『ギブ・アンド・テイク(Give and take)』

NADIA 川上

文字の大きさ
40 / 83

39 ★彼の精力は底なし

しおりを挟む
  
 外で小鳥がさえずる声を聞き、薄っすら目が覚めて、寝返りを打とうとして動けない事に気付く。

 ついでに、ココが自分の部屋でない事にも気づく。  

 自分の頭が何かゴツゴツとしたものを枕にしているのを理解すると同時に、背中を包み込むような人肌のぬくもりを感じ、ようやく昨夜の事を思い出した。

 どうやら背後から抱き込まれているらしい。

 ウエストに回った方の腕一本でしっかりと拘束されているために、身動きができない。

 顔だけを後ろに向けると、まだ瞼を閉じたままの三上がいた。

 抱き込まれていた相手が三上だった事に何となく安堵して、ふわっとひとつ欠伸をするとくぐもった声が聞こえてきた。
  
  
「ん~……まだ、寝てろよ~、今日は休みだろ……」


 あぁ……節操が無いというか ――、
 自制心に欠ける、というか……また、同じ事をやってしまったようだ。
  
 下半身に感じる独特な違和感が、昨夜の情事の激しさをはっきり思い出させてくれる。
  

「……動け、そうか?」
  
「三上さんが放してくれたらね」


 私の返答にかすかに苦笑する気配。


「いや。立って動けるかどうかを訊いたんだが……」

「…………」


 ようやく解けた拘束に、そっと身体を起こしてみる。

 腹筋に力を入れた途端、電気ショックのような痛みが尾てい骨のあたりから背筋へと走る。


「くっ…………だめ、みたい」


 ポスリと再び三上の腕の中に戻り、呆然とつぶやく。

 行為自体は激しかったが、相当丁寧に抱かれたという意識があっただけにショックも大きい。

 抱かれるたびにこれでは仕事もままならない。

 だからと言って休みの前だけ、などというわがままが通る相手だとも思えない。


「うぅ……これじゃ、帰れへん……」

「だからゆっくりして行けって。すぐに慣れる」


 そう言うと軽々と抱き上げられた。


「なに??」

「シャワーだ。気持ち悪いだろ? 洗ってやる」

「い、いいよ。1人でだいじょぶ」

「大人しく言う事をきけ。俺はこれからひと仕事だ。風呂場でおっ始めたりはしない」
  
  
 ***  ***  ***
 
 
 その 『――風呂場でおっ始めたりはしない』という言葉は守られたが……。
  
  
「あ、あぁン ―― も、だめ……む、り……」

「まだまだぁっ!」


 書斎でひと仕事終えた三上に再び組み敷かれて ――、
  
  
「あ……はぁ はぁ はぁ んン……」


 現在、3ラウンド目の真っ最中。
  
  
「……前、見てみ?」


 と、促されて、そちらへ目を向ければ。
  
  
「あ ―― も、や、ぁっ……三上さんのばかぁ……」


 そこには、壁一面の鏡があって。
  
 三上の……を、自らの奥深くへ咥え込み、淫らに腰を振る自分の姿。
  
 ……気持ちイイ、けど、大概にしてくれないと、明後日の仕事に出られなくなっちゃう!
  
 そんな事をぼんやり考えているうち、とどめらしい強い突き上げを2~3度繰り返され、私は真っ白な世界へ放り出された。
        
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

なほ
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模るな子。新入社員として入った会社でるなを待ち受ける運命とは....。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

自習室の机の下で。

カゲ
恋愛
とある自習室の机の下での話。

処理中です...