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プロローグ
しおりを挟む天気の良い晴れの日。
紅葉が綺麗な季節に
私、白石 ゆき子(86)は
ちょっとお買い物に出掛けていた。
洗濯物を干して
お昼前にお散歩がてら
いつものスーパーに行き
食事を食べてから
夕方に近所の同世代と
それぞれ孫や子どもの話をし
大好きなお笑い番組を見て
ゆっくり寝る。
それが最近の私の毎日。
大好きだった旦那様正二郎さんも
3年ほど前に亡くし
娘も息子も一人前に育ってくれて
都会で暮らしているし
もうやり残したこともないかなー
とそう思って
平和に過ごしていたから
ちょっと平和ボケしていたのかもしれない。
ゆっくり歩いて
たどり着いたスーパーで
色づいた山々を見ながら
お隣に住んでる千代ちゃん(87)と
「今年も紅葉狩り行こうかねー」
「千代ちゃんは歩くの速いから
私は置いていかれちゃうわー」
なんて話していると、
スーパーのレジのところで
ざわざわと人が騒がしくなってきた。
最近、耳も遠くなったし
何が起こってるのかわからないわね。
「ゆきちゃん、レジのところなんだか騒がしいわねー」
「私、もうお会計だから、
ちょっと見てこようかしら」
と、レジに向かって歩いて行った私は
すごく驚いた。
なんと滅多に事件なんてない
この田舎に強盗が居たのだ。
黒い服にマスクと帽子の男が
包丁を持ってレジのお姉さんに
突き付けている。
あのレジの女の子は
とっても良い子で
耳が遠くて
何度も聞き返してしまう私に
にこにことお話してくれる子なの。
たしか息子が3歳でとてもかわいいって
私に笑顔で話してくれて
それを見て幸せな気持ちだったの。
あんなに良い子を狙うなんて
許せないわ!絶対助けないと!
でも...私はおばあちゃんだし
機敏に動けないし
どうしたら...
...そうだわ
とりあえず近づいて
私じゃ駄目か聞いて見ましょう。
警察もまだ来ないみたい
強盗の男も
お金をなかなか出してくれないから
興奮してきてる。
すごく怖いけれど、私だったら
もしものことが起きても
正二郎さんに会いに逝けるし。
ダメ元で強盗さんに
お願いしてみましょう。
「あのね、お兄さん。
包丁突き付けるのが
誰でも良いなら、私じゃだめかしら」
「…おい、ばーさん何言ってるんだ?」
「私ならちゃんと大人しくできるし
老い先短くても一人の命よ。
若い人は抑えとくの疲れちゃうでしょう。」
「おばあちゃんいいのよ!
私は大丈夫よ!」
泣きそうになりながらお姉さんが言ってくれた。
いつの間にか千代ちゃんも近くに居て
心配そうに見ている。
「…いいぞ。ばーさん来い!
お前らは早く金を準備しろ!」
レジの女の子が床に投げられ
私は強盗に捕まった。
それから10分位たった頃
どんどん苛立つ強盗を見ていて
このままだと危険だと思ったのか
田舎すぎて
到着の遅れる助けを諦めたのか
「お金を持ってくるので
お願いだからお客様の命は助けてください。」
スーパーの店長さんが
悔しい顔をしながらお金を詰め始めた。
「…ばーさん。大人しくしてれば
金を貰ったらちゃんと帰してやるからよ。」
お金が手に入ると思ったのか
強盗も少し落ち着き始め
逃走経路を探して周りを見渡し
小声で私に言う。
お金は取られてしまうが
命までは取られないみたいね。
と少し安心していたら
サイレンの音が聞こえてきたの。
「警察だ。手を上に挙げて出てきなさい。」
落ち着いていた
強盗もまた興奮し始めて
それを止めようと力を入れた私に
突き付ける包丁の距離が近づき、
自分の心臓がどくどくしているのがわかる。
怖くて仕方なくて震える。
…そしてその後の記憶はない。
目覚めたら自分のお家だったの。
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