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バレエとの出会い

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「やりたい」と思ったのは、ほんの数時間前のことだ。

 でも莉瀬にとって、これほど強い願いを抱いたことは初めてだったのだ。

 美しいものを見た感動。

 そしてそこに立ってみたいという憧れ。

 その気持ちが莉瀬をつき動かしていた。

 莉瀬がやりたいことに対して猪突猛進ちょとつもうしんな性格であることはお母さんも、よく知っているはずだ。

 紙を見終わって、はぁ、とため息をついた。

「わかったわ。この教室にとりあえず聞いてみましょう。でもできるとは限らないからね。四年生なんて遅いって言われるかもしれないわ」

 莉瀬の顔が、ぱぁっと輝いた。

 とりあえず第一関門は、突破できたようだ。

「い、……言われたらそのとき考える!」

「まぁ、そうね……行ってみないことにはね……」

 莉瀬の勢いに押されたように、お母さんはつぶやくように言ったものだ。
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