブホテルに行ったの?」
「まあ、そうなるな」
「つまり浮気してるってこと?」
「まあ、そうだな」
「そうだなぁ、じゃないでしょ!!」
同じことを繰り返す虎河さんにキレて怒鳴ると、バンとテーブルを叩いてきた。
反射的にびくりと体が震えた。
「ったく、うるせぇな! 女捨てた奴がごちゃごちゃ言うんじゃねえよ」
「何よそれ」
「お前さ最近鏡見てるか? 老け具合すごいぞ。ババアと一緒に住んでんのかと思うレベルなんだけど」
「仕方ないでしょ。体調が落ち着かなくてそんな余裕」
「あー出たよ。妊娠を言い訳にするダメ女。あのな、世の中には妊娠しても家事も完璧にこなして仕事もバリバリする綺麗な奥様方がたくさんいるの。お前は何? 掃除も料理もロクにしない、妊娠を言い訳にしてサボってるだけじゃねえか」
浮気の話をそらすためか、虎河さんは私の問題に矛先を向ける。
「そういう人たちは家族の協力があるからできるのよ。あなたは何もしてくれないじゃない」
「お前が子供を欲しがったんだろうが、俺は子供なんていらなかったんだよ」
「そんな……ひどいわ。あなただって欲しいって言ってたじゃない」
「そんなの忘れたね」
あまりにひどい虎河さんの暴言に、私の視界がにじみ始めた。
どうしてこんな風に言われなくちゃいけないんだろう。
確かに私は完璧な妻でも母でもないかもしれない。
女を捨ててる状態かもしれない。
それでも自分なりに頑張ってきたのだ。
ただでも体調が悪いのに、興奮したせいで血圧も上がった気がする。
――その時、私の体にある異変が起こってしまった。
「っ……いたっ……」
急に動けなくなった私はその場にしゃがみ込んでしまう。
私の異変に気付いた虎河さんは、急いで私の所へと駆け寄ってくれる、と思いきや。
「お、俺は何もしてねぇぞ」
と言い捨て、そそくさと出て行ってしまった。
「ま ―― まって……たい、がさ……っっ」
私はお腹があまりにも痛くて、その場から立ち上がる事も出来ずにいた。
そのうち、痛みのあまり意識が朦朧としてきて。
薄れゆく意識の中 ――
『あやー。いる? もう、ドア開けっ放しだったよ』
利沙が入って来た。
「あや!? ねぇ! どうしたの! 大丈夫!?」
「お、お腹が……痛くて……」
「え? お腹が痛いの?」
「うん……」
どうしようもない痛みだった。
だけど利沙は、私の足元を見てすぐに出血していることに気付いた。
「大変、出血してる!」
「……え?」
「急いで病院に行こう」
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