29 / 155
第4章 人魚の弔鐘
4-3.深海遊泳の真髄
しおりを挟む
エリザベスの蘇生から数時間が経過した。
海面に沈む夕日が、サラの隠れ家のリビングを濃密なオレンジ色に染め上げている。
3人は依然として全裸のままだった。
エリザベスは、死の淵から生還した高揚感と、憧れのサラに認められた悦びに頬を紅潮させ、ソファに身を委ねている。
その隣では、黒崎がサラの愛撫を全身で受け止めながら、安藤の動向をタブレットで追っていた。
「エリザベス、あなたの泳ぎには『規律』がある。それはアメリカのナショナルチームで叩き込まれた、完璧な美しさだわ」
サラは黒崎の楔から口を離し、銀糸のような唾液を引かせながらエリザベスへと歩み寄った。濡れた金髪が、彼女の引き締まった背中に張り付いている。
「でも、深海ではその『規律』があなたを殺す。水圧は敵ではない。重力と同じ、そこにあるべき抱擁なのよ」
サラはエリザベスの背後に回り、彼女の陶器のような白い肩に手を置いた。そして、一筋の無駄毛もなく滑らかに剃り上げられたエリザベスの秘部を、背後から優しく、しかし支配的に指先でなぞった。
「深海遊泳の真髄を教えてあげる。それは、肺にある空気を『意識』から切り離すこと」
サラの指が、エリザベスの最も敏感な部分を捉える。エリザベスは予期せぬ快楽と、サラの放つ圧倒的なカリスマ性に身体を震わせ、吐息を漏らした。
「……あ、サラさん……」
「筋肉を固めれば、酸素はすぐに燃え尽きる。立ち泳ぎや激しいキック……あなたの得意な『技術』は、60メートルの闇の中ではただの毒よ。海に自分を差し出しなさい。自分という境界を消して、水と溶け合うの」
サラは、エリザベスの耳元で甘く、残酷な声を囁き続ける。黒崎はその光景を黙って見守っていた。サラが他者に「技術」ではなく「真髄」を説くのは、初めてのことだった。
「今夜から、私の呼吸を直接あなたの肺に刻んであげる。安藤が来るまでに、あなたは秘書でもアスリートでもない……本物の『人魚』になるのよ」
サラの誘いに、エリザベスは心酔しきった瞳で頷いた。
「……はい。あなたのためなら、私は、呼吸さえも捨てられます」
窓の外では、安藤が派遣した調査船の灯りが、遠くの海面を不気味に照らし始めていた。だが、この部屋に流れる時間は、死への恐怖を凌駕する濃厚な情欲と、新たなる覚悟に満たされていた。
海面に沈む夕日が、サラの隠れ家のリビングを濃密なオレンジ色に染め上げている。
3人は依然として全裸のままだった。
エリザベスは、死の淵から生還した高揚感と、憧れのサラに認められた悦びに頬を紅潮させ、ソファに身を委ねている。
その隣では、黒崎がサラの愛撫を全身で受け止めながら、安藤の動向をタブレットで追っていた。
「エリザベス、あなたの泳ぎには『規律』がある。それはアメリカのナショナルチームで叩き込まれた、完璧な美しさだわ」
サラは黒崎の楔から口を離し、銀糸のような唾液を引かせながらエリザベスへと歩み寄った。濡れた金髪が、彼女の引き締まった背中に張り付いている。
「でも、深海ではその『規律』があなたを殺す。水圧は敵ではない。重力と同じ、そこにあるべき抱擁なのよ」
サラはエリザベスの背後に回り、彼女の陶器のような白い肩に手を置いた。そして、一筋の無駄毛もなく滑らかに剃り上げられたエリザベスの秘部を、背後から優しく、しかし支配的に指先でなぞった。
「深海遊泳の真髄を教えてあげる。それは、肺にある空気を『意識』から切り離すこと」
サラの指が、エリザベスの最も敏感な部分を捉える。エリザベスは予期せぬ快楽と、サラの放つ圧倒的なカリスマ性に身体を震わせ、吐息を漏らした。
「……あ、サラさん……」
「筋肉を固めれば、酸素はすぐに燃え尽きる。立ち泳ぎや激しいキック……あなたの得意な『技術』は、60メートルの闇の中ではただの毒よ。海に自分を差し出しなさい。自分という境界を消して、水と溶け合うの」
サラは、エリザベスの耳元で甘く、残酷な声を囁き続ける。黒崎はその光景を黙って見守っていた。サラが他者に「技術」ではなく「真髄」を説くのは、初めてのことだった。
「今夜から、私の呼吸を直接あなたの肺に刻んであげる。安藤が来るまでに、あなたは秘書でもアスリートでもない……本物の『人魚』になるのよ」
サラの誘いに、エリザベスは心酔しきった瞳で頷いた。
「……はい。あなたのためなら、私は、呼吸さえも捨てられます」
窓の外では、安藤が派遣した調査船の灯りが、遠くの海面を不気味に照らし始めていた。だが、この部屋に流れる時間は、死への恐怖を凌駕する濃厚な情欲と、新たなる覚悟に満たされていた。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。
「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる