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第4章 人魚の弔鐘
4-7.結ばれた友情
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モーターボートに乗り、サラの家へと戻り、ようやく一息ついた3人は、そのまま全裸でリビングのソファに身を投げ出した。エリザベスはまだ少し震えていたが、その瞳には強い光が宿っていた。
「……明日は、安藤から休暇をもらっているの。だから、今夜は本土へは帰らないわ。ここにいさせて」
エリザベスの言葉に、サラは優しく微笑んで頷いた。
広いベッドに全裸の3人が横たわる。
黒崎は極限の潜水で体力を使い果たし、泥のように熟睡してしまった。
しかし、エリザベスは眠れなかった。サラが見せた神懸かり的な能力、そして深海で刻み込まれた快楽の余韻が、彼女の神経を昂らせ続けていた。
「眠れないの? エリザベス」
闇の中でサラが囁いた。
「……ええ。まだ、細胞が脈打っているみたいで」
「少し、外行こうか」
2人は全裸のままベッドを抜け出し、月明かりが降り注ぐ深夜の浜辺へと向かった。
波の音だけが響く砂浜に腰を下ろすと、自然と互いの素性がこぼれ落ちた。
そこで2人は、自分たちが同い年であることを知り、運命的な奇縁に驚き、笑い合った。
「どうして……あんなことができるの? サラ、あなたは本当に人間なの?」
「私はただ、海に愛されただけよ。……でも今は、あなたという仲間を得たわ」
2人はそれから長い間、身の上話をした。
都会で心を摩耗させていたエリザベスの孤独と、ひとりここで暮らすサラの孤独。
エリザベスは、都会のコンクリートジャングルで白石や安藤といった男たちの欲望にさらされ、心を摩耗させてきた孤独を語った。
完璧な秘書、完璧なアスリートを演じ続けることの限界。
彼女の瞳から溢れ出した大粒の涙を、サラは自らの指で優しく拭った。
「もう安藤の言いなりにはならない。私はあなたたちのために、この命を使うわ」
「いいえ、自分のために使って。その方が、ずっと強く、美しくなれるわ」
驚いたことに、サラの目からも涙が溢れていた。 この美しい海を独りで守り続け、誰にも弱みを見せられなかったサラにとって、エリザベスの苦悩は鏡に映った自分自身のようでもあった。サラはエリザベスを強く抱きしめ、共に涙を流した。
「もう独りで戦わなくていい。あなたという真珠が、この海には必要だったのよ」
都会のプールで君臨した女王と、南国の深淵を支配する女王。2人の女王が魂を分かち合うまでに、時間はかからなかった。
月光の下、全裸の美女2人が、濡れた頬を寄せ合う影は、世界で最も美しく、最も危険な共犯関係の始まりを告げていた。
「……明日は、安藤から休暇をもらっているの。だから、今夜は本土へは帰らないわ。ここにいさせて」
エリザベスの言葉に、サラは優しく微笑んで頷いた。
広いベッドに全裸の3人が横たわる。
黒崎は極限の潜水で体力を使い果たし、泥のように熟睡してしまった。
しかし、エリザベスは眠れなかった。サラが見せた神懸かり的な能力、そして深海で刻み込まれた快楽の余韻が、彼女の神経を昂らせ続けていた。
「眠れないの? エリザベス」
闇の中でサラが囁いた。
「……ええ。まだ、細胞が脈打っているみたいで」
「少し、外行こうか」
2人は全裸のままベッドを抜け出し、月明かりが降り注ぐ深夜の浜辺へと向かった。
波の音だけが響く砂浜に腰を下ろすと、自然と互いの素性がこぼれ落ちた。
そこで2人は、自分たちが同い年であることを知り、運命的な奇縁に驚き、笑い合った。
「どうして……あんなことができるの? サラ、あなたは本当に人間なの?」
「私はただ、海に愛されただけよ。……でも今は、あなたという仲間を得たわ」
2人はそれから長い間、身の上話をした。
都会で心を摩耗させていたエリザベスの孤独と、ひとりここで暮らすサラの孤独。
エリザベスは、都会のコンクリートジャングルで白石や安藤といった男たちの欲望にさらされ、心を摩耗させてきた孤独を語った。
完璧な秘書、完璧なアスリートを演じ続けることの限界。
彼女の瞳から溢れ出した大粒の涙を、サラは自らの指で優しく拭った。
「もう安藤の言いなりにはならない。私はあなたたちのために、この命を使うわ」
「いいえ、自分のために使って。その方が、ずっと強く、美しくなれるわ」
驚いたことに、サラの目からも涙が溢れていた。 この美しい海を独りで守り続け、誰にも弱みを見せられなかったサラにとって、エリザベスの苦悩は鏡に映った自分自身のようでもあった。サラはエリザベスを強く抱きしめ、共に涙を流した。
「もう独りで戦わなくていい。あなたという真珠が、この海には必要だったのよ」
都会のプールで君臨した女王と、南国の深淵を支配する女王。2人の女王が魂を分かち合うまでに、時間はかからなかった。
月光の下、全裸の美女2人が、濡れた頬を寄せ合う影は、世界で最も美しく、最も危険な共犯関係の始まりを告げていた。
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