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次回の発表会は……

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 『白鳥』とは、超有名なバレエの曲目『白鳥の湖』である。

 バレエを習っていて、知らない子も、そして憧れない子もいないだろう。


「オデットは愛美まなみお姉さんかなー」

「そうかも。オデットってすっごい難しいんでしょ。Aクラスのひとでも無理かも」


 あげられたのは、助手の見習い先生の一人。

 まだ大学を出たばかりという『愛美お姉さん』は、乙津先生と同じでプロバレリーナではないけれど、あちこちの発表会や勉強会にヘルプに行ったりしているそうだ。

 そして多分、将来は乙津先生のようなバレエ教室の先生になるのだと思う。


「コールドも……まだ無理かなぁ」

「AクラスかBクラスじゃないかなぁ」

「だよねぇ……」


 コールド。


 莉瀬はみんなが話している、その意味がわからなかった。

 なのでそちらに近づいて聞いてみる。

「コールドってなに?」

 物怖じしない莉瀬は、同じクラスの年下の子たちにもなんでも聞いてしまう。

 ちょっとしたおしゃべりもする。

 本当に心許した友だちではないけれど、学校のあまり交流のないクラスメイトと同じくらいの付き合いだと思っている。
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