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しあわせの朝①
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翌朝、目覚めた金香は布団に寝たまま目を開けただけで、しばらくぼうっとしてしまった。
昨夜のことは夢だったのではないか、と思う。
けれど夢などではない。
先生、今となってはただの師ではなくなってしまったので、麓乎、と呼ぼうか。
麓乎と恋人関係になってしまったこと。確かな事実である。
昨夜の出来事を思っただけで急激に恥ずかしくなり、起きるどころかもう一度布団に潜り込んでしまう。顔だけではなく頭まで煮え立ちそうだ。
抱き込まれて、子供をあやすようにされて、やっと恐怖感がなくなった。
安心することができた。
その心のままに、自分の気持ちを口に出してしまった。
言葉で。声で。
言いたかったことだ。
伝えたかったことだ。
後悔などしていないし、むしろ嬉しく誇らしくも思う。
ただ、それに羞恥を覚えるのは仕方がない。
麓乎が金香の抱えていた恐怖感を拭ってくれたのは、優しい以上にきっと立派な大人の男性だからなのであろう。
触れることで、『想われること』のしあわせを教えてくれたのだから。
もう怖くなどなかった。恥ずかしくは、あるけれど。
昨夜、麓乎はあれから少しして帰っていった。
しばらく体を抱いていてくれたが、そろそろと離された。
顔をあげた金香に名残り惜しそうに、でも愛おしそうに微笑んでくれた。
「私はそろそろ帰ろう」
「……はい」
引き留めることなどまったく思い浮かばず、金香は夢見心地でただ頷いた。
「……おやすみ」
退室する前に頭を撫でてくださったのが最後だった。
すっと立って、扉を開けて、閉めて、帰ってしまわれた。
一人になっても金香はしばらくそこへ、ぺたりと座り込んでいた。
自分の身に起こったことが信じられなかったが、それが現実であるとはわかっていた。
ただ、あまりに幸せすぎて、すぐに正気には戻れなかっただけだ。
昨夜のことは夢だったのではないか、と思う。
けれど夢などではない。
先生、今となってはただの師ではなくなってしまったので、麓乎、と呼ぼうか。
麓乎と恋人関係になってしまったこと。確かな事実である。
昨夜の出来事を思っただけで急激に恥ずかしくなり、起きるどころかもう一度布団に潜り込んでしまう。顔だけではなく頭まで煮え立ちそうだ。
抱き込まれて、子供をあやすようにされて、やっと恐怖感がなくなった。
安心することができた。
その心のままに、自分の気持ちを口に出してしまった。
言葉で。声で。
言いたかったことだ。
伝えたかったことだ。
後悔などしていないし、むしろ嬉しく誇らしくも思う。
ただ、それに羞恥を覚えるのは仕方がない。
麓乎が金香の抱えていた恐怖感を拭ってくれたのは、優しい以上にきっと立派な大人の男性だからなのであろう。
触れることで、『想われること』のしあわせを教えてくれたのだから。
もう怖くなどなかった。恥ずかしくは、あるけれど。
昨夜、麓乎はあれから少しして帰っていった。
しばらく体を抱いていてくれたが、そろそろと離された。
顔をあげた金香に名残り惜しそうに、でも愛おしそうに微笑んでくれた。
「私はそろそろ帰ろう」
「……はい」
引き留めることなどまったく思い浮かばず、金香は夢見心地でただ頷いた。
「……おやすみ」
退室する前に頭を撫でてくださったのが最後だった。
すっと立って、扉を開けて、閉めて、帰ってしまわれた。
一人になっても金香はしばらくそこへ、ぺたりと座り込んでいた。
自分の身に起こったことが信じられなかったが、それが現実であるとはわかっていた。
ただ、あまりに幸せすぎて、すぐに正気には戻れなかっただけだ。
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