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34 認めたくないけど、私は彼に惹かれ始めてる?
しおりを挟むあれから ――。
会社の応接室を後にして、一体どうやって自分のマンションへ戻って来たのか?
よく覚えていない。
それだけ、三上さんとの口付けは鮮烈で衝撃的で……カウントダウンに行けなかったお詫びがてら遊びに来た利沙が電気を点けてくれるまでカウチソファーで呆然と座っていたんだ。
「どうしたの? 何かあった?」
って聞かれ。
「別に何もないよ」
なんて、答えても。
この時の私の様子は誰が見ても普通じゃなくて、何かあったのは一目瞭然。
長い付き合いの親友には最初からバレバレで……。
私は利沙が淹れてくれたホットココアを飲みながら、今日会社で何があったかを
ポツリポツリと話し始めた。
「……私この前フィガロで彼と鉢合わせた時も思ったんやけどさ……三上さん、絢音の事、本当に好きなんやない?」
「ご冗談をっ。茶化されてるだけ。ちょうどいい暇つぶしの道具やて、遊ばれてるだけやし」
「せやけど、何の興味もない女の事、わざわざ休みの日に普通呼びつけたりするかしら」
「さぁね、最初から彼は普通じゃなかったし、やる事なす事大体規格外だから」
利沙には曖昧にそう言ってごまかしたけど。
夜、床に就いても、応接室でじっと覗き込まれた時の三上さんの強い視線が脳裏にちらついて。
ほんの一瞬触れただけのあいつの唇の感触がはっきり残っていて。
なかなか寝付けず、ものの見事に寝不足で寝坊。
今日は休日出勤で日比谷支店のブックカフェ勤務です。
年末のお休みで行楽地へ向かう人々で超満員の電車に揺られ、遅刻一歩手前でタイムカードを押す事が出来た。
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