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39 ★彼の精力は底なし
しおりを挟む外で小鳥がさえずる声を聞き、薄っすら目が覚めて、寝返りを打とうとして動けない事に気付く。
ついでに、ココが自分の部屋でない事にも気づく。
自分の頭が何かゴツゴツとしたものを枕にしているのを理解すると同時に、背中を包み込むような人肌のぬくもりを感じ、ようやく昨夜の事を思い出した。
どうやら背後から抱き込まれているらしい。
ウエストに回った方の腕一本でしっかりと拘束されているために、身動きができない。
顔だけを後ろに向けると、まだ瞼を閉じたままの三上がいた。
抱き込まれていた相手が三上だった事に何となく安堵して、ふわっとひとつ欠伸をするとくぐもった声が聞こえてきた。
「ん~……まだ、寝てろよ~、今日は休みだろ……」
あぁ……節操が無いというか ――、
自制心に欠ける、というか……また、同じ事をやってしまったようだ。
下半身に感じる独特な違和感が、昨夜の情事の激しさをはっきり思い出させてくれる。
「……動け、そうか?」
「三上さんが放してくれたらね」
私の返答にかすかに苦笑する気配。
「いや。立って動けるかどうかを訊いたんだが……」
「…………」
ようやく解けた拘束に、そっと身体を起こしてみる。
腹筋に力を入れた途端、電気ショックのような痛みが尾てい骨のあたりから背筋へと走る。
「くっ…………だめ、みたい」
ポスリと再び三上の腕の中に戻り、呆然とつぶやく。
行為自体は激しかったが、相当丁寧に抱かれたという意識があっただけにショックも大きい。
抱かれるたびにこれでは仕事もままならない。
だからと言って休みの前だけ、などというわがままが通る相手だとも思えない。
「うぅ……これじゃ、帰れへん……」
「だからゆっくりして行けって。すぐに慣れる」
そう言うと軽々と抱き上げられた。
「なに??」
「シャワーだ。気持ち悪いだろ? 洗ってやる」
「い、いいよ。1人でだいじょぶ」
「大人しく言う事をきけ。俺はこれからひと仕事だ。風呂場でおっ始めたりはしない」
*** *** ***
その 『――風呂場でおっ始めたりはしない』という言葉は守られたが……。
「あ、あぁン ―― も、だめ……む、り……」
「まだまだぁっ!」
書斎でひと仕事終えた三上に再び組み敷かれて ――、
「あ……はぁ はぁ はぁ んン……」
現在、3ラウンド目の真っ最中。
「……前、見てみ?」
と、促されて、そちらへ目を向ければ。
「あ ―― も、や、ぁっ……三上さんのばかぁ……」
そこには、壁一面の鏡があって。
三上の……を、自らの奥深くへ咥え込み、淫らに腰を振る自分の姿。
……気持ちイイ、けど、大概にしてくれないと、明後日の仕事に出られなくなっちゃう!
そんな事をぼんやり考えているうち、とどめらしい強い突き上げを2~3度繰り返され、私は真っ白な世界へ放り出された。
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