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プロローグ(編集しました)
しおりを挟む私には3才年上の姉がいる。
年が近かったから私はいつも姉の後ろをくっついて
歩いているような、甘えん坊だった。
だから姉・初音とは町内でも評判の仲良し姉妹 ――。
母子家庭の我が家は、
母が仕事で家にいない事が多くて、
初音姉さんが忙しい母親に代わって
私の面倒をみてくれた。
子供の頃は別に可怪しいとは思わなかったけど
ある程度大きくなって、外界(世間)との関わりが
多くなって来た頃ようやく ――
”あれっ。うちのお母さんって何か、変?”
と、疑問に感じる事も多くなった。
鈍な私は母親が家に不在がちなのは、
仕事で忙しいせいだとばかり思っていたけど、
実際は違った。
姉さんは、夜中、私が寝静まった頃にやって来る
小父さんとお母さんの罵り合いを偶然聞いて
しまったり、ご近所の小母さん達の噂話しなんかで、
かなり前からその事を知っていたらしい。
もちろんそんな噂話しの類なら、
私の元にも届いていたけど。
そんな話しは ”ただの噂”
小母さん達が暇つぶしに作った与太話に
過ぎないと思っていた……。
余程慌てていたのか?
単なる掛け忘れか ――、
玄関のドアに鍵はかけられていなかった。
その瞬間、何故か分からないが酷い違和感を
絢音は感じた。
嫌な胸騒ぎもする。
…… ゆっくり玄関のドアを開けた。
そうして玄関の上がり框に綺麗に並べられた
男物の革靴を目にし、絢音は少し眉をひそめた。
(お客さんなんて珍しいな……)
けど、さっきからずっと止まらへん、この胸騒ぎは
何なんやろ……。
ドックン ドックンと、さっきまでの弾んだ鼓動
とは全く別の、嫌な動悸が絢音を支配しつつ
あった。
音をたてないようにスクールシューズを脱ぐ。
そうっと上框にあがったその時、
か細い女の声が飛び込んできた。
それがLDKから聞こえているものだと気付いた
瞬間、ますます絢音の動悸は激しくなった。
震える手でLDKのドアノブへ手をかけた。
「あ……んふ……いぃ……」
その時にはもう、女の喘ぐ声がはっきりと絢音の耳に
届いていた。
意を決し、そのドアを開けようとした時、
肩に手が置かれ絢音は危うく悲鳴を上げかけた。
「ひっ ――!!」
その手は、3つ上の姉・初音の物で。
初音は素早くもう一方の手で絢音の口を塞ぎ、
絢音を引きずるような感じで階段の方へ誘う。
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